シャトーブリアンとはどんなお肉?美味しい焼き方やおすすめの焼肉店

牛肉の最上級部位「シャトーブリアン」はステーキの王様と言われ、おいしい・やわらかい・低脂肪と三拍子が揃った至高のお肉です。

なぜ、シャトーブリアンが低脂肪でおいしくやわらかいのか、その秘密についてよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回、シャトーブリアンのおいしさの秘密やどうしてシャトーブリアンと名付けられたかなどの歴史を解説していきます。

また、シャトーブリアンのおいしい焼き方やシャトーブリアンが食べられる焼肉店もご紹介します。この記事を最後まで読み終えた頃にはシャトーブリアンの知識も深まり、さらにおいしいシャトーブリアンを楽しめることでしょう。

 

シャトーブリアンについて

シャトーブリアンは最高のお肉って聞くけど、どうして最高と呼ばれているのか分からない、おいしいのは知っているけどもっと知識を深めたいといった方のためにシャトーブリアンについてわかりやすくご紹介していきます。

シャトーブリアンの特徴

シャトーブリアンって最高級のステーキだと聞いたことがあるけど、どんな特徴があるかなど説明が難しいという方もいます。そんな方のために今回はシャトーブリアンの特徴について3点ご紹介します。

1つ目の特徴として、シャトーブリアンは「やわらかい」です。肉のやわらかさはナイフ要らずのやわらかさで、お箸でも簡単に切れるほどと例えられるほどです。このやわらかさの秘密はシャトーブリアンがある部位にあります。牛肉の中でもやわらかいとされている体の中央部に属する「ヒレ」と呼ばれる部位です。牛ヒレ肉は別名テンダーロインと呼ばれ、テンダーとは「やわらかい、優しい」という意味があります。そのやわらかい部位の中でもシャトーブリアンはさらに中央部分の最も肉質が良い部位から取れる肉を指します。

中央部が最も肉質がよく、やわらかいことはわかりましたが、なぜ中央部はやわらかいのか疑問に思った方もいるでしょう。イメージしやすいよう人間で説明すると筋トレなど運動をすることにより腕が太く硬くなります。運動により筋肉がつくため肉が硬くなるのです。体の中央部にあるということは腕や足に比べて運動量が少ないことがわかるため、ヘレには筋肉があまりつくことがなく、やわらかい肉質を保つことができているのです。

 

2つ目の特徴として、シャトーブリアンは「希少性が高く、お値段も高い」です。牛一頭を出荷する時の体重は約700キログラムあります。牛ヒレ肉は牛一頭700キログラムのうち、4キログラム取れます。比率でいうと約0.6パーセントと希少性が高い部位です。しかし、シャトーブリアンは牛ヒレ肉4キログラムのうち、たったの600グラムしか取れないのです。700キログラムのうち600グラムしか取れないシャトーブリアンは比率で表すと一頭あたり約0.09パーセントのみ取れるという希少性のとても高い食材です。

希少性が高いと聞くとお値段が高いというイメージがありますよ。しかし、ハラミ肉のように希少性が高くてもリーズナブルに楽しめる食材もあり。希少性が高いイコールお値段が高いというわけではないことがわかるかと思います。ところが、シャトーブリアンの金額は100グラムあたり10,000円から16,000円が相場とかなり高額となっています。これはシャトーブリアンが肉質もよく脂質が低いことから最上級のステーキと呼ばれるほどの食材であることに加え、希少性が高いというプレミアがつく商品であることが原因です。高いとはいえ一生に一度は食べてみたい食材であることは間違いありません。

 

3つ目の特徴として、シャトーブリアンは「脂質が少ない」です。シャトーブリアンは牛の体の中心部にあり運動量が少ない部位のためやわらかいと説明しましたが、動かないと筋肉は脂肪に変わるから脂質は高くなるのでは、と考えてしまいます。実は筋肉が脂肪に変わることはありません。筋肉はタンパク質を原料としており、脂肪は脂質を原料としているため、そもそも別物とされています。運動量が減ることでエネルギーの消費量が減り、消費しきれなくなったエネルギーが脂肪となります。

 

そのため、シャトーブリアン自体に脂肪が付くことは無く低脂質を保った状態であり続けられるのです。

シャトーブリアンの栄養素

シャトーブリアンが低脂質でやわらかく、誰もが魅了される食材であることがわかりましたが、栄養も気になるところです。シャトーブリアンは部位がヒレと同じことから栄養素は同じと考えられているため記述している値はヒレ肉として調査しています。尚、参考元としては食品科学情報データベース-文部科学省のデータを使用しています。シャトーブリアンの中で特筆すべき栄養は下記の3点です。

 

  1. カロリー
  2. タンパク質
  3. ビタミン(ナイアシン、ビタミンB12)

 

1つ目のカロリーに関して、シャトーブリアンのカロリーは和牛で100グラムあたり207キロカロリー、輸入牛で100グラムあたり123キロカロリーです。輸入牛と比べて和牛が高いカロリーとなるのは日本人の味覚が程よく脂がのっていた方がおいしく感じるため、意図的に増やしているためです。また、ステーキとしてよく食べられるサーロインは100グラムあたり和牛で460キロカロリー、輸入牛で273キロカロリーと和牛と輸入牛の差は2倍以上と驚きの差があります。

 

同じステーキを食べてサーロインと比べると太りにくいことからもシャトーブリアンが好んで食べられる理由がわかります。

 

2つ目のタンパク質に関して、和牛と輸入牛それぞれ100グラムから約20グラムほどのタンパク質を摂取することができます。タンパク質は前述した通り、筋肉の原料となります。また、シャトーブリアンに含まれる栄養素として必須アミノ酸がバランスよく含まれます。必須アミノ酸は体内でタンパク質を生成する役目がありますが、体内で作り出せず食材から摂取するしかありません。そのため、タンパク質と必須アミノ酸のどちらも含まれるシャトーブリアンは筋トレにオススメできる食材なんです。

 

3つ目のビタミンに関して、シャトーブリアンはビタミンの中でも特にナイアシンとビタミンB12が豊富に含まれます。ナイアシンはエネルギーの生成やアルコール分解の補助となるほか、神経を正常に働かせる効果があります。ビタミンB12には神経や血液細胞を健康に保ち、貧血防止に役立ちます。

シャトーブリアンの歴史

シャトーブリアンがとても希少で高価な商品であることがわかりましたが、どうしてシャトーブリアンと名付けられてたのでしょうか。シャトーブリアンの語源などの歴史に触れていきましょう。シャトーブリアンの語源となったのは「フランソワ=ルネ・ヴィコント・ドゥ・シャトーブリアン」です。フランス復古王世紀の政治家であり、作家です。大使館付の料理人「モンミレイユ」により考案された料理をシャトーブリアン子爵が好んで食べていたことから命名されました。

 

元々シャトーブリアンは肉の名前ではなくモンミレイユが考案した料理「シャトーブリアン」はヘレ肉をサーロインで挟んで焼いたのちにサーロインを除き、ヘレ肉のみをべアルネーズソースと呼ばれる澄ましバターやエストラゴン、エシャロット、卵黄、セルフィーユ、酢などを煮詰めて作られたソースをあしらった贅沢な一品でした。そこから1870年代に用語が英語に持ち込まれた時に料理から転じて肉の部位を指すように変化しました。

シャトーブリアンのおいしい焼き方

シャトーブリアンについて、情報が蓄積したところでシャトーブリアンを口にしたくなってきました。せっかく知識が深まってきたのに焼き加減がどの程度がよいかわからない方も多いのではないでしょうか。そんな方のためにシャトーブリアンのおいしい焼き方や焼き加減の種類についての知識をご紹介します。

シャトーブリアンのおいしい焼き方

高価なシャトーブリアンを焼肉屋で注文したが焼き方がよくわからない方へシャトーブリアンの特徴を最大限に活かす、おいしい焼き方をご説明します。まず、注文前に鉄板を変えましょう。他のタレについた肉を焼いた鉄板が焦げている可能性があり、シャトーブリアンの裏面を焼こうとひっくり返す時に鉄板にへばりつき千切れます。せっかくの高級食材ですから調理器具にも目を配り、注意深く観察しましょう。また、焼く前に常温に戻っているか確認をしましょう。トングでお肉中央部を持ったときに両端が垂れ下がる状態であれば常温となります。

鉄板を変え油を引き、しっかりと温めていきます。次に届いたシャトーブリアンに下味がついているか確認しましょう。塩・コショウで下味をつけるお店が多いのですが、ここで注意すべき点があります。塩には脱水作用があり、肉に塩・コショウをすると時間が経てば経つほど水分を奪います。せっかくの旨味成分である肉汁をここで失ってしまうのは勿体無いです。そのため、持久戦ではなく短期決戦であることを意識付けましょう。

焼き加減は好みにより分かれますが、おすすめはミディアムレアです。火は強火で片面につき30秒から1分が目安です。環境や強火の火加減にもよるため、あくまで目安です。しっかりと肉から目を離さず観察してください。片面がよく焼けたらひっくり返し両面を焼いていくのですが、注意点は肉を何度も触らないことです。特にシャトーブリアンはやわらかく水分を多く含んでいます。触るだけで肉汁が逃げてしまうと考えましょう。しっかりと両面焼き上げることができたら弱火に落とし肉を休ませてあげましょう。

 

弱火などの機能がない場合は火の弱いところへ移動させるなど工夫が必要です。休ませることにより肉汁が落ち着き、味のムラがなくなります。弱火に落としてからは両面が焦げないように注意しながら中央部が薄いピンク色に焼き上がってきたらお皿に取りましょう。あとはお好みに合わせていただくだけです。個人的にはわさびを乗せて醤油にサッとつけて食べるのもおすすめの食べ方となりますので是非ご賞味ください。

焼き加減の種類

ステーキの焼き加減では「レア」や「ミディアム」が有名です。他にもレアとミディアムの中間が「ミディアムレア」よく火を通した物を「ウェルダン」と4種類までは詳しい方なら知っているかもしれませんね。しかし、実際には焼き加減の種類は10種類あるのでご紹介します。

 

  1. ロー
  2. ブルー
  3. ブルーレア
  4. レア
  5. ミディアムレア
  6. ミディアム
  7. ミディアムウェル
  8. ウェル
  9. ウェルダン
  10. ベリーウェルダン

 

今回はおすすめしたミディアムレアについてわかりやすく説明します。ミディアムレアは表面はしっかりと焼き上げますが、内部まで火が通ってはいません。しかし、熱は伝わっており中心部の温度が約65度と赤色からピンク色に変化するくらいです。実は温度が66度以上になると肉の水分が落ち始めるため、水分をよく含むシャトーブリアンの特徴を最大限に活かすためにはローからミディアムレアとなります。

 

またローからレアでは旨味のもとである肉汁が足りないため、加熱時間を考慮しミディアムレアが1番シャトーブリアンの焼き加減に適しているためおすすめしました。複数人でお店におもむき、焼き加減を聞かれた際は是非食べ比べてください。

 

シャトーブリアンが食べられる焼肉屋

鉄板焼きなどでは見かけることがあるシャトーブリアンですが、焼肉屋でも食べてみたいという方のために今回は激選した3店をご紹介します。

SATOブリアン

まず初めにご紹介する焼肉屋は、お肉を愛する男「佐藤 明弘」氏による東京のお店「SATOブリアン」です。SATOブリアンは現在日本一の焼肉店と称され予約の取れないお店として有名な焼肉屋です。自慢のシャトーブリアンは九州産を使用しており、脂の乗りも一級品で生涯に一度は訪れて食事をしたいナンバー1のお店となります。

りきちゃん

次におすすめするお店は大阪にあるつるげ和牛専門店「りきちゃん」です。お肉の王様シャトーブリアンは生でも食べられるほど新鮮なものを取り入れるほどの力の入れぶりで豪快に焼き上げたものを白米と一緒にかき込むと天国にのぼるほどおいしいと噂になるほどです。大阪に来阪した際は寄って食べたいお店です。

叙々苑

焼き肉の最高峰の一つといえば「叙々苑」です。実は叙々苑でもシャトーブリアンを楽しむことができるんです。しかし、叙々苑の店舗の中でシャトーブリアンを食べられるお店は一店舗だけとなります。そのお店は「叙々苑游玄亭 銀座並木通り店」です。そのお値段はなんと16,000円とかなり高価ですが、焼き肉の最高峰である叙々苑で一度は食べてみたい商品です。

 

まとめ

今回はシャトーブリアンについてご紹介しました。おさらいするとシャトーブリアンはステーキの王様と呼ばれており、特徴としてはやわらかい、低脂質、とても希少な部位です。また、焼き加減のおすすめは旨味たっぷりの肉汁を活かしたミディアムレアで食べるのが一番となります。今後ミートショックによる価格高騰により、ただでさえ高価なシャトーブリアンが手の届かないほどの商品となってしまうか心配ではありますが、一生のうちに一度は食べてみたい最高の食材であることに変わりはありません。

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