牛肉の希少部位についてご紹介!焼肉に向いている希少部位はどこ?

牛肉の希少部位を知る前に

今回は牛肉の希少部位についてご紹介いたします。牛肉は赤身肉と内臓(ホルモン)に分けられその中でも希少価値の高い部位と比較的入手しやすい部位に分けられます。

希少部位の定義

基本的に牛肉の希少価値は牛1頭から取れる量で決まります。

有名な部位や美味しい人気部位が希少部位というわけではなく、取れる量が多いか少ないかで判断されサーロインやリブロース、焼肉の王道であるバラは取れる量が多いため人気の部位ではありますが希少部位として売られることはありません。

逆にほとんど知られていない、聞いたこともなような部位が希少部位として焼肉店のメニューに掲載されていることは多くあります。

人気、価格、美味しさは関係なくあくまで牛1頭からどれくらい取れるかが希少部位かどうかを判断するポイントになります。

大まかな部位

牛肉の部位はもも、肩、バラ、ロース、スネ、ネックなどの大きく分けられその中でも希少部位はもも、肩、バラ、ロースに集中しています。

内臓は大きな区分けはありませんが全体的に少量しか取れずタン、ハラミ、サガリなど焼肉の王道部位も内臓に含まれています。

牛肉の希少部位毎にどのような特徴があるのか?(赤身肉編)

牛肉の希少部位ごとにどのような特徴があるのかについて解説していきます。

希少部位の特徴

ザブトン

肩ロースにくっついている部位で牛肉の中でも一番霜降りが多い部位で焼肉店では特上カルビとして提供されていることが多く食感は非常に柔らかく人気の部位でもあります。高価格で提供されていますが価格に負けない食べ応えを感じることができ牛1頭から約3キロほどしか取れない希少部位で料理用途も焼肉、ステーキ、肉寿司など高級料理に多く使用される部位です。

ミスジ

ミスジは肩の一部で一般的に肩は筋肉を動かす部位であるため脂が少なく食感は硬めですがミスジは肩甲骨付近にあり動かす機会が少ないため霜降りも多く柔らかい部位になります。牛1頭から1キロほどしか取れない部位で真ん中に特徴的な太い筋が入っており見た目の特徴もはっきりしている部位で高級焼肉店で提供されていることが多いです。

三角バラ

バラと肩の間に位置する部位でバラの中で最高の部位と言われています。名前の由来は切った形が三角でありバラと合わせて三角バラと言われており、こちらも非常に綺麗な霜降りが入っており焼肉店ではザブトンと同じように特上カルビなど最高ランクとして提供されることが多い部位です。牛1頭から1キロほどしか取れない部位で食感は非常に柔らかく口の中でとろけるような柔らかさを感じられる部位です。

トモサンカク

もも肉の中で最も霜降りのある部位でモモ肉独特の風味を感じることができる部位になります。霜降りの多さや食感は他の希少部位と遜色ないですがもも肉であるため価格はそこまで高くなく入手しやすい部位で、牛1頭から1キロほど取れる部位になります。ローストビーフ、焼肉、ステーキ、しゃぶしゃぶなどに使われる万能な部位と言えます。

リブロースカブリ

リブロースの上に被っている部位でリブロースカブリ、リブカブリと呼ばれています。きめ細かい霜降りでリブロース同様に食感は非常に柔らかく濃厚な食感と言える部位で焼肉として食べるのが一般的です。牛1頭から1キロほどしか取れない希少部位です。

イチボ

イチボ自体はもも肉の一部でお尻の先の部位です。希少価値もそこまで高くない部位ですがこの部位は場所によって霜降りや食感が異なり、部位の先端であるイチボ先は綺麗な霜降りが入っており上質な食感が特徴の部位になります。イチボ先と表記して販売されていることは珍しいですがイチボは霜降りが多ければ多いほど柔らかくて希少価値が高い場所と判断することができます。

トウガラシ

腕にかかる部位で良く動かす部位なので霜降りはほとんどなくあっさり食べることができる赤身の部位です。さっぱりしていますが噛むほど甘みや味が染み出てくる赤身の王道と言える部位で、名前の由来は形が唐辛子のように細長いからと言われています。

シャトーブリアン

名前も有名で一度は聞いたことがあると思います。シャトーブリアンはヒレ肉の中でも最も中心であり霜降りと赤身のバランスが良い部位で赤身肉なのに非常に柔らかいのが特徴です。牛1頭から1キロほどしか取れない非常に希少価値の高い部位で価格も牛肉の中では一番高く、最高部位として認知されています。

カイノミ

バラの一部で貝の身の形に似ているのでカイノミと言われています。ヒレに近い部位であるためバラですが赤身の割合が多くあっさりしておりヒレのような柔らかさが特徴です。牛1頭から3キロほど取れ価格は他の希少部位と比較するとそれほど高くないのでオススメの部位と言えます。

ササミ

カイノミと近いバラの一部で見た目が笹の葉に似ていることからササミやササニクと呼ばれています。バラの中でもほとんど霜降りはない赤身肉で柔らかくて食べやすく、カイノミ同様に価格は高くないのでオススメの部位です。牛1頭から2キロほど取れるバラの中でも非常に人気の部位になります。

牛肉の希少部位毎にどのような特徴があるのか?(ホルモン編)

希少部位の特徴

タン元

牛タンの根本の部分をタン元、中心部をタン中、先端をタン先と呼び先端は硬く根本に近づくにつれて柔らかくなります。見た目もタン先は赤くタン元は白いため牛タンの柔らかさ、美味しさは見た目の色で判断できます。タン元はとても柔らかく厚切りで食べるのがオススメで、タン元は牛1頭から300グラムほどしか取れない希少価値の高い部位になります。牛タン自体も希少価値が高く黒毛和牛のタンは入手困難でスーパーではほとんど輸入の牛タンが提供されており高級店でしか特上の牛タンは食べることができないのが現状です。

サガリ

近年の赤身肉人気に伴い人気が上昇してきた部位で内臓に含まれますが見た目は普通のお肉と同じで比較的低価格で食べることができ人気の部位です。内臓肉であるため独特の風味があり好みは分かれるかもしれませんが焼肉の王道のような部位となっており低価格で入手可能なことも魅力のいつです。牛1頭からは1キロ前後しか取れない希少価値の高い部位です。

ハラミ

サガリと似ている部位ですがサガリより脂が多く濃厚な旨みが特徴と言えるでしょう。希少価値もサガリとほとんど差はなくこちらも焼肉の王道で人気の部位です。

ヤン

ヤンはハチノスとセンマイを繋いでいる部位で牛1頭から80グラムしか取れない幻の希少部位です。アワビのような食感で脂が多く甘みのある濃厚な味わいが特徴の部位です。

マメ

牛の腎臓でヨーロッパではパイやソテーなどにしてよく食べられますが日本ではあまり見かけない希少部位です。独特なクセのある匂いが特徴で味はレバー、食感は砂肝に似ています。

ウルテ

ウルテは牛の喉の気管にある軟骨でホルモンの中でも最も硬いと言われています。かなり歯ごたえがあり切り込みを入れて提供されることが多いためザラザラとした舌触りで、噛めば噛むほどほどけていく食感はウルテでしか味わうことができないでしょう。

シビレ

シビレはぷりぷりとした滑らかな食感でレバーに近い舌触りです。味はフォアグラに似ていると言われることもあり、クリーミーで濃厚な味わいです。

テッポウ

牛の直腸にあり見た目はシマチョウのようにシマシマで、直腸を開いた形が鉄砲に似ていることが名前の由来になっています。肉厚で歯ごたえを楽しむことができ比較的脂が少ないため濃厚な味わいの部位と言えます。

焼肉屋でおすすめの牛肉・希少部位をご紹介!

次は、焼き肉屋でおすすめの牛肉・希少部位についてご紹介していきます。

焼肉に向いている希少部位

上記で赤身肉、ホルモンの希少価値の高い部位について紹介してきましたが全部が焼肉に適しているわけではありません。旨みを引き出すには食べ方やカットの仕方が重要であり部位によりオススメの食べ方は異なります。

焼肉に適していない部位としてはシャトーブリアンがあげられます。こちらは非常に柔らかく厚切りステーキとして食べた時にヒレの柔らかさを存分に味わうことができるため焼肉など薄くカットして食べる調理方法には適していないです。

上記で紹介しているその他の希少部位は焼肉に適している部位と言えます。特に三角バラ、カイノミ、ササミ、を含むバラやザブトン、ミスジ、トモサンカクなど霜降りの多い部位は焼肉として食べるのが一番旨みを引き出せます。

ホルモン系も基本的には焼肉で食べることが多く、タン、ハラミ、サガリなどの部位も焼肉で食べるのが無難と言えるでしょう。

牛肉は部位の形によってはステーキやすき焼きなど様々な料理に使用可能ですが焼肉しか調理不可の部位もありリブロースカブリ、カイノミ、ササミ、トウガラシはそれに含まれる部位です。

おすすめの焼き方/食べ方

牛肉の焼き方は霜降りが多い肉か赤身肉かで異なり、三角バラ、ザブトン、ミスジ、トモサンカク、リブロースカブリなどの霜降りの多い肉はレアと呼ばれる少しだけ火を通した状態やしっかり焦げ目がついた状態など好みで食べ分けることができます。

赤身肉であるトウガラシやイチボなどは焼きすぎると食感がパサパサになってしまうため表面だけ軽く焼いて食べるのがオススメです。カットも他の焼肉より薄くして提供されることが多いため少し焼いただけでもしっかり火が通り食べることができます。

内臓肉に分類されるハラミ、サガリ、タンやその他のホルモンは中心部までしっかり加熱し食べなければ食中毒の原因にもなりかねないので注意が必要です。

味付けに関しては王道であるタレや塩・胡椒、ワサビタレなど焼肉は様々な味付けで食べることができるためお好みの食べ方を模索してみるのも楽しみ方の1つと言えるのではないでしょうか。

焼肉 希少部位についてのまとめ

近年、牛肉の調理方法で焼肉の需要は増してきており飲食店の割合としてもステーキやすき焼き、しゃぶしゃぶより焼肉店が圧倒的に多いのが現状です。

部位ごとに特性はありますが牛肉のほとんどの部位が焼肉として使用でき食感や風味は様々で、輸入牛や国内牛、銘柄牛など多くの種類があり楽しみ方も多く存在しておりこれからも焼肉人気はますます上昇していくと考えられるため美味しい希少部位を知っておくことでより焼肉を楽しむことができるようになるのではないでしょうか。