焼肉の小腸とはどこの部位?おいしい焼き方・絶品肉レシピをご紹介

牛の小腸とは、ホルモンの一部を指した部位です。

スーパーなどで「マルチョウ」と表記され、販売されているのをみたことがある方も多いのではないでしょうか。

「マルチョウ」の由来はカットするときに丸い筒状のような形をしているからと言われています。

また、小腸は地域やお店によって下記のように呼び名が異なります。

  • コテッチャン
  • シロ
  • ヒモ
  • コプチャン
  • ソッチャン

小腸は、ホルモンの中でも比較的柔らかく脂がのった部位です。

さらに小腸(マルチョウ)は、コラーゲンが豊富で女性に人気の高い部位でもあります。

焼肉の小腸とそのほかの腸との違い

ここでは焼肉の小腸と、そのほかの腸との違いについて詳しく解説します。

焼肉で食べられる腸の種類と呼び方の違い

焼肉で食べられる腸の種類は、下記のように大きく3つに分けられます。

  • 小腸・・・マルチョウ
  • 大腸・・・シマチョウ
  • 直腸・・・テッポウ

上記は名前の違いだけでなく味や食感などの特徴もそれぞれです。

また「マルチョウ」「シマチョウ」「テッポウ」は、地域やお店によって下記のように呼び方が変わります。

■小腸(マルチョウ)

  • ヒモ
  • コテッチャン
  • ソッチャン
  • シロ
  • コプチャン

■大腸(シマチョウ)

  • ホルモン
  • テッチャン
  • ダイテツ

■直腸(テッポウ)

  • オカマ
  • ケツ

食感の違い

ここでは「小腸(マルチョウ)」「大腸(シマチョウ)」「直腸(テッポウ)」それぞれの食感の違いについて解説します。

■小腸(マルチョウ)の食感

  • 柔らかく、プリプリとした食感
  • 他の部位の中で1番柔らかいと言われている

■大腸(シマチョウ)の食感

  • マルチョウよりも歯ごたえがあり、とろけるような食感
  • しつこすぎない程よい脂身が特徴

■直腸(テッポウ)の食感

  • 脂身が少なく弾力のある食感
  • マルチョウやシマチョウに比べて筋肉質で噛みごたえがある

上記の順番は、牛が食べ物を食べた時に実際に通る順番です。

胃に近いほどカロリーが高く脂が乗っていて、肛門に近いほどカロリーが低く弾力が強い傾向にあります。

希少価値と値段の違い

ここでは「マルチョウ」「シマチョウ」「テッポウ」それぞれの希少価値と値段の違いについて解説します。

■小腸(マルチョウ)の希少価値と値段

マルチョウは、牛一頭から約10kgほど取れる部位です。

牛の腸全体から取れるマルチョウの長さは、約40mで腸全体の3分の1にあたります。

ネット通販でのマルチョウの価格は、およそ2800円前後です。

■大腸(シマチョウ)の希少価値と値段

シマチョウはマルチョウよりも希少価値が高い部位です。

牛一頭から取れる量は約1.5kgほどと言われています。

小腸と大腸を合わせると約60mほどの長さになるため、シマチョウの長さは約20mと考えられます。

ネット通販でのシマチョウの価格は、およそ3000円前後です。

■直腸(テッポウ)の希少価値と値段

テッポウはマルチョウやシマチョウに比べて最も希少価値の高い部位です。

牛の肛門に最も近い部位で、牛一頭から取れる量はおよそ300gと言われています。

ネット通販でのテッポウの価格は、500g1200円と他の腸に比べて高級です。

ホルモンとモツの違いについて

焼肉屋さんやスーパーなどでは、ホルモンやモツなどのメニューをよく目にします。

どちらも肉の内臓部分を示すことには変わりないですが、ホルモンとモツは下記のように使い分けられます。

ホルモン

  • 内臓を示す言葉でも、牛や豚の内臓に限定したもの。

モツ

  • 牛・豚・鶏の内臓全般を示したもの。
  • ハツ(心臓)やタン(舌)、ハチノス(第2胃)なども総じてモツと呼ばれることがある。

焼肉で内臓を食べるようになったきっかけは関西発祥の「ホルモン焼き」です。

そのため、関西では内臓の中でも腸の部分のみをホルモンと呼ぶ傾向にあります。

しかし関東や全国的には、牛の腸はモツと呼ばれることの方が多いと言われています。

焼肉の小腸

ここでは焼肉で食べられる小腸(マルチョウ)の味や特徴、栄養素について詳しくみていきましょう。

焼肉で食べられる牛の小腸(マルチョウ)の味や特徴

マルチョウは、濃厚な脂と甘味があるジューシーな味わいが特徴です。

他の腸の部分と比べてシワがなく、脂がたくさんついています。

私たちが焼肉屋さんなどで食べているマルチョウは、外側についている脂をひっくり返して内側に入れた状態で提供されていることが多いようです。

プリプリとした柔らかい食感はマルチョウならではの特徴と言えるでしょう。

小腸(マルチョウ)の栄養素

【ビタミン(小腸100gあたりのビタミン)】

ビタミンの種類ビタミンの摂取量
ビタミンA2マイクログラム
ビタミンE0.3ミリグラム
ビタミンK9マイクログラム
ビタミンB10.07ミリグラム
ビタミンB20.23ミニグラム
ナイアシン3.1ミリグラム
ビタミンB60.05ミリグラム
ビタミンB1220.5マイクログラム
葉酸15マイクログラム
ビタミンC15ミリグラム

【ミネラル(小腸100gあたりのミネラル)】

ミネラルの種類ミネラルの摂取量
ナトリウム77ミリグラム
カリウム180ミリグラム
カルシウム7ミリグラム
マグネシウム10ミリグラム
1.2ミリグラム
亜鉛1.2ミリグラム

参考:牛ホルモン小腸-カロリー/栄養成分/計算|カロリーSlism

マルチョウのカロリーは、100グラムあたり287キロカロリーとやや高めです。

しかし、マルチョウには女性に嬉しいコラーゲンや赤血球を構成するために欠かせないビタミンB12が豊富に含まれています。

しかし、コレステロールが牛レバーと同じくらい高いため食べすぎには注意しましょう。

焼肉の小腸の焼き方

ここでは焼肉の小腸の美味しい焼き方について紹介します。

小腸(マルチョウ)の焼き方

脂の多いマルチョウは焼き加減が難しいのが特徴です。

マルチョウを美味しく焼くためには、ほかの肉とは異なり鉄板や網の上で放置しないことが大切です。

溶け出した脂が1箇所に集中しないように、トングでコロコロ転がしながら焼きましょう。

小腸(マルチョウ)の焼き上がりの見極め方

マルチョウは殺菌のためにも中まで念入りに火を通すことが大切です。

マルチョウの焼き上がりは、脂部分が半透明になったころです。

一般的に焼肉のマルチョウは、脂部分が内側にひっくり返されていることが多いため、焼き上がりを確認するときは断面をみて、脂部分が半透明になったことを確認しましょう。

焼肉の小腸を使ったレシピ

ここでは焼肉の小腸(マルチョウ)を使った美味しいレシピについて3つ紹介します。

本格もつ鍋

もつ鍋は寒い冬にピッタリの料理です。

生姜やにんにくでマルチョウの旨味を最大限に引き出したシンプルなもつ鍋です。

お好みでキムチ味などにして辛くして食べるのも良いでしょう。

【材料(3〜4人分)】

  • 牛もつ・・・・・・・・400〜500グラム
  • キャベツ・・・・・・・1/2玉
  • もやし・・・・・・・・2袋
  • ニラ・・・・・・・・・1束
  • 乾燥にんにくチップ・・適量
  • 白胡麻・・・・・・・・適量
  • 輪切り唐辛子・・・・・適量

■スープ

  • 水・・・・・・・・・・4カップ(800ミリリットル)
  • 和風だしのもと・・・・1/2袋(4グラム)
  • 鶏がらスープのもと・・大さじ2
  • 薄口醤油・・・・・・・大さじ6
  • みりん・・・・・・・・大さじ2
  • 砂糖・・・・・・・・・小さじ1
  • おろしにんにく・・・・適量
  • おろし生姜・・・・・・適量

【作り方】

  1. (下処理) もつを軽く湯通ししヌメリを取る。
  2. (スープ) 鍋にスープの材料を全て入れ、一口大に切ったもつを入れて中火にかける。
  3. アクをすくい取りながら煮込み、アクが出なくなったら火を止める。※長時間煮込みすぎると旨味成分が流れ出てしまうため注意
  4. 5センチ幅に切ったキャベツを鍋にドーナツ状に盛り、真ん中にもやしを乗せる。
  5. キャベツともやしの上に7センチ幅に切ったニラを真ん中に横一列位に並べ、乾燥にんにくチップと白胡麻、輪切り唐辛子をトッピングする。
  6. 強火にかけてキャベツがしんなりしてきたら完成。

ピリ辛もみだれが旨いマルチョウの網焼き

コチュジャンベースのピリ辛にしたマルチョウを網で焼いた料理です。

適度に脂が落ちてしつこすぎない味わいは、ビールや日本酒などによく合います。

【材料(2人分)】

  • マルチョウ・・・・・・180グラム
  • 刻み長ネギ・・・・・・20センチ
  • にんにく・・・・・・・1片(すりおろし)
  • 日本酒・・・・・・・・大さじ1
  • みりん・・・・・・・・大さじ1
  • 塩・・・・・・・・・・ひとつまみ
  • コチュジャン・・・・・小さじ1
  • 味の素・・・・・・・・少々

【作り方】

  1. (下処理) マルチョウをボウルに入れてもみ洗いし、冷水に10分晒したらザルで水を切る。
  2. マルチョウを再びボウルに入れ、酒・みりん・塩・コチュジャン・にんにく・ネギ・味の素を入れてよく揉み、30分ほど放置する。
  3. 餅焼き網で中火で7分、コロコロ転がしながら焼き仕上げに強火で2分焼く。
  4. 軽く焦げ目が付いたら皿に盛り付けて完成。

マルチョウ炒め

マルチョウの旨味を引き出した、簡単でシンプルな味付けの料理です。

もやしのシャキシャキとした食感がマルチョウによく合います。

柚子胡椒やポン酢などの味付けにアレンジしても良いでしょう。

【材料(2人分)】

  • マルチョウ・・・・・・150グラム
  • もやし・・・・・・・・1/2袋
  • 塩こしょう・・・・・・適量
  • ネギ(薬味 )・・・・・・適量

【作り方】

  1. フライパンでもやしを中火で炒め、塩こしょうで味付けし、皿に盛り付ける。
  2. 同じフライパンでマルチョウを強火で炒め、塩こしょうで味を整える。
  3. 焼き色が付いたら蓋をして蒸し焼きにする。
  4. マルチョウに火が通ったらもやしの上に盛り付け、薬味のネギを散らして完成。

まとめ

マルチョウはホルモンの中でも脂が多く、柔らかい食感が特徴です。

脂の部分からは程よい甘味が感じられます。

プルプルとした舌触りは他の腸の部位では感じられない、マルチョウ特有の肉質と言えるでしょう。

コラーゲンが豊富で女性にも人気の高い部位ですが、カロリーやコレステロールが高いため、食べ過ぎには十分注意しましょう。

マルチョウはスーパーやネット通販などで手軽に入手できます。

本記事を参考に、さまざまなレシピでマルチョウの旨味を味わってみてはいかがでしょうか。

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