牛肉の霜降りと聞くと、高級で美味しいイメージがあります。
この記事では、牛肉における霜降りの美味しい食べ方や、霜降り肉を使ったレシピを紹介します。
牛肉の霜降りについて
牛肉の霜降りとは、赤身肉の中にサシと呼ばれる脂肪が入ったお肉のことです。
牛肉になる牛には色々な種類がありますが、霜降り肉となるのは黒毛和牛のみです。
牛肉の霜降りはなぜ高いのか、霜降りの部位などを解説します。
霜降り肉はなぜ高いのか
霜降り肉と聞くと、高級なイメージを持つ人が多いと思います。
ではなぜ霜降り肉は高いのでしょうか。
牛には肉の評価基準として「等級」と呼ばれるものがあります。
5等級の牛、4等級の牛などなんとなく用語を聞いたことのある人は多いはずです。
等級は肉質等級と呼ばれ、1等級から5等級まであります。
1等級が一番下のランクで、5等級が一番高いランクとなっています。
評価ポイントとしては、脂肪がどのくらい混ざっているかの脂肪交雑、お肉のツヤや色、肉のきめ細やかさ、脂肪の粘りやツヤ・光沢の4つです。
4つのうち1つでも極めれば等級が上がる、というわけではなく、全てバランスよく質が高いことが求められます。
霜降り肉は、4等級や5等級になることが多いです。
そのため、自然と価値が上がり値段が高くなります。
霜降り肉の部位
霜降り肉には具体的にどのような部位があるのか解説します。
サーロイン
サーロインは、ロースの一部です。
位置としては、背中辺りのお肉となります。
サーロインは適度にサシが入り、柔らかく脂のあまみと肉のうまみのバランスがとれた部位です。
ステーキといえばサーロインというほど有名で高級なお肉として知られています。
リブロース
リブロースもサーロインと同様にロースの一部です。
肉質はきめ細かいのが特徴で、アメリカではリブアイロール、オーストラリアではキューブロールと呼ばれています。
リブロースは熱を加えると脂が溶け、とてもジューシーになります。
ステーキや焼肉、ローストビーフなど肉そのものの味わいが楽しめる調理法が向いています。
ハネシタ(肩ロース)
ハネシタは別名ザブトンとも呼ばれます。
肩ロースの芯に当たる部分であり、あばら骨の近くがハネシタです。
ザブトンという名前は、見た目が四角いことが由来だと言われています。
歯ごたえはやや弾力があり、肉ならではの味わいが楽しめます。
薄切りにして食べるのがオススメの部位です。
三角バラ(特上カルビ)
三角バラは、焼肉屋で特上カルビとして提供されます。
骨の周りのお肉なのでうま味が強く、霜降りならではのジューシーな味わいも兼ね備えています。
三角バラは肩にあるバラ肉の部位です。
三角バラという名前は、見た目が三角形なのが由来と言われています。
英語ではチャックリブと呼ばれています。
焼肉やステーキ、しゃぶしゃぶで食べるのがおすすめです。
焼肉ではタレで食べるとその味わいをより楽しめます。
ミスジ(トモサンカク)
ミスジは肩甲骨の内側にある、ウデ肉の一部です。
ミスジという名前は、3本の筋が入っているのが由来と言われています。
ミスジも三角バラ同様、焼肉屋では特上カルビとして扱われることが多いです。
ウデ肉は硬めのお肉が多いと言われていますが、ミスジはその中で最も霜降りが多く、柔らかい部位と言われています。
イチボ(モモ)
イチボはお尻の先にある、モモの部分のお肉のことです。
モモ肉は赤身が多く硬いイメージですが、イチボはお尻に近いため、サシが入った柔らかい食感をしています。
その味わいはサーロインに似ていると言われています。
霜降り肉はなぜ美味しいのか
霜降り肉は、加熱するとサシである脂が溶け、脂のあまみや赤身のうまみのバランスが良いため、美味しいです。
また、食感はとても柔らかく、まるで口の中で溶けるようと表現されることもあります。
実際、霜降り肉のサシの融点は低いため、口の中で脂が溶けます。
ただし霜降り肉の脂は人によってはもたれると感じる人もいるため、脂が苦手な人は少量を楽しむのがおススメです。
牛肉の霜降りの美味しい食べ方
霜降り肉の美味しさを最大限生かすにはどんな食べ方をすると良いのでしょうか。
おすすめの食べ方を紹介します。
ステーキ
脂のあまみと赤身のうまみをバランスよく含む霜降りは、シンプルなステーキがおススメです。
味付けも、霜降り肉のうまみを存分に味わうため、シンプルに塩こしょうがオススメ。
また、ワサビ醤油もさっぱりとしているため、霜降り肉の脂がそこまで気にならず食べられます。
焼肉
脂の多い霜降り肉は、焼肉の網で焼いて食べるのがオススメ。
部位によってレモンと塩こしょう、焼肉のタレなど味付けを変えると楽しめます。
霜降り肉を網の上に載せ、焼いている面がサクッとし、脂が溶けてきたら裏返します。
裏面もサクッとした焼き色がついたら完成です。
塩こしょうやレモン、焼肉のタレなどお好みの味付けで食べると脂のあまみと肉のうまみが口の中に広がり美味しいです。
しゃぶしゃぶ
霜降り肉には脂が多くて苦手という人もいます。
しゃぶしゃぶであれば、余分な脂は溶け、ある程度落とすことが出来ます。
しゃぶしゃぶは野菜やきのこなどさっぱりした具材を使うので、肉のうまみとジューシーさを堪能しつつ、ヘルシーにも食べられます。
また、タレもおろしポン酢などのさっぱりとしたものを使えば、あまり胃もたれすることなく美味しく食べることが出来ます。
すき焼き
霜降り肉の脂が甘辛いすき焼きのたれによく合います。
卵を絡めて食べるとご飯の進むおかずになります。
また、豆腐やネギなどが霜降り肉の脂を吸ってくれるので、肉の脂のうまみが他の食材にも染み込み美味しくなります。
煮込み料理
カレーやビーフシチュー、赤ワイン煮込みなどの煮込み料理に霜降り肉を使うのがおススメ。
煮込み料理は野菜と一緒に煮こむことが多いので、霜降り肉の脂があまり気にならず美味しく食べられます。
霜降り肉の濃厚さと、野菜の美味しさで寒い冬にぴったりのおかずになること間違いなしです。
牛肉の霜降り肉を使ったレシピ
ステーキ
霜降りを使った贅沢なステーキを紹介します。
お肉は、焼く30分~1時間前に冷蔵庫から常温に出しておきます。
常温に戻すことで、肉全体に均一に火が通ります。
冷凍肉の場合は、前日に冷蔵庫に移しゆっくり解凍するのがおススメです。
ゆっくり解凍することで、肉のうまみを損なわずに楽しめます。
塩こしょうをする場合は、焼く直前にしましょう。
早い段階で塩こしょうをすると、肉のうまみが出て行ってしまうからです。
フライパンに油をひき温めます。
霜降り肉を強火で焼き、好みの焼き色がついたらひっくり返し裏面も焼きます。
筋切りをしておくことで、肉が反るのを防ぐことが出来ます。
シンプルに塩こしょうで食べてもいいですし、ワサビ醤油やさっぱり食べたい場合はおろしポン酢を添えるのもおすすめです。
すき焼き
霜降り肉は脂が多いため、すき焼きにしてもお肉が硬くなることなく楽しめます。
中でもおすすめは、リブロースです。
リブロースはたっぷりサシが入っているので、肉のうまみを存分に堪能できます。
鍋に牛脂をしき、温めます。
ネギを焼き、香りが出たらリブロースなどの霜降り肉を焼きます。
醤油やみりん、酒などで作った割下を入れます。
弱火にし、豆腐やしらたき、キノコ類などお好きな具材を入れ煮ます。
火が通ったら、溶き卵に絡めて食べましょう。
霜降り肉の濃厚なうま味とマッチして、とてもおいしいです。
その他の具材にも霜降り肉の脂が染み込んで絶品です。
しゃぶしゃぶ
霜降り肉は好きだけど脂が苦手という人におすすめなのがしゃぶしゃぶ。
余分な脂を落としてくれるので、脂の多い霜降り肉でも食べやすくなります。
水と昆布を入れ火にかけます。
昆布は沸騰する前に取り出すと、最もうま味が引き出されるので沸騰させないのがポイント。
霜降り肉と好きな野菜、キノコ類などをしゃぶしゃぶしたら、ポン酢を付けて食べてみましょう。
肉のうまみと野菜のさっぱりさがマッチしてとてもおいしいです。
赤ワイン煮込み
脂が多い霜降り肉は、たっぷりの野菜とともに煮込むと冬にぴったりのおかずになります。
霜降り肉は角切りにし、フライパンで焼いて取り出しておきます。
鍋に玉ねぎ、にんじん、セロリなど好みの野菜を炒め、取り出しておいた霜降り肉を加えます。
赤ワインを加え、半分くらいの量になるまで煮詰めます。
醤油や塩こしょう、コンソメ、はちみつなどで味を調えたら完成。
付け合わせにはマッシュポテトやブロッコリーなどの温野菜が合います。
少しオシャレに家でパーティをしたいときにも喜ばれること間違いなしです。
カレー
霜降り肉を使った贅沢なカレーを作ってみましょう。
鍋に油を敷き、角切りにした霜降り肉を炒めます。
玉ねぎ、人参、ジャガイモを加えさらに炒めます。
水を加え具材が柔らかくなるまで煮ます。
一旦火を止め、カレールーをとかしたら、さらにとろみがつくまで煮込んだら完成です。
市販のカレールーを使わずカレー粉を使った場合のカレーの作り方は以下の通りです。
鍋に油を敷き、カレー粉を炒めます。
香りが出てきたら玉ねぎ、人参、ジャガイモ、セロリなどを入れて炒めます。
角切りにした霜降り肉を入れ、さらに炒めます。
水、塩、コンソメを加え具材が柔らかくなるまで煮ます。
味を調えたら完成です。
市販のカレールーは油が多く含まれています。
霜降り肉は脂が多いので、市販のカレールーを使うよりもカレー粉で作った方が脂がしつこくならずオススメです。
まとめ
霜降り肉は、サシが多く入った等級の高い高級なお肉です。
シンプルにステーキや焼肉で食べたり、すき焼きやしゃぶしゃぶ、煮込み料理にも向いています。
脂のあまさやお肉のうまみが口いっぱいに広がる、まさに高級感溢れる部位なので特別な日や贅沢をしたい日にぜひ食べてみてください。