A5ランクの牛肉とは?

「A5ランク」という言葉を聞いた時に、「良いお肉」というぼんやりとしたイメージしかない方も多いのではないでしょうか?本記事ではA5ランクのお肉について、その定義や認定基準などを詳しく解説していきます。

肉のランク付けとは

肉のランク付けとは、等級をもとに肉をランクに分けて評価する制度です。肉質やサシの入り方などを基準に行われ、ランクに応じて価格や品質が変わってきます。主に和牛や洋牛の肉について行われ、ランク付けは産地やブランド、育て方、加工方法などによって異なります。ランク付けは、消費者が適切な価格で、高品質で安全な肉を選ぶための指標の一つとなっています。

 

A5とはどのようなランクか

A5ランクの牛肉とは、和牛の最高ランクであり、霜降りの量や見た目、脂肪の質などが基準になっています。A5ランクの肉は、非常に高い品質を持っており、脂肪が豊富で霜降りが細かいのが特徴です。このランクに相当する肉は、近年流通する肉の中での割合は増えていますが、非常に高値で流通する傾向にあります。主に黒毛和種や和牛のブランド牛である松阪牛、神戸牛、近江牛、但馬牛などが知られています。

 

認定基準

牛肉のランクはアルファベットのA〜Cからなる「歩留(ぶどまり)等級」と、1〜5で表される「肉質等級」の2種類を並べてA5やB3などと表記します。

「歩留」+「肉質」で評価を行うのは日本独自のやり方です。

「歩留等級」とは

「その牛の枝肉(※)から取れる、食用の牛肉の量」を評価したものです。Aが最も高く、「たくさんの食用の牛肉が取れる、生産性の高い牛」となります。

 

「肉質等級」とは

肉質等級とは、下記の4項目を総合的に評価したものです。

  • 脂肪交雑(サシの入り方)
  • 脂肪の色沢と質(脂身がきれいかどうか)
  • 肉の締まり及びきめ(お肉がしまっていてきめ細かいかどうか)
  • 牛肉の色沢(お肉の色がきれいかどうか)

 

 ※出典:「トクバイニュース」(https://tokubai.co.jp/news/articles/4249

 

A5ランクの肉の食感や味わい

 

A5ランクの和牛は、肉質が柔らかく、繊細なサシが入っています。脂肪が多く含まれているため、焼肉以外にも低温調理などでも、肉の旨味と脂肪の甘みが広がり、口の中でとろけるような食感を楽しむことができます。

 

有名なA5ランクの牛肉

A5ランクの肉には多くのブランドがありますが、中でも有名なブランドは以下の通りです。

 

  • 松阪牛 – 三重県松阪市で生産される黒毛和種の牛肉で、肉質が柔らかく、上品な味わいが特徴です。

 

  • 神戸牛 – 兵庫県神戸市で生産される黒毛和種の牛肉で、脂肪が豊富で、口当たりがよく、甘みのある味わいが特徴です。

 

  • 近江牛 – 滋賀県で生産される黒毛和種の牛肉で、肉質が柔らかく、脂肪が甘く、旨味が豊かな味わいが特徴です。

 

  • 但馬牛 – 兵庫県で生産される黒毛和種の牛肉で、肉質が柔らかく、脂肪が繊細で甘みのある味わいが特徴です。

 

  • 宮崎牛 – 宮崎県で生産される黒毛和種の牛肉で、霜降りが豊富で、口当たりが滑らかであるとともに、深みのある味わいが特徴です。

 

これらのブランド牛は、生産地や飼育方法、加工方法などによってそれぞれ異なる味わいを持っています。

 

海外産牛にA5ランクはあるのか

和牛のランクは「A5」「A4」「A3」などのアルファベットと数字の組み合わせで表されますが、世界的に牛肉のランク付けの基準はなく、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなどはそれぞれの基準とランクを設定しています。一例としてアメリカ産牛肉のランクのつけ方を紹介します。

 

アメリカ産牛肉

米農務省(USDA)の検査官により、4つの要素 [ 牛の種類、成熟度、サシ(霜降り)の入り具合、性別 ] 等を基準に、グレードが決められます。

本国アメリカでは8等級に分かれていますが、現在日本に輸入されている等級は

主に “プライム” 、 “チョイス” 、 “セレクト” の上から3番目までになります。

 

プライム

アメリカン・ビーフ全体からごくわずかしかとれない、格付けでは最高ランクに位置する高級品です。サシがとてもきれいに入り、 “味わい” 、 “ジューシーさ” 、 “柔らかさ” 、の全てにおいて高い品質が認められ、多くの高級レストランで扱われています。

 

チョイス

プライムに比べるとサシは少なめではありますが、依然高品質のお肉に与えられる格付けです(アメリカではプライムに次いで2番目の格付け)。アメリカン・ビーフの半分強がチョイスの格付けを獲得しており、日本国内で一番流通しているアメリカン・ビーフもチョイスです。 “サシ” 、 “味わい” 、 “ジューシーさ” 、 “柔らかさ” 、が適度にありながらプライムより価格がリーズナブルなお肉です。

セレクト

赤身の割合が多く、比較的、低脂肪・低カロリーで、価格も3つの中では一番低いお肉です。

 

※出典:アメリカンビーフ&アメリカンポーク公式サイト(米国食肉輸出連合会)

https://www.americanmeat.jp/csm/recipe/cooking/cooking_4_rating_and_grade.html)

 

A5ランクの肉の選び方のポイントについて

見た目の確認

A5ランクの肉を選ぶ際には、見た目の確認が大切です。霜降りの量や質、色合い、脂肪の質などを確認し、希望する味わいに合ったものを選びましょう。

 

産地やブランドの確認

産地やブランドによっても、味わいが異なるため、自分の好みに合ったものを選ぶようにしましょう。また、信頼できる専門店や肉屋で購入することで、品質についての保証が得られるため、安心して購入することができます。

 

本サイト「ヤキタベセレクト」は、「プロが厳選した高品質で鮮度の高い焼肉を、直接ご自宅へお届けする」というコンセプトのもと、カイノミを始めとした希少部位も取り扱っています。冷凍せず、冷蔵状態で1次卸業者から直接お届けするため、おいしいお肉を安心してご賞味いただけます。また、本サイトが運営するコミュニティ「ヤキニクタベタイ」では、お肉好きの方が集まり、お肉の情報交換や交流を楽しむことができます。焼肉についての知識を深めたい方や、おいしいお肉を楽しみたい方は、ぜひ参加を検討してみてください。

 

価格の確認

A5ランクの肉は値段が高くなる傾向にあるため、購入前に価格を確認することが大切です。また、値段が高いからといって必ずしも高品質とは限らないため、品質と価格のバランスを考えた上で購入するようにしましょう。

 

A5ランクの牛肉の保存方法

冷蔵庫

肉の水分を軽くふき取る

肉の表面に出ている水分(ドリップ)を、キッチンペーパーなどで軽くふき取り、肉の生臭さを抑えましょう。

 

肉が空気に触れないように包む

酸化や雑菌の付着などを防ぐために、なるべく空気に触れないようラップ等で包みましょう。

 

5℃以下で保存

肉をしっかり密閉できる保存バッグなどに入れ、冷蔵庫で5℃以下の環境で保存します。とくに温度が低くなっているチルド室や冷蔵庫の下段などが好ましいでしょう。

 

冷凍庫

 

肉を小分けにする

 

肉を何度も冷凍したり解凍したりすることを避けるため、一度に使いきれるように、肉はまず小分けに、ブロック肉などの場合も、焼肉用の大きさに切り分け、より急速に冷凍しましょう。

 

肉が空気に触れないように包む

 

冷蔵保存と同様、肉が空気に触れないようにラップなどでしっかり包み、保存バッグに入れましょう。

 

肉を急速冷凍させる

 

冷凍に時間がかかってしまうと、ドリップが出やすくなり、その分焼肉にしたときの風味も損なわれます。急速冷凍機能がない場合は熱伝導率のいいアルミ素材のトレイを下に敷きましょう。

 

※出典:オリーブオイルをひとまわしhttps://www.olive-hitomawashi.com/column/2019/01/post-3781.html

 

A5ランクの牛肉の豆知識

日本食肉格付協会の後悔している2023年3月の格付け結果を見ると、全体の2割が肉質5番で、和牛に限定して言えば、約43%がA5ランクに格付けされています。A5はもはや珍しいものではなく、和牛のスタンダードと言えます。

 

畜産農家からすると、A5を目指しておけば、A4やA3など脂肪の少ない赤身肉も同時に生産できるため、A5ランクの生産を目指すのが効率的な一面もあります。

また、格付けと肉の味は一切関係ありません。A5ランクは「歩留まりが良くて、サシがたくさん入っている」ことを示してはいても、決して「おいしい肉」の証しではないのです。実際に、市場では「A5」が最も評価されるため今では少なくなってしまいましたが、格付けよりも美味しさにこだわっている農家さんもいらっしゃいます。

 

そこで最近では、肉に含まれるうまみ成分である「オレイン酸」の量を測定して、他よりも多く含まれている=よりおいしいことを謳ったブランド牛も登場しています。

 

※出典:ヱビスマガジン(https://y.sapporobeer.jp/food/2022042101/

まとめ

肉のランク付けは、肉の品質や価格を決める重要な指標の一つです。A5ランクは、和牛の最高級ランクであり、脂肪が豊富で、きめ細かく霜降りが特徴です。産地やブランドによっても味わいが異なるため、自分の好みに合ったものを選ぶようにしましょう。また、価格が高額であるため、値段と品質のバランスを考えた上で購入することが大切です。保存する際には、冷蔵保存と冷凍保存を適切に使い分けましょう。肉の保存方法や選び方をしっかりと把握して、自宅で美味しい肉を楽しみましょう。

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