焼肉店の定番で人気のあるタンは、牛の舌にあたります。
牛一頭から1本のみ、約1キログラムしか取れない希少部位のため、高価です。
カロリーや脂質は他の部位より比較的高めですが、低糖質で、身体づくりに重要なたんぱく質やビタミン類が豊富です。
「タン」と一口でいいますが、更に「タン元」「タン中」「タン先」「タン下」の4部位に分類されます。
部位によって食感やおすすめの料理方法が異なり、様々な楽しみ方ができます。
焼肉のタンについて
タン元
牛タンの中では最高級部位で、脂が乗っているため一番柔らかくて、ジューシーな味わいや食感を楽しめます。
肉厚なのに焼いても固くならず、シチューや煮込みなど、どんな料理方法とも相性が良いと言われています。
タン元の魅力を最大限に引き出したい場合は、「焼肉」や「ステーキ」のようにシンプルに焼く方法をおすすめします。
焼肉店では、「特上タン」「霜降りタン」「タンカルビ」などと呼ばれています。
タン中
牛タンの中心部にあたる定番部位で、しっかり旨みが強く、適度に歯ごたえがありつつも柔らかい食感です。
「味」「食感」「価格」のバランスとコスパが良いので、精肉店や焼肉店でも人気の部位です。
タン中は煮込んでも問題ありませんが、美味しく食べるなら「牛タン焼き」がイチオシです。
焼肉店では、「上タン」と呼ばれることもあります。
タン先
牛タンの舌先にあたり、動かすことが多く筋肉が発達しているため、噛む度に凝縮した旨みが広がるおいしさを体験できます。
タン元やタン中より脂が少なめで肉質は硬く、臭みもありますが、適した料理方法で絶品部位に変わります。
「牛タンシチュー」や「牛タンカレー」などの煮込み料理をおすすめします。
小さめに切って焼肉として食べて、歯ごたえのある食感を楽しむこともできます。
タン先を煮込むと匂いを抑えられるだけでなく、筋繊維がほどけて柔らかくなるので、旨みが出て味わい深くなります。
タン下
牛タンの裏側にあたる部位で、スーパーや焼肉店の表舞台ではほとんど見かける機会はなく、お店のまかないとして消費されることが多いようです。
別名「タンルート」「タンサガリ」と呼ばれることもあります。
筋がしっかり通っていて肉質も硬く、お肉の臭みも少々ありますが、タン先と同じく適した料理方法で旨みを活かして美味しく食べられます。
硬さゆえに牛タン焼きには向いていませんが、ミンチにし、「ハンバーグ」にするとコリコリとした食感を楽しめます。
自宅でできるタンの美味しい焼き方
焼肉店で不動の人気を誇る牛タンは、精肉店やスーパーでも売られているため、気軽に自宅でも食べることができます。
一見「どのように料理したらいいか」考えてしまいますが、それぞれの部位の特徴に合った料理方法で飲食店顔負けの一品ができます。
手軽に美味しく食べられる方法をご紹介します。
塩タン
牛タン全体は他の部位より脂が乗っているため、シンプルな味付けと相性抜群です。
ソースなどと合わせても美味しく食べられますが、塩のみで焼くとタンの豊かな旨みと歯ごたえの良い食感をより一層楽しめます。
ごま油を少量敷いて焼くと、香りが手伝って、更に食欲がそそられるでしょう。
脂っぽさが気になる場合は、ねぎやレモンを合わせるとさっぱりし、中和させることができます。
緑黄色野菜と合わせると、さらにさっぱりし、野菜不足を解消できるので健康志向の方にもおすすめです。
脂肪燃焼を促すウーロン茶とも、のどごしが最高なビールとも間違いなくぴったりです。
牛タンステーキ
厚切りの牛タンを手に入れた場合、ステーキを強くおすすめします。
厚みがあると内側まで熱が通りにくいため、数本切り目を入れることを推奨します。
オリーブオイルとにんにく、塩こしょうを混ぜ合わせてすり込んで焼くと臭みを消せるだけでなく、牛タンのまろやかな味を引き出せます。
自分へのご褒美や特別な日のご馳走としてもぴったりでしょう。
前述のウーロン茶やビールも合いますが、赤ワインやスパークリングワインを合わせると、非日常感が出せますね。
牛タンシチュー
寒さを感じる時期や購入した牛タンが少し硬い場合、旨味を効かせた煮込み料理にするのもありでしょう。
牛タンとカットしたにんじんやたまねぎなど好みの野菜を軽く炒め、ビーフシチューの素と赤ワイン、水で煮込みます。
ローリエを加えると、牛タンの旨味はそのままに臭みを消すことができます。
じっくり煮込むと硬かった牛タンも柔らかくなるので、子どもからお年寄りまで安心して食べられます。
簡単に作れるので、普段の一品としても、クリスマスのイベント時のディナーとしても用意できます。
タンの美味しい焼肉店5選
仙台の名物として知られていて、「牛タン」目当てに旅行する方も多いと言われています。
全国の食文化が結集する東京都にも、牛タンを楽しめる焼肉店がたくさんあります。
数ある東京都内の焼肉店の中でも、タンの美味しい焼肉店5選をご紹介します。
焼肉 炙屋武蔵(銀座)
「安全で高品質な肉を、より手ごろな価格で」提供するという信念とともに、産地を限定せずに仕入れた厳選黒毛和牛を提供しています。
落ち着いた個室が用意されているので、女子会やデートにもおすすめです。
使用する和牛は、20年以上のキャリアを持つ総料理長自信が確認し、選定されています。
おつまみにぴったりな「和牛タンモト おろしポン酢」や、定番の「和牛タン」などが揃っています。
厳選肉の「和牛トロタン」は人気で、程よい弾力があり、噛むたびに旨味があふれ出てきます。
極上和牛炙り寿司の「極上和牛炙り寿司タン」は、締めの料理としてもぴったりでしょう。
焼肉 うしごろ(西麻布)
西麻布を本店とし、東京都内に複数店舗を構える高級焼肉店です。
店構えも店内も洗練され、個室も完備されているので、お祝い事やデートなど特別な日に是非おすすめします。
ホームページでも「極上の牛タン・至極の焼きしゃぶ」と謳っていて、こちらのタンは絶品です。
西麻布本店限定の「極みタン」は口に入れた瞬間、ガーリックの香りが広がる新しい感覚を体験できます。
しっかりとボリューミーですが、やわらかくて何枚も食べられるので、リピーターが多いようです。
ソムリエもいるので、極上のタンに合う一杯も楽しめます。
焼肉 USHIHACHI(渋谷)
A4ランクやA5ランクの黒毛和牛メス牛のお肉をお手頃価格で、おしゃれに堪能できる焼肉店です。
開放感のある席では気が知れた友人と、特別な日には大切な恋人と、様々なシチュエーションで使えます。
喧騒から離れたお洒落な空間で、渋谷のシンボルであるスクランブル交差点を眺めながら焼肉を楽しめます。
そのため日本人にはもちろん国内外の外国人からも人気で、「渋谷の焼肉店といったらここ」と言うほどです。
牛タンは、定番の「ねぎ塩タン」から、こだわりにこだわり抜かれた「究極の上タン塩」と揃っています。
数量限定ありの「霜降り10%タン」は、タン1本からたった10%しか取れないほど希少なので、品切れになる前に挑戦することをおすすめします。
焼肉 宇成(恵比寿)
渋谷区の中でも特に焼肉屋が密集する恵比寿でも、外せない焼肉店の一つです。
店内は洗練されたお洒落な空間で、友人や家族、恋人など大切な人と焼肉が楽しめます。
マスターとママがお店の切り盛りをしています。
「松坂牛」「神戸牛」「宮崎牛」「仙台牛」「山形牛」のA5ランクのみを扱い、提供しています。
牛タンは、つまめる「タンコリ」や「並タン塩」から、旨味をたっぷり味わえる「上タン塩」までと幅広く揃っています。
思わず目を引く「極上厚切り3.5㎝芯タン」は、人気メニューなので予約必須となっています。
塾成焼肉 肉源(赤坂)
焼肉激戦区の赤坂の中で、お洒落な空間でランチもディナーも楽しめる焼肉店です。
ダウンライトなどインテリアが洗練されていて、焼肉店のイメージを覆すほどお洒落です。
ランチは近隣の会社員など働いている世代の癒しや楽しみとして、ディナーは女子会やデートで使われています。
牛タンのメニューも豊富で、その時の気分や予算に合わせられます。
30日間熟成させた厚さ1センチメートルの「厚切り牛タン」が特に人気で、牛タン好きにはたまらないほどです。
柔らかいタン元を使用した「花咲牛タン」はSNSに載せる方もいるほど写真栄えしますが、それ以上に旨味と柔らかさが最高です。
赤坂の焼肉店で迷った時、タンが食べたい時は、こちらを選べば間違いありません。
まとめ
ここまでタンの基本的な情報や、美味しい食べ方などを中心にお伝えしてきました。
牛タンは「タン元」「タン中」「タン先」「タン下」の4つの部位に分類され、それぞれ食感や適している料理方法が異なります。
- タン元:脂が乗っていて、一番柔らかい最高級部位なので、シンプルに焼いた「焼肉」や「ステーキ」が特におすすめです。どんな料理にも使えます。
- タン中:歯ごたえがありつつも柔らかいので「牛タン焼き」が特におすすめです。どんな料理にも使えます。
- タン先:硬めの肉質で臭みもありますが、旨味が凝縮されているので「牛タンシチュー」や「牛タンカレー」などの煮込み料理が特におすすめです。
- タン下:肉質が硬いので、牛タン焼きには不向きです。硬い肉質と旨味を活かした煮込み料理、もしくはミンチにしコリコリとした食感を活かした「ハンバーグ」が特におすすめです。
今回ご紹介した「タンの美味しい焼肉店」を含め、タンを用意している焼肉店は多いので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。