てっちゃんとは!?他の部位との違いまで解説!

 

もつ鍋や焼き肉で人気のてっちゃんは、牛の大腸に当たる部位のホルモンです。この記事ではてっちゃんの特徴やおすすめのレシピ、他のホルモンとの違いを解説します。おいしいホルモン、てっちゃんの食べ方や魅力を知りたい方はぜひご覧ください。

てっちゃんの部位とは?

こちらの画像は手前がてっちゃん、奥がこてっちゃんになります。

 

てっちゃんは、牛の大腸を意味する部位です。焼肉やもつ鍋の材料として、日本ではよく食べられています。しかし、実は1頭からとれるてっちゃん は1.5キログラム程度であり、希少部位であることはあまり知られていません。

 

てっちゃんは他のホルモンよりも脂が多く、プリプリの食感が癖になる人気部位です。脂の甘味が非常に強く、噛めばジュワッと濃厚な脂が口いっぱいに溶け出します。コリコリした部分の旨味も強く、噛めば噛むほど美味しさが溢れてくる極上のホルモンです。

 

黒毛和牛や国産牛のてっちゃんは、特に脂の風味が濃厚でありながら口当たりはさらっとしています。脂の甘味や旨味を堪能できるうえに非常に食べやすいため、肉の脂好きにはたまらない部位といえるでしょう。

 

こてっちゃんとの違い

てっちゃんとよく似た部位には、こてっちゃんと呼ばれるものがあります。このホルモンは、てっちゃんと同じく朝鮮語が呼び名の由来です。てっちゃんに小さいを意味する「小」をつけた部位で、牛の小腸を指しています。

 

なお、脂がたっぷり詰まったジューシーな丸腸は、実はこてっちゃんと同じ部位です。腸の形そのままのこてっちゃんを裏返し、脂のついた外壁を内側にすると丸腸が完成します。

 

てっちゃんの別名・由来

てっちゃんは朝鮮語で大腸を意味する、「テチャン」を由来とする言葉です。日本語では以下のような名称で呼ばれています。

 

  • シマチョウ
  • 大腸
  • ダイテツ
  • ホルモン

 

なお、英語での呼び名は大腸を意味する「large intestine」ですが日本ではほとんど使われません。上記4つの名称が、日本での呼び方では主流です。

 

てっちゃんとシマチョウに部位の違いはある?

てっちゃんとシマチョウは、全く同じ大腸です。牛の大腸には線が入っており、その様子からシマチョウと呼ばれるようになりました。焼肉屋や精肉店では、そのお店の好みで名前を使い分けています。

 

呼び名が見た目を由来とするか異国語を由来とするかの違いのみのため、好きな方を使って問題ありません。名前が違ってもメニューに変わりはないため、安心して注文しましょう。

 

もつ鍋にてっちゃんの部位は入っている?

もつ鍋の「モツ」はホルモン全体を指す言葉です。てっちゃんもモツの一部に含まれており、もつ鍋の材料として用いられることが多いです。

 

モツに含まれる、食用のホルモンの代表には以下のようなものがあります。

 

  • 小腸(こてっちゃん)
  • 大腸(てっちゃん)
  • 直腸(テッポウ)
  • 血管(コリコリ)
  • 第4胃(センマイ)
  • 心臓(ハツ)
  • 第1胃(ミノ)
  • 第2胃(ハチノス)

 

もつ鍋に使うモツには、特に決まりはありません。しかし、てっちゃんは脂が多く野菜と相性が良いため、もつ鍋に良く使われるホルモンとして知られています。

 

てっちゃんの部位の栄養素・カロリー

てっちゃん100グラムに含まれる栄養素やカロリーは、以下表の通りです。

 

カロリー 150カロリー
たんぱく質 9.3グラム
脂質 13.0グラム
炭水化物 0グラム
ビタミンB12 1.3マイクログラム
ビタミンK 15.0グラム

 

引用元:日本食品標準成分表 11 肉類 大腸|文部科学省

 

たんぱく質・脂質・ビタミンでてっちゃんの主な栄養素は構成されています。炭水化物はゼロであり、糖類は含んでいません。

 

てっちゃんは噛みごたえがある部分と、プルプルの部分に分かれています。プルプルの部分はコラーゲンが多く、身の部分はたんぱく質が多いのが特徴です。てっちゃんにはビタミンB12も多く含まれます。これらの栄養素を取りたいなら、ぜひ積極的にてっちゃんを食べましょう。

 

ビタミンKも多く含まれており、栄養が豊富なホルモンとして知られています。

プルプルしている理由は?

てっちゃんに弾力がありプルプルしている理由は、ほとんどの成分が脂肪だからです。しかし、てっちゃんのカロリーは100グラムあたり162キロカロリーしかありません。

 

ほとんどが脂肪であるにも関わらず、カロリーが低い理由は炭水化物が一切入っていないからです。プルプルした箇所はすべて脂であり、弾力がある身もたんぱく質などでできています。脂肪のプルプル部分には、コラーゲンも多く含まれています。コラーゲンは水に溶けやすいため、もつ鍋などにすれば効率よく摂取可能です。

 

美味しいてっちゃんの選び方

焼肉店では「上ホルモン」と記載されているケースが多く、一般のスーパーではあまり見られない部位です。購入する際には通販サイトで商品を探したり、精肉店などをチェックしたりするのがよいでしょう。

 

鮮度が高いてっちゃんは、以下のような特徴を備えています。

 

  • 腸の色がピンクもしくは乳白色
  • 脂身に透明感があり白い
  • 生臭さや薬品臭がない
  • 細胞が溶けた液(ドリップ)が少ない

 

新鮮かつ品質が良いてっちゃんは生に多く、特に国産は味に定評があります。脂の甘みや旨みが国産は強いため、味にこだわりがある方におすすめです。国内取引のためチルド品が多く、鮮度が高いものを購入しやすいのも国産のメリットです。

 

コスパよくてっちゃんを食べたいなら、外国産を選ぶのも良いでしょう。アメリカやメキシコ産の大腸は、供給が安定しておりリーズナブルな価格で入手できます。

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てっちゃんの部位の下処理方法

店頭や通販で売っているてっちゃんは、ほとんどが精肉業者による下処理済みです。そのまま食べられる状態になっているため、パックを開ければ調理にすぐ使用できます。

 

格安で販売されている業務用は、一般の方では処理が非常に難しいです。無駄な脂だけでなく異物除去なども行わなくてはならないため、一気に処理難易度が上がります。ご家庭でてっちゃんを食べる際には、必ず家庭用の処理済み商品を選ぶようにしてください。

 

てっちゃんの匂いや脂が気になる方は、以下の手順で処理と下茹でをしましょう。

 

  1. 塩水でよくてっちゃんを洗う
  2. 30~1時間ほど牛乳に漬ける
  3. 牛乳を洗い流したあと小麦粉を揉み込む
  4. もう一度てっちゃんを洗い流し5分ほど下茹でする

 

下処理を入念にしすぎると、てっちゃんの脂や風味が落ちてしまいます。処理はさっと行うだけにとどめるのがベストです。

https://item.rakuten.co.jp/allmeat-co/201811042/

冷凍品の調理方法

冷凍されている生のてっちゃんを、いきなり電子レンジで加熱するのはNGです。急速な解凍はホルモンを傷める原因になり、鮮度や味が落ちてしまうからです。解凍する際には室温または冷蔵庫で自然解凍するか、流水を使い中身を溶かすようにしてください。

 

生の冷凍てっちゃんをもつ鍋などに入れる場合には、できるだけ氷などを取り除いてください。スープに無駄な水分が入り、味が悪化するのを防げます。

 

なお、調理済みのてっちゃんは、冷凍されたものをそのまま調理しても構いません。電子レンジまたはフライパンなどで、そのまま加熱して食べましょう。

 

てっちゃんの部位の焼き方、レシピ

 

てっちゃんは味噌や醤油、塩などのタレと相性が良いため、タレ漬け品を料理に活用するのに向いている食材です。鮮度の高いものは脂や身が甘く、生でもおいしく味わえます。てっちゃんを使ったおすすめの料理を4種類ご紹介いたします。

 

  • もつ鍋
  • てっちゃん丼
  • てっちゃん野菜炒め
  • てっちゃん焼きそば

 

てっちゃん料理を食べてみたい方は必見です。

 

もつ鍋

もつ鍋は、てっちゃんをおいしく味わえる定番のレシピです。ざく切りにしたキャベツや玉ねぎ、もやしなどの野菜と一緒に、てっちゃんを市販のもつ鍋スープで煮込むだけで簡単に作れます。もつ鍋スープには味噌と醤油があるため、好みのものを選んでください。

 

もつ鍋に入れるホルモンには、できるだけ多くの種類を使いましょう。ホルモンの食感や風味の違いを存分に楽しめます。てっちゃんやこてっちゃんを多めに入れ、そこにセンマイやハツ、赤センマイやミノを少しずつ入れるのがおすすめです。

 

香味野菜であるニラはしなびてしまわないよう、最後に乗せてください。パンチがきいた味が好みなら、ニンニクチップや輪切り唐辛子を乗せるのも良いでしょう。

  

てっちゃん丼

てっちゃんの甘い脂や身の旨味は、ご飯と相性がばつぐんです。味付けをしたてっちゃんを炒め、ご飯の上に乗せればお手軽でおいしい丼を作れるでしょう。可能なら焼き網を使い、香ばしい焼き目を付けるとさらにクオリティが高い丼ぶりを作れます。

 

てっちゃんは脂が多い部位のため、時間が経つとご飯に脂が浸透しすぎてべちゃっとすることが多いです。もやしなどの野菜を先にご飯へ乗せてから、てっちゃんを盛り付けると味を損なわず最後までおいしくどんぶりを味わえます。

 

てっちゃん野菜炒め

てっちゃんの脂をたっぷり吸った、野菜炒めも人気があります。キャベツや玉ねぎ、もやしなどの脂を吸いやすい野菜と一緒に、てっちゃんをフライパンで炒めましょう。

 

使用するてっちゃんは味付けのものにすると、タレと野菜が馴染んでよりおいしく仕上がります。前日に味噌ダレや焼肉のタレなどにてっちゃんを漬け込んでおき、次の日に野菜炒めを作りましょう。

 

てっちゃん焼きそば

焼きそばに入れる豚肉の代わりに、てっちゃんを使用するレシピもおすすめです。てっちゃんの脂や身の旨味を、余すことなく焼きそばや野菜に閉じ込めて味わえます。

 

もやしやニラ、キャベツなどの野菜を炒める前に、脂をたっぷり出し、野菜や麺は後入れにして、てっちゃんの脂としっかり馴染ませましょう。醤油・ソース・塩など、好みの味付けでおいしい焼きそばを作ってみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

てっちゃんは牛の大腸部位で、弾力を楽しめる身と旨味の強い脂がたまらないため非常に高い人気を誇ります。味付けをして野菜と炒めたり、もつ鍋などにして味わってはいかがでしょうか。タレ漬けにしたものを網の上で焼くのもおいしい食べ方です。

 

ぜひ新鮮なてっちゃんを入手し、好みの食べ方でおいしく味わってみましょう。こてっちゃんやマルチョウなどの、他のホルモンと一緒に購入し食べ比べをするのもおすすめです。