牛肉の部位の種類と特徴とは?全てのお肉を紹介

牛肉の部位を選ぶ際に、それぞれの種類と特徴について理解して選んでいる人は少ないです。実は、牛肉には食べられる部位が27種類もあるとされています。

この記事では、牛肉の部位の種類と特徴、牛肉の精肉と内臓部位、牛肉の部位に適した調理方法について紹介しています。

牛肉の部位の選び方に迷っている方や、いつも同じ部位を選びがちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

牛肉の部位の種類と特徴

牛肉の部位は、精肉(筋肉)と内臓部位の2種類に分けられます。

精肉とは、主に牛の筋肉部分になる自分の意思で動かせる部位をさして呼んでいます。
内臓部位は、筋肉部位よりももう少し奥深くにある自分の意思によって動かせないお肉をさしています。
また、いわゆる希少部位と言われる部位は精肉・内蔵どちらにも含まれており、牛1頭から取れる量が少ない部位を希少部位とすることが多いです。

ここでは、精肉と内臓部位に分けて紹介していきます。

牛肉の精肉

牛肉の精肉の中でも主な15種類を紹介していきます。

バラ

バラは、家庭料理で幅広く使われます。赤身は硬めですが、脂肪と層になることでちょうど良くなり、肉の風味を感じられます。煮込みから炒めまで選ばず使えることで人気があります。

内もも

脂身は少なく、ほぼ赤身を多く占めています。ある程度の大きさのかたまりで取れるため、ローストビーフに使われていることで有名です。

しんたま

しんたまは、牛のもも肉のうちの1種類になります。脂肪は少なく全体的にキメが細かいとされています。赤身肉が塊で取れるため、ローストビーフにおすすめです。

すね

よく動く部位なので、脂肪が少なく筋があります。すねはそのままでは非常に硬いですが、煮込むことでうま味を出し柔らかくなってくれます。

外もも

大きな塊で取れますが、硬めであることが特徴です。薄切りにしても食べられます。最適なのは、適度な大きさに切った外もも肉を煮込んで食べることとされています。

ランプ

ランプは、もも肉の種類になります。脂肪は少なくほぼ赤身ですが、お肉自体に甘みがあり、さまざまな肉料理で使いやすいとされています。

イチボ

イチボは、牛のお尻の先にある赤身肉です。お尻というと硬そうなイメージですが、赤身に脂身がバランスよくのっているため、程よい柔らかさがあります。硬い部分もありますが、煮込むことで食べやすくなります。

肩ロース

ほどよい厚みのサイズのお肉を取ることができます。霜降りが均等に行き渡っているので、風味を感じやすいです。薄切りにすると、お肉の味をより一層感じられます。

ミスジ

ミスジは、牛の肩の内側の部位になります。内側のお肉なので運動量は少なく、脂肪があるためとろけるような肉質です。肉の形や葉脈のような見た目から、「葉っぱ」に例えられることもあります。

リブロース

肩より後ろにある厚みのある部位です。脂肪がまばらにあり、霜降りになりやすい部位とされています。霜降り具合で美しい見た目になることでも人気を集めています。

サーロイン

サーロインといえばステーキを思い浮かべるかと思います。ヒレと同じく、ステーキの部位ランキングで1位を争うほどの人気部位です。腰のあたりに位置しており、甘みのある質の高い脂肪が赤身に溶け込んでいるのが特徴です。

ヒレ

ヒレは、牛の腰のうち側部分にあたります。サーロインとはとなり合っており、どちらもステーキの種類では1位を争う部位です。脂肪や筋はなく、しっとりとしているのが特徴です。あっさりとしたステーキを食べたい人に好まれます。

トンビ

トンビは、牛の肩にあたる部分に位置しています。1頭から2キロしか取れない希少部位とされています。肉質はももに近く、噛むとうま味が詰まっており甘みを感じられます。

ネック

脂肪が少なく、がっちりとした部位になります。肉自体にうま味があることで、スープや煮込みに使いやすいとされています。ひき肉として使っても、肉の持ち味が活かされます。

牛肉の内臓部位

次に、牛肉の内臓部位を紹介します。

いわゆるホルモンがここに分類されますが、それに加えてタン・ハラミなども内蔵の分類に入ります。

ハラミ

焼肉ではよく聞く名前の部位です。脂肪が少なくヘルシーですが、ほどよい柔らかさがあります。

サガリ

サガリとは、ハラミの下に位置しているお肉です。この2つは似たように扱われており、サガリをハラミとして提供しているケースもあるようです。サガリはハラミの中でも脂肪が少なくあっさりとした味わいです。

ミノ(第1胃)

ミノは第一番目の胃で、厚みがあり歯ごたえがありますが淡白な味なので、ホルモンが苦手な方でも挑戦しやすいです。

ハチノス(第2胃)

ハチノスは第2番目の胃で、弾力のある歯ごたえ・食感とあっさりした味わいが特徴です。 コラーゲンを豊富に含んでいて、淡白な味わいなので焼肉のみならず、トリッパなどのタレと合わせる料理にも使用されています。

センマイ(第3胃)

センマイは第3番目の胃で、比較的中心部の近くに位置する第3の胃です。脂肪は少なくコリコリとした食感が特徴的で、センマイ刺し(湯引き)は酒のつまみとして人気が高いです。

ギアラ・アカセンマイ(第4胃)

ギアラ・アカセンマイは第4番目の胃で、4つの胃の中で最も濃厚な味わいになっています。見た目はほんのり赤く、脂ものっていて、ホルモンの中でもしっかり食べごたえがあります。

小腸

脂肪が多く、弾力のある食感が特徴的です。長い小腸を食べやすい大きさに切って使います。お肉の味を楽しむには焼きがおすすめですが、煮込みにも使われます。

大腸

小腸とくらべて脂肪が少なく、厚みがあるため、硬さが目立ちます。大腸ということで、下処理がとても重要といわれています。

タン

タンは、先端・中間・奥で食感や性質が異なります。のどに近い奥側の方が動かない為に脂がのりやすく、きれいな刺しが入った極上の和牛タンは代替のど側の部位が提供されています。一方、舌先(先端)は赤身が多く、スープなどに活用されることが多いです。安い・チェーン店の焼肉屋でよく見かける、丸みをおびた刺しが殆ど入っていない赤身を帯びた牛タンは、だいたい舌先の部位です。

ホホニク・天肉

ホホニクはよく動かされる部位です。筋肉質でやや筋がありますが濃厚な味わいです。牛タンと比べると筋がある分やや固いですが、旨味がつまっていて噛めば噛むほど味わいがある為、焼肉通に人気のある部位です。

テール

テールはコラーゲンが豊富とされています。スープとして煮込むことで、テールの持つ味わいを引き出すことができます。

ハツ(心臓)

脂肪は少なく、サクッとした食感が特徴の赤身肉です。牛の心臓にあたることから、栄養が豊富に含まれています。

レバー(肝臓)

クセが強いため、調理する前に下処理をしっかりするかどうかで味が違います。部位の中でも最も栄養価が高いとされています。

マメ(腎臓)

クセが少ないとされていますが、人によっては多少感じるかも知れません。レバーが好きな方に好まれます。

牛肉の部位に適した調理方法

牛肉のそれぞれの部位を美味しく食べるには、適した調理方法が必要です。

厳密には1つ1つの状態に応じて臨機応変に対応することが重要ですが、ここではご参考までにザックリ焼き・煮込み・炒めの3種類の調理法を、精肉と内臓部位にわけて紹介しています。

ぜひ、調理する際の参考にしてみてください。

焼き

焼きで調理する場合は、お肉自体が硬すぎず筋が少ないことが重要です。そして、適度に脂肪がのっている部位であれば焼くだけで、お肉そのものの味を感じやすくなります。
「焼く」という調理方法に適している、牛肉の部位を紹介します。

精肉

  • 内もも
  • イチボ(柔らかい部分)
  • センマイ
  • 肩ロース
  • サーロイン
  • しんたま
  • トンビ
  • ネック(ひき肉)
  • バラ
  • ヒレ
  • ランプ
  • リブロース

内臓部位

  • サガリ
  • タン(中間・奥)
  • ハツ
  • ホホニク
  • 小腸
  • 大腸
  • ハラミ
  • ミノ
  • レバー

煮込み

煮込みに向いている部位には、お肉自体が硬かったり筋が目立っていることが多いです。ですが、それらの部位は、煮込むことでうま味が溶けだし料理の味に深みを与えてくれます。

「煮込む」という調理方法に適している、牛肉の部位を紹介します。

精肉

  • 内もも
  • イチボ(硬い部分)
  • 肩ロース
  • サーロイン
  • しんたま
  • すね
  • 外もも
  • ネック
  • バラ
  • ミスジ
  • リブロース

内臓部位

  • サガリ
  • タン(先端)
  • テール
  • ホホニク
  • 小腸
  • 大腸
  • ハラミ
  • マメ

炒め

炒めるのに適している部位は、いろんな使い方にも対応できるお肉が多いです。
「炒める」という調理方法に適している牛の部位を紹介します。

精肉

  • 肩ロース
  • バラ
  • ネック

内臓部位

  • タン
  • 小腸
  • 大腸
  • マメ

まとめ

今回、主な牛肉の部位を約30種類紹介しました。美味しくお肉を食べるために、それぞれの部位にあった調理方法を使ってみてください。

ここで紹介したことを参考に、ぜひ牛肉の部位についての知識を蓄えていただければと思います。