牛肉の部位とはどのように分かれているか
牛肉の部位はネック、肩、ロース、ヒレ、バラ、モモ、すねなどに分けることができます。
ロースは霜降り肉が多く含まれ肩ロース、ザブトン、リブロース、サーロインなどが含まれます。
バラはタテバラ、ソトバラ、三角バラ、カイノミ、ササミに分けられほとんどの部位が非常に綺麗な霜降りが多く焼肉に使用されます。
モモはランイチ、シンタマ、ウチモモ、ソトモモに分けられ部位ごとに硬さは霜降りの入り方に特徴があり料理用途は様々です。
今回ご紹介するザブトンはリブロースの隣にあり肩の一部ともくっついている部分の肩ロースの一部であり肩ロースは肩ロース芯とザブトン(ハネシタ)に分けることができます。
このように牛肉は細かく部位を分けることができここに記載していない部位も含めると主要部位は14〜16個に分類できます。(ハラミやタンなど内蔵を含めると数はさらに多くなります)
牛肉の部位の内、ザブトンという肉とはどの部位にあたるか
肩からあばらへ続く肩のお肉
ザブトンは肩ロースのあばら側へと続く肩ロースの一部です。リブロースの隣に位置しており綺麗な霜降りが入っているのが特徴です。肩ともくっついていますが肉の見た目はリブロースと似ているため肩とは区別して認識されることが多いです。肩ロースはネック(首)から繋がってきておりザブトンは肩ロースの真ん中からリブロース側にかけてついています。\
ザブトン肉の特徴は
ザブトンの特徴は非常に綺麗な霜降りです。肩ロース自体が比較的高価格で販売されていますがその中でもザブトンはさらに価格が跳ね上がります。スーパーでザブトンとして売られている焼肉やステーキの価格はサーロインやリブロースと同等かそれ以上になります。
ザブトンは肩ロースにくっついているためすき焼き、しゃぶしゃぶ用のお肉は肩ロースとくっついた状態で提供されていることが多くステーキ、焼肉として提供される場合はザブトンと肩ロース芯に分割して提供される場合が多いです。
ザブトンは高価格で非常に綺麗な霜降りの入っているお肉です。焼肉店では『特上カルビ』『特上ロース』として提供されていることも多い部位で焼肉として食べるのが一番適していると言える部位です。
牛1頭からどれくらいとれるか
ザブトンは牛1頭から1〜3kgしか取れない非常に希少性の高い部位です。
牛肉は1頭が700kgの場合、おおよそ310kgの肉と150kgの内蔵が取れます、
他は脂、皮、骨などです。
肩ロースが約18kgほどありそのうちの1〜3kgがザブトンになります。
部位を細かく分けた場合、肩ロースは非常に大きな部位になりますがザブトンはその中でもわずかしか取れない希少部位です。
カロリーなどの栄養
ザブトンはカロリーが非常に高いお肉です。100g/500kcalで牛肉の中でも非常に高いです。霜降りが多いので脂質も多く栄養面ではあまり優れているお肉とは言い難く、ちょっとした贅沢品として召し上がっていただくのが良いかと思います。
健康面を気にされている方や赤身肉が好みの方にはあまりオススメはできない部位と言えそうです。
味の特徴 (他の肉との違いは?)
ザブトンは肉質が非常に柔らかく焼肉で食べると一瞬でとろけるような感覚です。赤身肉と比較すると脂質も多いので風味はかなり濃厚で柔らかさはサーロインや霜降りが入った特上のバラカルビと同じくらい柔らかくて食べやすいです。
柔らかくて美味しいお肉が食べたいと考えている人にはオススメの部位と言えるでしょう。
見た目
綺麗なサシが入った霜降り肉でサシの入り方がサーロインやリブロースと比較すると独特なのが特徴です。肉に詳しい人が見ると一眼でザブトンだと分かるくらい特徴的な見た目のお肉と言えるでしょう。
下記画像のように赤身と霜降りのバランスが絶妙であり、焼肉やステーキで提供される場合の見た目も非常に綺麗で高級感があるのがポイントです。
別名
ザブトンは別名ハネシタと呼ばれることもあります。英語名ではチャックフラップと呼ばれます。肩ロースは別名クラシタと呼ばれることもあります。肩ロース・ザブトン、クラシタ・ハネシタとセットで覚えるといいでしょう。
ザブトンと呼ばれる由来ですが形が座布団に似ているからだそうです。正確には四角ではないですが確かに形状は似ておりそう呼ばれるようになったそうです。
これらを踏まえるとザブトンは柔らかくて味は濃厚です。
しかし非常に高価格で脂も多いため好みが分かれると言えるでしょう。希少部位なので他の部位と比べると値段は高めです。風味自体は上品ですがかなり霜降りが多い部位なので量を食べると胃がもたれたり、カロリーも気になるでしょう。
上記の特徴は黒毛和牛について記載しております。A3〜A5ランクの黒毛和牛では霜降りの入り方、価格、希少性などの観点から高級部位として扱われていますが国内産牛肉(ホルスタイン種)や輸入牛になるとサシもそこまで多くはなく食べやすいです。スーパーで販売されている商品の価格も黒毛和牛と比較すると安価になるのでこちらを購入してみるのもオススメです。国産牛のザブトンは黒毛和牛の赤身肉と同じくらいのサシがあり価格も同等くらいかちょっと安く買うことができるため黒毛和牛にこだわりがない方は国産牛からチャレンジしてみてもいいでしょう。
ザブトン肉の美味しい食べ方は
焼き方
ザブトンは元々柔らかいお肉なので焼き方に注意点はありません、お好みでレア、ミディアム、ウェルダンとお好きなのを選んでいただければ思います。
焼肉の場合は軽く火を通してレアの状態で食べるのが一番おすすめかと思います、ザブトンの濃厚な味わいをそのまま味わうことができます。
ステーキはレアで中心部は赤身の状態で食べるか表面は少し焦げ目が付くくらいしっかり焼いて豪快に食べるのがオススメと言えるでしょう。
家庭でフライパンで調理するときは油の量に注意が必要です、霜降りが多いため焼いているうちにフライパンに油が浮いてくることもあります。できれば網で焼くなど油を逃しながら焼ける環境で焼くかスーパーで無料で提供されている牛脂を利用して調理するのがオススメと言えます。
食べ方
風味が濃厚ですので味付けはあまりせずに塩・胡椒で肉本来の味を楽しむのが良いかと思います。焼肉のタレなど濃い味付けでも肉の旨みが負けることはないのでこちらもオススメです。
料理
『ステーキ』
サーロインやリブロースと同じくらいの霜降り肉なのでステーキとした食べても非常に柔らかいです。スーパーでも稀に黒毛和牛のザブトンステーキとして販売されていることがありますので見つけた際には購入してみてはいかがでしょうか。柔らかさを存分に楽しむためには厚切りステーキとして食べるのもオススメです。
輸入牛の肩ロースステーキとしてザブトンを使用されているお店も多いので輸入牛は比較的入手しやすいのではないでしょうか。
『焼肉』
ザブトンの一番王道の食べ方と言えるでしょう。焼肉店の「特上カルビ」「特上ロース」で使用されていることもあり1部位ごとに注文できる高級焼肉店では「ザブトン」と表記して提供しているお店もあります。値段は高価格にはなりますが口の中でとろける食感や独特の風味はザブトンでしか味わえない最高の1品と言えるでしょう。
国産牛や輸入牛の場合は霜降りも黒毛和牛ほどはないので食べやすくBBQなどたくさんお肉を食べたい時には黒毛和牛以外を選択肢として考えるのも良いでしょう。
『ローストビーフ』
一般的には赤身肉を使って調理することが多いローストビーフですが霜降り肉でも調理は可能です。非常にサシが多くてモモ肉で調理するよりも食感は柔らかくなりますが、胃もたれの原因にもなりますので200〜300gほどの少量で調理することをオススメします。
高級店で提供される非常に柔らかいローストビーフはサシが多いお肉を使用していることが多いため高級店で食べるようなローストビーフを家庭で再現する場合などにはザブトンで調理してみるとより再現性は高くなるのではないでしょうか。
『すき焼き』
肩ロースがすき焼きで使用する部位の王道であるためザブトンもすき焼きには適した部位と言えます。ただザブトンが単品で販売されている場合は値段が通常の肩ロースよりも高い可能性があるのでザブトン単品でのすき焼きはコストパフォーマンスの観点から見るとあまりオススメはできないと思います。
『しゃぶしゃぶ』
こちらもすき焼き同様で肩ロースとしてかザブトン単品かで値段に差が出てくるのであまりオススメはできない食べ方です。薄くスライスしておりサシが多い分、肉の食感をあまり感じられない可能性があります。しゃぶしゃぶはあっさり食べたいと思う方も多いでしょうし赤身肉を選ぶのが無難です。
『肉寿司』
最近流行っているちょっとだけ火で炙ってシャリの上に乗せて食べる肉寿司にもザブトンはオススメです。見た目の高級感と霜降り肉なので火が通りやすいため見た目は生に近いですが安全に食べることができオススメの食べ方の一つと言えるでしょう。
肉の部位「ザブトン」についてのまとめ
ザブトンは色々な料理に使用可能な部位ではありますがコストパフォーマンスや肉質の特徴からステーキ、焼肉、肉寿司での利用が良いと考えられます。
高級焼肉店から一般のスーパーマーケットまで幅広いお店で取り扱いがあるお肉です、希少部位であり霜降りも多く入っているお肉であるため価格は高価格になりがちですが独特の風味や口の中でとろける柔らかい食感は唯一無二と言えるでしょう。
カロリーが高く、脂質が多いという欠点がありますがちょっとした贅沢として高級なお肉の美味しさを味わうのにオススメの部位と言えるでしょう。