そもそも霜降り肉って何なのか?
そもそも霜降り肉とは何なのか、他の肉と何が違うのか、サシが多ければ多いほど、高級な霜降り肉に分類されるのかなどについて解説していきます。
概要
霜降り肉にはこれといった明確な定義はありませんが、一般的には「サシ(脂肪)が細かく見た目が霜降りのようになっている肉」を言います。
また、この霜降りは基本的に細かければ細かいほど高級肉とされています。
主に牛肉に用いて使う
霜降り肉の代表といえば、皆さん牛肉を思い浮かべると思います。
確かに、霜降り肉は主に牛肉に用いて使います。
しかし、霜降り肉は豚肉や馬肉、またはマグロなどの魚類にも使われることがありますので、覚えておきましょう。
霜降り肉の特徴
霜降り肉とは、先ほども解説した通り細かいサシが入った状態の肉を指します。
また、サシと呼ばれる網目状の脂肪が多く入っているため、肉質が柔らかく、味わい深い味になっています。
しかし、赤身肉とは異なり、価格が高いという特徴もあります。価格が高い理由の一つとして、飼育が難しく、生産量も少ないことから霜降り肉は高級とされています。
サシは肉のランク(A5とか)の判断基準になっている
サシにはA5、A4、A3、A2、A1というランクがあります。
等級はA5が一番高く、A1が一番低くなります。
また、一般的にはあまり知られていませんが、Aランク以外にもBランクやCランクのお肉等級もあります。
サシが多ければ多いほど高価なものである
先ほど、牛肉のランクについてご説明しましたが、肉質はサシが多ければ多いほど高級な肉とされます。
肉質評価で最高となるA5にあたる肉の断面には、ビッシリと白いサシが入っており、本来の肉の赤色ではなく、サシである白色の部分が多くなります。
しかし、どれだけサシが多いからと言っても、「脂肪の色と光沢」または「脂肪の量」の判断基準によって、A5ランクに入らない場合もありますので、覚えておきましょう。
どうやってサシが多く入る牛肉を作っているのか
まず一つの方法として、牛の品質改良が挙げられます。
現在飼育されている牛は、昔の牛よりもサシが入りやすい血統の牛を選抜しています。
二つ目が、人工的にサシを入れる技術である、ビタミンコントロールです。
ビタミンコントロールとは、実際に飼育段階で牛に与える餌に含まれるビタミンAを制限します。
こうすることにより、結果的にBMSナンバーは高くなり、ロース芯と呼ばれる面積も拡大します。
ビタミンAは人間にとっても必要な栄養素であり、これを制限してしまうと、「肉の品質が落ちるのでは?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
もちろん、ビタミンAは牛にとっても必要な栄養素でビタミンAを制限しすぎると、牛に悪影響を与えることもあります。
そのため、牛の健康状態も維持しながら、サシや肉の品質を上げるギリギリのラインで育てるといいう技術が必要になります。
先ほど紹介した、A5ランクの牛を育てることが難しい理由の一つに、このことが含まれます。
霜降り肉の部位毎にどのような特徴があるのか?
ここまで、霜降り肉についての基礎知識を紹介していきましたが、ここからはそんな霜降り肉の部位ごとの特徴をご紹介していきます。
引用元:牛の部位図鑑
部位ならではの霜降り肉の特徴
霜降り肉とされる代表的な部位には以下が挙げられます。
- リブロース
- サーロイン
- 肩ロース
- 三角バラ
- イチボ
部位ごとのそれぞれの特徴をご紹介します。
リブロース
ロースの部位にあたり、部位の中でも最も霜降りが入りやすいと言われています。
肉本来の味を楽しむことができ、きめ細かい柔らかな肉質が特徴です。
また、サーロインやヒレに比べて赤身と脂のバランスがちょうどいいバランスです。
リブロースはどんな料理にも合うのも特徴の一つです。
サーロイン
サーロインは牛の様々な部位の内でも最上級とされており、柔らかな肉質と、霜降りが特徴の部位です。
一般的にはステーキなどによく使われますが、すき焼きや焼肉などでも使用されることが多いです。
高級な肉を想像すると、サーロインを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
肩ロース
肩ロースは霜降りが適度で、肉の風味とうま味の両方をしっかりと感じることができる部位です。
肉の部位では最も大きい部位の一つで、サーロインやリブロースよりも値段が安く設定されることが多いです。
赤みが多い肩ロースですが、適度な脂身と柔らかさがあり、薄切りで使用するしゃぶしゃぶやすき焼きなどに最も適した部位になります。
三角バラ
三角バラは部位の一部で切った形が三角形であることから、三角バラと呼ばれています。
濃厚な脂とうま味や甘みが特徴で、霜降りが入りやすい部位とも言われています。
また、この三角バラは牛一頭から約1kgしか取れない希少部位のため、値段が少し高く設定されており、焼肉屋などでは特上カルビとして使われることが多いです。
イチボ
イチボは牛のお尻のお肉です。
基本的にお尻のお肉は霜降りが入りにくいとされていますが、イチボは牛のもも肉の仲では一番霜降りが入る部位です。
そのため、柔らかい肉質からステーキや焼肉などに使用されることが多いです。
牛1頭からどれくらいとれるか
牛の大きさによっても多少前後しますが、牛1頭から取れる肉の量はある程度決まっています。
先ほど紹介したリブロースの場合は約10キロ、サーロインは約10キロ、肩ロースは約18キロ、三角バラは約1キロ、イチボは約3キロになります。
また、代表的な牛の部位であるタンは約1~1.5キロ、ヒレは約3キロ、ハラミは約1キロ、ざぶとんは約1キロになります。
食感や美味しさ(柔らかさ・脂の量)
霜降り肉とされる代表的部位である以下の食感や美味しさを紹介していきます。
- リブロース
- サーロイン
- 肩ロース
- 三角バラ
- イチボ
それでは、一つずつ見ていきましょう。
リブロース
非常に柔らかく、口の中で溶けるイメージで、サシも多いですが、脂はしつこくなく、甘みを感じることができます。
サーロイン
柔らかい食感で、脂が他の部位に比べても非常に多い部位です。
肩ロース
サーロインよりは脂の量が少ないですが、しつこくない程度にサシが入っているため、サーロインよりも飽きがこないのが特徴です。
また、しっかりの肉の味を感じることができます。
三角バラ
柔らかい肉質が特徴で口当たりも良く、ジューシーな脂が豊富に含まれています。
イチボ
肉の硬さや脂の量が程よく、綺麗な霜降りが特徴で、滑らかな口当たりです。
霜降り肉で有名な牛の産地はどこか?
皆さんが一度は聞いたことがあるであろう肉の産地をご紹介します。
- 但馬牛/兵庫県
- 飛騨牛/岐阜県
- 山形牛/山形県
- 仙台牛/宮城県
- 宮崎牛/宮崎県
- 佐賀牛/佐賀県
- 石垣牛/沖縄県
- 松坂牛/三重県
- 京の肉/京都府
- 神戸牛/兵庫県
このように、霜降り肉で有名な牛の産地は全国にあり、この地域でしか霜降り肉の牛を育てることができないということはありません。
さらに、近年ご当地牛という言葉も流行し、全国各都道府県で霜降り肉が特徴の牛を育てています。
おすすめの霜降り肉と食べ方をご紹介!
最後に、おすすめの霜降り肉の食べ方をご紹介します!
ぜひ、参考にしてください!
焼肉屋で提供される代表的な霜降り肉の部位
焼肉屋で提供される霜降り肉の部位は基本的に、先ほど紹介した「リブロース」「サーロイン」「肩ロース」「三角バラ」「イチボ」になります。
その他にも提供される霜降り肉はありますが、焼肉屋によっても異なります。
おすすめの焼き方/食べ方
霜降り肉を食べる際、本来の肉のうま味やサシの甘みを感じるために、塩で食べることをおすすめします。
焼き肉用のお肉であれば、ゆっくり低温で焼くのではなく、高温で焼き上げるようにしましょう。
そうすることで、肉に含まれるタンパク質を焼き固めることができるため、うま味を逃すことなく召し上がることができます。
しかし、高温で焼きすぎてしまうと、せっかくの霜降り肉の良さが無くなってしまいますので、焼き加減には注意することが大切です。
霜降り肉についてのまとめ
ここまで霜降り肉の特徴や、霜降り肉美味しい食べ方などを中心にお伝えしてきました。
- 霜降り肉は「サシ(脂肪)が細かく見た目が霜降りのようになっている肉」を指す
- 肉質が柔らかく、とても美味しい霜降り肉だが、値段は高い
- サシにはランクがある
- 霜降り肉は高温で焼き、塩で食べるのがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てますと幸いです。