千屋牛とはどんなお肉のこと?おすすめの食べ方・おいしい焼肉店をご紹介

千屋牛という、焼肉にしても美味しい肉牛を知っていますか?日本の和牛のルーツや幻の肉とも言われ、肉好きな方に是非とも知って欲しいブランド牛の一つです。今回は地方である岡山県の名産なこともあり、イマイチ知られていないブランド牛「千屋牛」について、基本知識から美味しい食べ方、おすすめの焼肉屋まで紹介します。

焼肉の千屋牛について

まずは「千屋牛」の基本的な情報について紹介します。焼肉、すき焼き、どんな食べ方でも美味しいと言われる、千屋牛とはどんなブランド牛なのか見ていきましょう。

岡山県新見市のブランド牛

千屋牛とは「ちやうし」と呼ばれる日本のブランド牛の一つです。岡山県新見市内にて飼育・繁殖されており、一般的な和牛より体格が大きく、質の良い肉が取れやすいブランド牛として認識されています。

千屋牛として認められるには以下3つの条件を満たしていることが必要です。

  • 千屋牛の血統を持つ黒毛和種である
  • 新見市内で繁殖・肥育されたものであること。または岡山県下で生まれた子牛を、新見市内で18カ月以上肥育されたもの
  • (社)日本食肉格付協会の格付けされた3規格以上のもの

上記からわかるように、千屋牛の血統を持つ以外は、基本的に新見市内で肥育されることが必須条件になります。特有の育て方や気候が関係してくるのかと考えると、ブランド牛に限らず畜産の奥深さを感じられるのではないでしょうか。

和牛のルーツの一つといわれる

もともと日本では牛肉を食べる習慣がない時代が長くありました。食肉文化が浸透するのは文明開化以降となり、このころに労働力として見られていた牛を、食肉にするために肉の取り分を多くしようと外国の牛との交配が始まります。

しかし、外国産の牛と交配した牛たちは肉質が劣っていたり、労働力としてもうまく働いてくれないなど上手くいかない面が目立ちました。そんな中で、牛の体を大きくするよりも和牛の血統を守ろうとした人たちが存在したことで、現在の和牛に連なる血統が維持されてきたのです。

代表的な和牛のルーツと言われているのは「但馬牛」ですが、岡山県新見市でも「つる牛(系統牛)」が残されており、これがのちの千屋牛になります。

千屋牛の5つのコンセプト

江戸時代末期から牛の近親交配を繰り返し、系統の維持を行ってきた千屋牛。長い歴史を持ち、こだわって肥育しているからこそ、美味しい千屋牛にするための5つのコンセプトがあります。どういったものなのか、こだわりとともに紹介します。

  • 優良和牛:血統を守り美味しい肉を維持すること、日本最古の蔓牛「竹の谷蔓」の系統を途絶えさせないよう肥育しています
  • 健康牛:健康な牛を育てるために、千屋牛で重視されているのは「授乳期の飼育」です。すくすくと発育させていく事を第一に、衛生面や飼料面まで徹底したこだわりを守っているのです。
  • 安全牛:美味しい肉質を目指すとともに、安全面を重視して厳選した飼料を与えることも重視されています。基本的な指定配合飼料、牧草の他に日本ならではといえる稲わらを与えています。
  • 安心牛:千屋牛に限らず国産和牛と同じように、全ての牛に10桁の耳標がつけられています。生年月日を始めとした生産履歴が明らかになっているので、消費者自身が確認できる安心感もお届けしています。
  • 信頼牛:上記までの4つのコンセプトをしっかり守り、消費者の期待と信頼にこたえて美味しい千屋牛を届けることが約束されています。

赤身とさしのバランスの良さが特徴

千屋牛のルーツやコンセプトも気になりますが、やはり一番に気になるのは千屋牛がどんな味を楽しめる肉なのか、といった点でしょう。和牛の一番の特徴は、赤身肉の間に網目模様が入り、もちろん千屋牛にもしっかりと美しいさしが入っています。

ただし、昨今ではこの「さし」が入りすぎている肉はくどく感じるとして、敬遠する方も一定数現れました。そんな方でも美味しくいただけるであろう肉が千屋牛です。

千屋牛は赤身と脂肪のバランスがよく、ジューシーでありながらくどくない、肉本来のうまみも楽しめる美味しい肉だと言われています。

また千屋牛は和牛の中では比較的、体が大きく、ロース面が多く取れることでも知られています。脂の甘みやとろける食感を楽しむことはもちろん、さっぱりといただく、または肉本来のうまみをかみしめていただくお肉まで幅広く存分に堪能できるでしょう。

 

千屋牛のおいしい食べ方

ここからは千屋牛を実際に食べるとき、どんな食べ方がおすすめになるのか見ていきます。基本的な食べ方ばかりなので、千屋牛が手に入ったときは家庭でも試してみてください。

  • 色んな部位を食べ比べ「焼肉」

最初におすすめしたい食べ方は、千屋牛の色んな部位を食べ比べることができる「焼肉」です。千屋牛は赤身と脂肪のバランスがよく、部位によってもさまざまに異なった食感や味わいを堪能できます。

焼いてたれに付けるだけ、というごくシンプルな味わい方でこそ千屋牛のおいしさを実感できるでしょう。できれば余分な脂を落とせる炭火焼きが望ましいですが、家庭でいただく際にはホットプレートなどでも大丈夫です。

力強い肉のうまみと脂のおいしさを楽しめるカルビ、噛みしめるほどに赤身のおいしさが湧き出る肩肉、とろける食感が贅沢なサーロインなど、ぜひ各種揃えて部位ごとの味わいを試してみてください。

  • したたる脂を堪能「ステーキ」

旨みの元になるアミノ酸や、脂肪に含まれる良質なオレイン酸を引き立てるなら、ステーキがおすすめです。焼肉よりも厚みがある1枚肉になるので、赤身の間に含まれる脂が流れ出ることなく、口の中であふれ出す美味しさを堪能できます。

家庭でステーキを焼く際のポイントは、以下の通りです。

  • 肉は焼く前に常温に戻しておく
  • フライパンはできるだけ高温に熱しておく
  • 肉を入れたらむやみに動かさない
  • フライパンの上だけですべて火を通そうとせず、余熱を上手に活用する

高級な1枚肉は失敗したときが怖くて、なかなか家庭で焼くのはハードルが高いと感じる方も多いものです。しかし、ポイントを守ってさえいれば、自宅でも美味しいステーキを焼くことは可能なので、ぜひチャレンジしてみましょう。

薄切り肉のおいしさ「すき焼き」

厚みのある肉だけではなく、千屋牛は薄切り肉のおいしさも絶品です。すき焼き用の肉はもちろん、切り落としのように比較的安価な肉でも美味しくいただけるので、お財布に優しいところも魅力的です。

甘辛く濃い目の味付けに、千屋牛のしっかりとした肉のうまみや脂の甘さが、よりわかりやすくなるでしょう。牛肉以外に入れる野菜や豆腐はお好みですが、もしも手に入るようなら岡山の名産品である「黄ニラ」を入れてみてください。

一般的なニラよりも甘く柔らかいので、すき焼きの甘辛さと相まってご飯が止まらない美味しさに。鍋の中で岡山県の名産品をコラボレーションさせてみてはいかがですか。

千屋牛がおいしい焼肉屋

  • 隠れ家のような焼肉「433ぽんが」

全国から厳選した牛肉を仕入れているからこそ、岡山県の千屋牛が東京で食べられる焼肉店です。

 

気軽に立ち寄れるような焼肉店とは少し異なり、高級仕様となっています。お肉のランクはもちろん隠れ家のような居心地良さも堪能できるでしょう。六本木駅より徒歩2分という、アクセスの良さも魅力です。

 

■住所:東京都港区六本木4-12-4 飯田ビル 2F

■アクセス:大江戸線「六本木駅」A7出口より徒歩約2分

東京メトロ日比谷線「六本木駅」より徒歩2分

千代田線「乃木坂駅」3番出口より徒歩6分

■営業時間:月~土 18:00〜翌4:00 日祝 17:00~23:00

■公式HP:https://yakiniku-ponga.com/roppongi

 

  • 記念日に行きたい「鉄板焼き grow 六本木店」

東京で唯一、千屋牛を扱う鉄板焼き店としてオープンした「鉄板焼き grow」。厳選されたA5ランクの千屋牛を低温で熟成させた事により、より濃い旨みを持つ熟成肉が食べられます。

 

高級食材を惜しげもなく扱いながら、カジュアル鉄板焼きなので入店のハードルもそこまで高くありません。ちょっとした自分へのご褒美に、または大切な人との記念日を過ごす際にもピッタリなお店です。

 

■住所:東京都港区六本木3丁目8−7 サクセスビル 1F

■アクセス:大江戸線「六本木駅」5番出口より徒歩3分

東京メトロ日比谷「六本木駅」より徒歩3分

■営業時間:月~土 16:00~23:00 土日祝 12:00~14:00 17:00~23:00

■公式HP:https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13170770/

  • 日本料理として千屋牛を「小熊」

伝統的な日本料理を軸に、ジビエや創作料理など新たな可能性を探る日本料理店でも千屋牛をいただくことが可能です。基本的なメニューは「季節のおまかせコース」のみとなり、計算された流れでさまざまな旬の料理を味わえるでしょう。

 

完全予約制なので、この点だけ気を付けてください。

 

■住所:東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル3F

■アクセス:地下鉄「銀座駅 」B5出口 徒歩3分

■営業時間:月~土 17:30~23:00 日祝 定休日 土曜日は第1、3、5が定休日

■公式HP:http://www.ginza-koguma.com/menu.php

 

  • 岡山を訪れたら「JA晴れの国岡山 焼肉 千屋牛」

番外編として、千屋牛の本場である岡山県の美味しい焼肉屋も紹介します。こちらは民間の焼肉屋ではなく、JA阿新の広場内に儲けられている焼肉屋です。直に肉を仕入れることが可能なので、比較的安価な費用で千屋牛をいただくことが可能です。

 

みんなでいただく焼肉パーティから、リーズナブルな定食までより取り見取りです。

 

■住所:岡山県新見市正田397-2

■アクセス:伯備線「石蟹」駅より車で20分

■営業時間:月・水~土 11:00~14:30 16:30~21:00 土日祝 11:00~21:00 火曜日定休

■公式HP:https://www.ja-hareoka.or.jp/market/tiyagyuu_menu.php

 

まとめ

今回は岡山県が誇るブランド牛「千屋牛」の基本知識から、千屋牛が食べられる焼肉屋まで紹介しました。

  • 千屋牛は和牛のルーツの一つ
  • 赤身と脂肪のバランスのよい肉質
  • 焼肉、ステーキ、すき焼きなど幅広い料理に対応
  • 東京でも千屋牛が食べられる焼肉店あり

日本に複数あるブランド牛、どのブランド牛がよいのかと迷ったときには千屋牛も検討してみましょう。

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