焼肉のランプとはどんな肉のこと?おいしい食べ方をご紹介

ランプは牛の下腰部分から取れる部位です。

牛肉のランプは、赤身でありながら肉質が柔らかく、旨味が強いのが特徴です。

ヒレ肉やサーロインに比べて比較的価格が安く、栄養価も高いため人気が高い部位でもあります。

本記事では、ランプの種類や特徴、美味しい焼き方について詳しく解説いたします。

焼肉のランプとは?

ランプとは、牛の腰からお尻に向けて取れる赤身肉です。

サーロインの隣に位置する部位でもあり、外モモ・内モモなどのもも肉を構成する部位の中で最も柔らかい部分と言われています。

程よい脂身は脂っこさがなく、赤身本来の濃厚な味わいと風味が味わえるおすすめの部位です。

焼肉のランプとイチボの違い

イチボとは、牛のお尻の先にある希少部位です。

ランプの隣に位置し、ランプとイチボを合わせて「ランイチ」と呼ばれることもあります。

ランプに比べて希少価値が高く、1頭の牛からとれるイチボの量は、およそ2キロほどと言われています。

ランプよりも霜降りが入った肉の部位で、鮮度の良いイチボであれば刺身として食べられることもあるようです。

ランプとイチボは、脂身の多さや柔らかさにそれぞれ違いがあります。

ランプは、イチボに比べて肉質が柔らかく、脂身が少ないため「肉の脂身が苦手だけど柔らかい肉が食べたい」という人におすすめです。

 

焼肉のランプについて

ランプは、赤身肉でありながら柔らかく程よい脂が特徴です。

ここでは、ランプの種類や特徴、栄養素について詳しく解説いたします。

ランプの種類

ランプは、下記の4種類に分類されています。

  • ランナカ
  • ランボソ
  • ネクタイ
  • ランカブリ

ランナカ

ランナカは、ランプの中でも比較的霜降り部分が多いのが特徴です。

柔らかく、しっとりとした食感を楽しむことができます。

ランボソ

ランボソは、ランナカに比べて比較的筋が多いのが特徴です。

しっかりとした歯ごたえで赤身を満喫できる部位と言えるでしょう。

ランナカ・ランボソは、ランプを切り分けた時の名称です。

ランナカが背中部分で、ランボソがイチボ側の部位にあたります。

ヒレ肉に次いで柔らかい部分として認識されていますが、他の部位と比べて水分を多く含んでいることから、変色しやすい特徴があります。

痛みやすい部位でもあるため、適切な温度管理や保存方法をしっかりと守る必要があるでしょう。

ネクタイ

ネクタイは、ランプの上に重なる赤身肉のことを指します。

牛1頭から400グラム程度しか取れず、ネクタイのような形をしている赤身肉です。

ランカブリ

ランカブリは、ランナカの表面にある部位を指します。

この部分は、比較的肉質が固く、シチューやカレー用に使われることが多いのが特徴です。

ネクタイやランカブリは、ランプの中でも赤身の食感がしっかりとした部位です。

イタリアンなどで好まれ使用される部位でもあります。

ランプの味や特徴

ランプは、柔らかい肉質と濃厚な旨味が特徴です。

また、鉄分が多く含まれており、脂肪分が少ないヘルシーな部位でもあります。

脂身部分もあっさりしていることから濃厚な赤身を楽しむことができるでしょう。

上品な味わいと癖が少ないことからもも肉を形成する部分の中で、最もステーキに適しています。

ローストビーフや焼肉、ステーキとして楽しまれることが多く、脂身の少ない赤身の濃厚な味わいが人気の理由です。

さらに、ランプは他の部位に比べて水分を多く含んでいます。

そのため、肉のタンパク質や旨味成分を含む「ドリップ」と言われる赤い汁がでやすいと言われています。

ドリップは、肉の鮮度が落ちている証拠です。

スーパーなどで直接商品を見て購入する場合は、ドリップがあまりでていないものを選ぶと良いでしょう。

ランプに含まれる栄養素について

牛ランプの100グラムに含まれる栄養素について紹介いたします。

輸入牛肉と和牛肉それぞれの栄養素は下記の通りです。

・牛ランプ(和牛肉)

  • エネルギー 347キロカロリー
  • タンパク質 15.1グラム
  • 脂質 29.9グラム
  • 炭水化物 0.4グラム
  • 鉄 1.4グラム
  • 亜鉛 3.8ミリグラム
  • ビタミンB1 0.08ミリグラム
  • ビタミンB2 0.19ミリグラム
  • ビタミンB12 1.2マイクログラム
  • ナイアシン 4.3ミリグラム

 

・牛ランプ(輸入牛肉)

  • エネルギー 234キロカロリー
  • タンパク質 18.4グラム
  • 脂質 16.4グラム
  • 炭水化物 0.4グラム
  • 鉄 1.3グラム
  • 亜鉛 3.4ミリグラム
  • ビタミンB1 0.09ミリグラム
  • ビタミンB2 00.24ミリグラム
  • ビタミンB12 1.9マイクログラム
  • ナイアシン 4.0ミリグラム

 

参考:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版

 

ランプは、サーロインやロースなどの部位に比べて脂質が少なく、タンパク質が多いのが特徴です。

ダイエットや減量などにも向いている部分でもあり、人気の高い部位と言えるでしょう。

ランプの栄養素によって期待できる効果は下記の通りです。

  • 免疫力アップ
  • 疲労回復
  • 高血圧の予防
  • 貧血の予防
  • 目の健康維持
  • 老化防止
  • 骨や歯の健康維持

貧血の予防にもなるため、女性に人気の部位でもあります。

 

ランプのおいしい焼肉の仕方

ランプは焼肉の中でも人気の高いお肉です。

しかし、繊維が太い部分でもあるため、焼きすぎると固くなってしまう場合があります。

 

焼肉でランプを美味しく楽しむ方法について紹介いたします。

肉を常温に戻す

ランプを焼く際は、まず冷蔵庫から常温に戻しましょう。

しかし、長時間置き過ぎてしまうと水分と一緒に旨味成分が流れ出てしまいます。

一般的な目安としては、30分〜1時間程度がおすすめです。

さらに、お肉が冷たい状態のまま焼いてしまうと焼きむらができてしまい肉汁と一緒に旨味成分が流れてしまうため注意しましょう。

表面を強火で焼く

ランプを焼肉で楽しむ場合、フライパンやホットプレートの温度は200度が目安です。

最初から温度を下げて焼いてしまうと、肉の表面を焼く時間が長くなり、固い食感になってしまいます。

フライパンを高温に熱したら、肉の表面の色が変わる程度にさっと焼きましょう。

返した面も同様の色に焼き上げ、この段階では「レア」の状態が好ましいです。

弱火でじっくり火を通す

両面に焼き色がついたら、あとは弱火で火を通します。

強火に比べてゆっくりと肉の中心部に火が通るため、焼きむらができるのを防ぎます。

10秒程度で火を止め、こしょうやタレなどでお好みの味付けで楽しむと良いでしょう。

 

ランプを使ったおすすめレシピ

ランプは、焼肉やステーキの他にも美味しく味わう方法がたくさんあります。

甘味のある程よい脂身と、濃厚な味わいを特徴とするランプ肉を活かしたレシピについてご紹介いたします。

ランプのローストビーフ

ランプは、ローストビーフに最適な料理です。

赤身だけでなく、程よい脂があるため、旨味が強く柔らかいローストビーフに仕上がります。

<材料>(約3〜4人分)

  • 牛ランプ肉 500〜600グラム

(調味料)

  • おろしにんにく(チューブ) 各面3センチ
  • おろししょうが(チューブ) 各面3センチ
  • 塩・こしょう 適量
  • マジックソルト(ハーブミックスソルトでも可) 適量
  • 赤ワイン 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 醤油 大さじ2

 

<作り方>

1 牛ランプに、にんにく・しょうがを擦り込み、塩・こしょう・マジックソルトをまぶす。

肉が常温に戻るまで約10分ほど放置する。

2 フライパンにオリーブオイルをひいてフライパンが温まったら肉を入れる。

肉の4面を、中火で各1分、トータル4分ほど熱し、蓋をして再び焼く。

3 全面に程よく焦げ目がついたら、フライパンから取り出す。

2重にしたアルミホイルに移し、熱が外に逃げないように包み込む。

4(ソース作り) 肉を焼いた後のフライパンに、赤ワイン・みりん・醤油を入れて煮立たせる。

5 アルミホイルに包んだ肉は、30分ほど放置しする

好みの大きさにスライスし、4のソースをかけたら完成。

参考:簡単、ランプ肉の本格ローストビーフ クックパッド

 

ランプの柔らか煮込み

ランプをデミグラスベースのソースで柔らかく煮込んだ料理です。

時間をかけてじっくりと煮込んだランプは、口の中に入れた瞬間にとろけるような食感を味わうことができます。

<材料>(約3人分)

  • 牛ランプ肉 500グラム
  • 岩塩 適量
  • 玉ねぎ 1/2個
  • にんじん 1/2本
  • ローリエ 2枚

(A)

  • パセリの茎 5本
  • セロリの葉 1本分

(B)

  • トマトジュース 700ミリリットル
  • デミグラスソース 1缶

 

<作り方>

1(下ごしらえ) 牛ランプ肉全体を、まんべんなくフォークで刺し、岩塩を振る。

ガーゼやお茶パックに(A)のパセリの茎・セロリの葉を入れたものと合わせ、ジップロックに入れる。

24時間冷蔵庫で寝かせる。

2 玉ねぎは6等分のくし切りにして鍋に入れる。

3 下ごしらえをした牛肉をキッチンペーパーで拭き取り、玉ねぎの上に重ねる。

4 にんじんの皮を剥いて小さめに乱切りにし、隙間を埋めるように鍋に入れる。

5 (B)のトマトジュース・デミグラスソース缶、ローリエを入れ、中火にかけて蓋をする。

※(A)のパセリの茎とセロリの葉も一緒に入れる

6 沸騰した鍋を弱火にし、蓋をすこしずらす。

2時間煮込み、器に盛り付けたら完成。

※ソースに残った野菜は、マッシャーで潰し、ソースとして使用する。

参考:簡単だけど時短・手抜きなし「絶品ビーフ煮込み Nadia

 

まとめ

ランプは、赤身肉でありながら柔らかい肉質と程よい脂身から感じられる甘味が特徴です。

イチボに比べて肉質が柔らかく、脂身が少ないため、あっさりとした柔らかい肉が好きな人におすすめと言えるでしょう。

さらに、脂肪分が少なく、さまざまな肉の部位の中でも栄養価が高いため、ダイエットに適した肉でもあります。

鉄分も豊富に含まれており、女性にも人気が高いと言われています。

焼きすぎてしまうと固くなりやすいため、ランプを焼肉で楽しむ場合はレアで食べるのが最適です。

本記事を参考に、自宅でランプの濃厚な味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。