イチボはどこの部位のこと?美味しい調理法もご紹介

皆さんは、牛の体にある部位のひとつ「イチボ」をご存知でしょうか。現在、イチボの美味しさが反響を呼び、とても人気があります。イチボは、柔らかく味わいがある点が魅力的です。この記事では、イチボがどこの部位のお肉で、どういった特徴のある美味しいお肉なのか、また、おすすめの調理方法などについて解説します。

イチボについて

近年、人気が高まっているイチボは、様々な飲食店で取り扱われていることが多くあり、気になっている人もいることでしょう。焼肉屋さんで部位名を見た時やテレビなどで取り上げられる時に、価格の高さが気になることがあるかもしれません。その理由として、イチボの希少価値が高いためと考えられます。

具体的にどこの部位のお肉なのか、また、名前の由来などイチボについて詳しく解説します。

イチボの部位とは

イチボは、牛の外もも肉に繋がるランプの一部です。具体的には、お尻(ランプ)の先にあり、ランプ(お尻の肉)から切り出した部位でお尻の先っちょのお肉なので、柔らかい点が魅力的で人気があります。もも肉に繋がる部分のため、固い印象があるかもしれませんが、程良い柔らかさがあり、霜降りが多い特徴があり、美味しいお肉です。

しっかりとした味わいを楽しめるものの、希少部位のため値段が高い特徴もあります。

イチボの名前の由来とは

日本では、英語から来た言葉が訛ったためにイチボとなったのをご存知でしょうか。本来は、骨の形という意味の「aitchbone(エイチボーン)」が由来で、イチボと呼ばれるようになりました。牛のお尻の骨は、形がHの文字のように見えることからそう呼ばれています。

英語では、エイチボーンと呼ばれるものの、日本ではエイチボーンがなまったため「イチボ」となりました。エイチボーンが、アイチボになり、最終的にイチボと呼ばれるようになったとされています。

牛一頭から取れる、イチボの分量とは

イチボは、牛一頭からおよそ2kgほどしか取れません。お尻にランプという部位のお肉があります。ランプから切り出しているため希少価値が高いです。結果、金額も高くなってしまいます。

輸入牛や和牛、黒毛和牛によってもイチボの価格が異なります。輸入牛の場合、400~500円程度で販売されていることもあります。よりランクの高い牛やブランド牛であれば、これよりもさらに高い価格での販売となることが予想されます。

イチボの特徴や食感とは

イチボのお肉は全体的に柔らかい食感をもち、しっとりとした味が特徴的です。そして、赤身は歯ごたえがあるため、噛めば噛むほどイチボの味を楽しめます。サーロインのように赤身と脂肪のバランスが丁度よく、ステーキなどに向いている部位です。鮮度のよいイチボであれば、刺身でも楽しめるので赤身肉の弾力と口の中でとろける感覚を楽しめます。

現在、とても人気のある部位という点もあり、取り入れているお店などが増えています。食感や味わいのバランスがとても良く、レストランなどでは前菜やメインなどで使われることが多い点が特徴です。また、和食、イタリアン、フレンチでも使われることがあります。

イチボは、赤ワインと合わせて食べることもおすすめですが、日本酒とも合わせて食べることができます。イチボの脂を日本酒で流して口の中を爽やかにしてくれ、日本酒の芳醇な香りによってもイチボのうまみを味わえます。赤ワインと一緒に食べるのが一般的かもしれませんが、日本酒も試してみましょう。

良いイチボの見分け方

イチボを食べる時に、できるだけ美味しいお肉を食べたいと思うことでしょう。イチボだけに限らず、どのお肉でも次のような見分け方で選ぶと美味しいお肉を購入できるのでおすすめです。

見分け方

  • お肉表面の潤い
  • 霜降りの量

具体的に、それぞれの見分ける方法について解説します。

イチボの見分け方①:お肉表面の潤い度

お肉の表面が乾いていたり、水っぽかったりした場合は、選ばないほうがよいです。既に美味しさが抜けてしまっている可能性があります。適度なツヤがあり、綺麗なお肉の色をしているイチボを選びましょう。

イチボの見分け方②:霜降りの度合い

イチボのお肉表面に、霜降りがはっきりと見えていたり、浮き出ていたりするものは選ばないようにしましょう。霜降りは、網目状に脂肪が沈着していることをさします。イチボの場合はお肉に沈んでいるような状態のものを選ぶことがおすすめです。

イチボと他の部位はどう違うのか?

イチボは、ランプから切り出しています。イチボは希少価値があり、柔らかく美味しいお肉ですが、他の部位とはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、味わいや価格、取れる部位などでも違いがあり、個人の好みによっても好きな部位が異なります。

具体的に、ランプ・ミスジ・サーロインとの違いを解説します。

イチボとランプの違い

イチボの隣にある部位がランプです。そのため、ランプとイチボをまとめてランイチと呼ばれることもあるくらい認識的には近い印象のある部位かもしれません。

もも肉・お尻肉に含まれる部位で、イチボは外ももに繋がっていますが、ランプは腰に近いところにあります。脂肪分があまりなく、筋がある点が特徴的です。ランプは、少し固めの食感であっさりとした味を楽しめます。

お肉を食べる時に脂身が苦手だけれど、柔らかいお肉が食べたい人におすすめです。イチボの方が霜降りの加減がちょうどよく柔らかい食感ですが、人によってはランプの方が柔らかく感じることもあります。イチボと比較して、ランプの方が一頭の牛から多く取れるので、多少安く感じるかもしれません。

イチボとミスジの違い

肩甲骨の内側にある部位のお肉がミスジです。具体的には肩から腕の部分で、牛がよく動かす部位と言えます。細かい運動をすることが多いため、とても柔らかい点が魅力的です。ミスジは、一頭から3kg程度しか取れないのでイチボと同じく希少部位と言えます。味わいとしては、柔らかく脂のくちどけを楽しめる点が魅力的です。

運動量のある部位ということもあり、イチボと比較すると独特な食感があります。ミスジは、プリッとしている点が特徴的です。ミスジもまだ知名度が低い部位ですが、柔らかく上質なお肉となっています。

ミスジは、ミディアムレアのステーキが美味しく食べられるのでおすすめです。

イチボとサーロインの違い

サーロインは、ロースの一部で背中にあるお肉です。肩ロース・リブロース・サーロインをひとまとめにしてロースと呼ばれています。適度にサシが入っており、柔らかくジューシーな食感が魅力的です。

味わいは、脂の甘みと肉のうまみを楽しめます。この点は、イチボと同様な特徴があります。脂の量としては、イチボよりも多い傾向があるため、こってりとしている点が特徴的です。最大の魅力は、脂の甘さと芳醇な香りを楽しめるところでしょう。

サーロインでは、ステーキや焼肉の他、しゃぶしゃぶなど幅広く楽しめます。

イチボのレシピ

イチボは、普通に焼いて塩コショウをかけても楽しめます。塩コショウをかけたイチボは、イチボのもつ独特の風味を楽しめるので、おすすめです。また、焼肉で楽しめるのもおすすめですが、表面だけを炙る程度の焼き加減でも美味しく食べられます。お肉の弾力や味わいを楽しめるのでおすすめです。

その他、よりイチボを美味しく食べられるレシピとして、ステーキの作り方とローストビーフの作り方を紹介します。

レシピ①:イチボ肉のステーキ

美味しくステーキを焼けたら、気持ちも一緒に上がるのでより美味しく感じられること間違いありません。レアに焼くとより美味しく食べられます。

ステーキを作る時は、フライパンをしっかり温めておくこと、焼いている間に出た脂を取り除くことが大切です。脂を残しておくとアクがついてしまうため、美味しさが半減してしまいます。

焼き方

  1. 強めの中火で焼き始める
  2. シューという音が、パチパチという音に変わったら弱火にする
  3. 焦げ目がついてからひっくり返す
  4. 1~3をもう一度行う(両面、焦げ目がつくまで焼く)
  5. アルミホイルで包む
  6. 余熱で10~15分ほど置く

余熱で仕上げることでより美味しいステーキができるので、アルミホイルで包むようにしましょう。表面の焦げ目により、カリッとした食感が楽しめます。

レシピ②:イチボ肉のローストビーフ

イチボ肉でつくるローストビーフは、とても贅沢で美味しい食べ方のひとつです。イチボ肉は、ローストビーフのように薄くスライスして食べるのもおすすめです。

自宅で美味しいローストビーフを作る方法を紹介します。

作り方

  1. イチボに塩を振る
  2. 冷蔵庫で寝かす(10分程度)
  3. キッチンペーパーで水分を取る
  4. オリーブオイルをフライパンに入れる
  5. 強めの中火でお肉の全体に焼き目がつくまで焼く
  6. 焼き目をつけてから取り出す
  7. アルミホイルで包む
  8. 余熱で10~20分ほど置く

切り分けた後、お好みのソース(塩・ワサビ醤油など)をかけて食べることで、より美味しいローストビーフを楽しめます。人によっては、ソースをかけずにイチボの味をそのまま楽しめる人もいるかもしれません。

また、アルミホイルで包む前に、オーブンで30分〜1時間程度じっくりと焼いてから余熱で仕上げる方法もおすすめです。

イチボに関するまとめ

イチボは、一頭からわずかしか取れない部位です。ですが、脂が多すぎず、味わいのある赤身が魅力的なため、人気が高まっています。ただし、希少部位のため価格が高い傾向があるものの、一度食べたらやみつきになること間違いありません。気になった方は、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。

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