ステーキの美味しい焼き方【フライパンで上手に焼く9つのポイント】

  • ・ステーキの美味しい焼き方を教えて
  • ・好みの焼き加減にするやり方が知りたい
  • ・美味しいステーキソースの作り方を教えて

「良い肉を焼けば美味しいステーキができる」と思ったら大間違いです。焼き方がわかっていないと、失敗するからです。せっかくの高級ステーキ肉を無駄にしないために、美味しい焼き方をマスターしましょう。

この記事では「ステーキの美味しい焼き方」について、詳しく解説します。最後まで読むと、家庭でも本格的なステーキが味わえます。

結論から言うと、ステーキの美味しい焼き方とは「肉汁を逃さない」ことです。ステーキの肉汁には、水分とうま味成分が含まれています。たっぷり水分を含んだステーキはやわらかく、うま味が濃いため美味しいのです。

9つのポイントをおさえるだけで、家のフライパンで美味しいステーキが焼けます。

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「ステーキの部位ってどこがおいしい?」 「ステーキのどの部位が人気?」 「ステーキの焼き方のコツが知りたい…」 本記事で…

 

ステーキの美味しい焼き方【下処理・焼き方・仕上げに分けて解説】

「ジューシー」と言われるステーキは、たっぷりと肉汁を含んでいるためやわらかいです。ステーキの美味しい焼き方は、いかに肉汁を逃さないかが重要です。

「正しい下処理・計算された焼き方・仕上げのひと工夫」で、誰でも美味しいステーキが焼けます。

標準的なサイズ「重さ200グラム・厚さ1.5センチのステーキ」の美味しい焼き方を解説します。

ステーキ肉の厚みや脂の量によって、焼き方に違いがあります。

 

正しい下処理

下処理のポイントは3つです。

  • ・ステーキ肉を常温に戻す
  • ・筋切りは片面だけにする
  • ・塩コショウは焼く直前にふる

焼き方だけ気を付けても、美味しいステーキは焼けません。正しい下処理があってこそ、美味しい焼き方ができるのです。

●ステーキ肉を常温に戻す

肉が冷たいと、均一に加熱できません。中まで火が入る前に、外側が焦げてしまいます。焼き上がるまでに時間がかかり、肉汁がどんどん流れ出します。ムラがない焼き方をするには、ステーキ肉が冷た過ぎないことが重要です。

焼く30分前には冷蔵庫から出して、常温に戻しましょう。ステーキ肉の表面に出る水分は、焼く前にキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。ステーキ肉の表面に水分があると、焼き目がつくまで時間がかかるからです。また、塩コショウが付着しやすくなります。

ステーキ肉が凍っている場合は、前日から冷蔵庫で自然解凍しておきましょう。

●筋切りは片面だけにする

ステーキ肉をそのまま焼くと、縮んだり反り返ったりします。肉が縮むのを防ぐには、筋を断つ必要があります。しかし筋切りをすると、切った部分から肉汁が抜けてしまうのです。肉汁の流出を最小限にするため、筋切りは片面だけ行います。

フィレ(ヒレ)や国産牛のサシが多い部位は、やわらかいので筋切りをしなくても美味しいステーキができます。

筋は脂身と赤身の境目にあります。やり方は2種類です。

  • ・包丁を立てて刃先で切る

切れる包丁でないと、筋が残ります。

  • ・包丁のかかと(直角の部分)で叩くように切る

筋以外の肉を切らないよう、よく狙ってください。

片面だけに、格子状の切り込みを入れるやり方もあります。フォークで穴を開けるより、ステーキがやわらかく焼き上がります。

●塩コショウは焼く直前にふる。

塩をふったステーキは、浸透圧により水分が出てきます。塩をして放置すると肉汁が抜けていくため、どんな焼き方をしてもステーキがパサつくのです。

ジューシーなステーキにするため、塩コショウは焼く直前にふります。片面だけに塩をふる場合は、筋切りや切り込みを入れた面にしましょう。筋切りした面から、焼き目をつけるからです。

塩をふる量は、ステーキの重さの0.8パーセントが目安です。200グラムのステーキなら、塩1.6グラムくらい(2〜3つまみ)です。

 

計算された焼き方

焼き方のポイントは3つです。

  • ・最初は強火で表面を焼く
  • ・ひっくり返すのは1回だけ
  • ・好みの焼き加減に調整する

ステーキの美味しい焼き方のコツは「肉汁を逃がさない」ことです。高温で短時間に焼くことで、肉汁を閉じ込めジューシーに焼き上がります。

短時間で焼き目をつけるため、フライパンは煙が出るまで熱しておきます。テフロン製のフライパンは空焚きに弱いので、油を引いてから熱してください。目安はステーキを入れたときに、ジューッと音がなるくらいです。

筋切り・塩コショウをした面から、焼き始めます。切り込みから肉汁が流れる前に、焼き固めるためです。塩が熱で溶けて広がり、全体に下味がなじんで美味しいステーキに焼き上がります。

●最初は強火で表面を焼く

どの焼き加減でも、最初は強火で表面を焼きます。高温で表面を焼き固め、肉汁を閉じ込めるためです。低温だと焼き時間がかかり、肉汁が抜けてしまいます。

表面に焼き目がついたら、弱火で中まで熱をとおします。ひっくり返したら再び強火にして、裏面も一気に焼き固めましょう。

焼き方をまとめると「強火→弱火→ひっくり返す→強火→弱火」の順で火加減を変えていけば、美味しいステーキが焼き上がります。

●ひっくり返すのは1回だけ

肉をさわるほど、肉汁が抜けていくからです。フライパンからステーキが離れるので温度が下がり、余計に焼き時間がかかります。「高温・短時間」で焼くのが、ステーキの美味しい焼き方です。

ひっくり返すタイミングは、横から見て1/3くらい焼き色がついた頃合いです。ステーキ肉を少し持ち上げて、焼き目を確認しましょう。こんがりとした焼き色がついていれば、返しどきです。

●好みの焼き加減に調整する

下記の焼き時間は目安です。ステーキの厚みや脂の量で多少異なります。焼き加減を確認するには、指でステーキを押してみます。熱い場合は、箸やトングを使ってください。

親指のつけ根の感触で、焼き加減を確認するやり方を紹介します。

1.OKマークを作る

2.親指のつけ根のふくらんでる部分を押す

押した感触が、そのままステーキの焼き加減です。つなげる指を変えることで、4種類の焼き加減を確かめられます。

レア‥人差し指と親指

焼き方:強火で30秒→弱火で1分→返す→強火で30秒→弱火で1分

ミディアムレア‥中指と親指

焼き方:強火で1分→弱火で1分→返す→強火で30秒→弱火で1分30秒

ミディアム‥薬指と親指

焼き方:強火で1分→弱火で2分→返す→強火で30秒→弱火で2分30秒

ウェルダン‥小指と親指

焼き方:強火で表面に肉汁が出るまで焼く→返す→強火で肉汁が出るまで焼く→弱火でしっかりと弾力が出るまで焼く

●分厚いステーキの焼き方も知りたい

「重さ500グラム・厚さ3センチ以上のステーキ」の焼き方も解説します。

1.焼く1時間前から常温に戻す。

2.裏面からも筋切りする。(片面からだけでは完全に切れないから)

3.フライパンを熱したら、中火にしてステーキを入れる。

4.30〜40秒で一旦ひっくり返し、裏面も同じ時間だけ焼く。

5.何回もひっくり返しながら、じっくり火を入れる。

分厚いステーキの場合は、焼けるのに時間がかかります。片面だけ焼き続けると、ステーキ肉が縮んで均一に焼けません。

分厚いステーキは、両面から均等に加熱していくのが美味しい焼き方です。

参照:https://youtu.be/JfmG20UhXMQ

 

仕上げのひと工夫

仕上げのポイントは3つです。

  • ・ステーキを寝かせる
  • ・ステーキの繊維を断つように切る
  • ・つけ合わせはステーキと同時進行

下処理と焼き方が上手くできたら、丁寧に仕上げるだけです。ひと工夫することで、ジューシーで美味しいステーキに仕上がります。

●ステーキを寝かせる

余熱で火をとおすためです。アルミホイルに包んで、焼き時間と同じだけ寝かせます。食べる直前に、フライパンに戻して両面10秒くらいずつ温めると、熱々でより美味しいです。ソースと絡める場合も、フライパンでステーキを温めながら絡めます。

●ステーキの繊維を断つように切る

肉の繊維を断つように「そぎ切り」にすることで、さらにやわらかく仕上がります。そぎ切りにすると、盛り付けたときに切り口が見えてキレイです。

ナイフとフォークで切って食べる場合は、切る必要はありません。

●つけ合わせは同時進行(にんにくチップ、じゃがいも)

温かいうちに盛り付けたいので、つけ合わせはステーキと同時進行で作りましょう。

定番のにんにくチップの作り方を紹介します。

1.にんにくをスライスする(厚さは不揃いでOK)

2.冷たいフライパンに油を引く

3.スライスしたにんにくを入れる

4.油が沸騰するまで強火で加熱

5.沸騰したら弱火でじっくり加熱

6.色づいたにんにくから引き上げる(絶対に焦がさないように)

油に香りを移すイメージでゆっくり加熱すると、美味しいにんにくチップが作れます。にんにくの香りが移った油でステーキを焼くと、風味も良くなります。にんにくチップも一緒に盛り付ければ、お店に近い本格的なステーキの完成です。

じゃがいもは、下茹でするか電子レンジで加熱しておくと、温めるだけで食べられます。ステーキを寝かせてる間に、フライパンでサッと焼くだけです。ステーキの脂が染みて、美味しいポテトができます。

 

ステーキの美味しい焼き方【好みに合わせて選べる4つの焼き加減】

ステーキは加熱することで、噛み切りやすくなります。タンパク質が固まり、歯でサクッと切れるからです。

60度近くまでは食べやすく、65度を超えると一気にかたくなります。80度以上になると、焼き過ぎにより水分が抜けてパサつきます。

 

レア

表面だけに薄く焼き目をつけ、中は生に仕上げる焼き方です。切り口は鮮やかな赤色で、肉汁がにじみ出てきます。やわらかさはありますが、筋っぽく噛み切りづらい状態です。ほぼ弾力がないため、指で押すと沈んだまま戻りません。

内部の温度は55~65度。

レアで美味しい部位は、モモ・フィレ(ヒレ)・ランプです。

 

ミディアムレア

レアとミディアムの中間の焼き方です。表面をしっかり焼きつつも、中心部には生の部分が残ります。切り口は真ん中が赤色で、肉汁がたっぷり出る状態です。指で押すと、軽く沈むくらいの弾力があります。

内部の温度は65度。

ミディアムレアで美味しい部位は、フィレ(ヒレ)・モモ・サーロインです。

 

ミディアム

表面をしっかり焼き、中心部も適度に熱を入れる焼き方です。切り口は中心が薄いピンク色で、肉汁がにじみ出る状態です。歯切れが良く、筋っぽさは感じません。指で押してもほとんど沈まず、弾力が伝わってきます。

内部の温度は65〜70度。

ミディアムで美味しい部位は、フィレ(ヒレ)・サーロイン・タンです。

 

ウェルダン

表面も中も十分に熱をとおす焼き方です。切り口は褐色で、肉汁が少なく中までしっかり焼けている状態です。指で押すと跳ね返ってくるほど、しっかりした弾力があります。

内部の温度は70〜80度。

ウェルダンで美味しい部位は、肩ロース・リブロースです。

参照:肉を焼く/焼き加減と内部温度 – 公益財団法人日本食肉消費総合センター

参照:お好みはどれ?ステーキの焼き具合4種類の特徴

参照:ステーキはどの焼き方が人気?!レア・ミディアム・ウェルダンをフライパンで再現

 

ステーキに合う美味しいソースの作り方【肉を焼いたフライパンは洗わずに】

美味しいステーキソースを作るコツは、肉を焼いたフライパンで調味料を合わせることです。たっぷり残ったステーキ肉のうま味が、ソースのベースになります。

醤油ソース

【2人分】

水:大さじ2

醤油:大さじ3

料理酒:大さじ1

みりん:大さじ1.5

おろしにんにく:小さじ1

おろししょうが:小さじ1

【作り方】

1.にんにくとしょうがを入れて、中火で炒める。

2.残りの材料を全て加える。

3.1~2分加熱して完成。

液体調味料を先に合わせておくと、混ぜやすいです。加熱するので、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。

 

玉ねぎソース

【2人分】

玉ねぎみじん切り:1/2個分

玉ねぎすりおろし:1/2個分

おろしにんにく:小さじ1(1かけ分)

赤ワイン:大さじ2

お酢:大さじ1

みりん:大さじ2

醤油:大さじ2

【作り方】

1.全ての材料を入れて、中火で混ぜ合わせる。

2.玉ねぎみじん切りを加えて、ひと煮立ちさせる。

3.沸騰したら、弱火で玉ねぎに火をとおす。

4.玉ねぎが透明になったら完成。

食感を気にしないなら、玉ねぎは全部すりおろしても大丈夫です。赤ワインは料理酒で代用しても美味しいです。冷蔵庫で1週間〜10日ほど保存できます。

 

バターソース

【2人分】

料理酒:大さじ4

醤油:大さじ2

おろしにんにく:小さじ1(1かけ分)

バター:40グラム(4切れ)

【作り方】

1.料理酒を入れて、中火でひと煮立ちさせる。

2.醤油とにんにくを入れて混ぜる。

3.バターを入れて溶かしたら完成。

多めのバターが入る分、脂が多い場合は少し拭き取ってください。料理酒の代わりに赤ワインで作ると、より濃厚な風味になります。バターを焦がさないように、注意しましょう。

市販のステーキソースを使うときも、肉を焼いたフライパンで温めましょう。

ステーキのうま味がコクをプラスし、より美味しいソースができます。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=b3L8A1KvJus

参照:https://www.youtube.com/watch?v=jlrNyUiqKME

参照:バター醤油で 定番ステーキ 作り方・レシピ | クラシル

 

まとめ

ステーキの美味しい焼き方は「肉汁を逃がさない」ことです。「ジューシー」と表現されるステーキは、肉汁をたっぷり含んでいます。

焼き時間を調節することで、好みの焼き加減にできます。どの焼き加減でも、短時間で表面を焼き固めることが重要です。親指のつけ根の感触で、焼き加減を確かめられます。

美味しいステーキソースを作るコツは、ステーキを焼いたフライパンでソースを作ることです。フライパンに残ったステーキ肉のうま味が、美味しいソースのベースになります。

ステーキを焼くときは、牛脂を使うと各段に風味が良くなります。牛脂はたいてい、ステーキとセットで手に入ります。

国産の牛肉は、やわらかくて臭みがありません。レア〜ミディアムの焼き方には、国産のステーキ肉がおすすめです。美味しいだけでなく、筋切りが不要なほどやわらかいので調理が楽です。

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