今回は、牛肉の部位と名称についてご紹介します。特徴やおすすめの調理法などについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
1.焼肉で食べられる牛肉の部位 頭から首
初めに、焼肉で使われる牛肉の頭から首の肉についてご紹介します。ここでは、主にタンとホホ肉についてご紹介します。
タン
タンは、先端から見て、タン先・タン中・タン元・タン下というように分けることができ、先端側ほど硬くなっており、舌の付け根側はやわらかいのが特徴となっています。 タンは焼肉で食べる他の部位に比べてカロリーはかなり低い肉で、たんぱく質やビタミンが豊富なためダイエットをしている方や美容意識の高い方のためにもおすすめの食材と言えます。
タンは、炭火ロースターで焼くのがおすすめです。炭火ロースターで焼く場合、ポイントとなるのは、炭の個数と置き方です。置かれたそれぞれの炭と網の距離の違いが火力の違いとなり、炭と網の距離が近いほど火力が強くなるという傾向があります。一般的には、炭を山積みしているという前提では、網との距離が近い真ん中が強火となっており、以降網の円の外に向かって、中火、弱火になっていきます。
タンを焼く時には、このようなポイントを意識して、火加減を調節し、適切な焼き加減となるようにしましょう。ただそれでも火力にムラがでますので、まずは、炭の個数や置き方を見極め、焼く前に目安になる強火・中火・弱火を見極めましょう。
ホホニク(ツラミ)
ほほ肉とは牛の頭から頬にかけて取れる肉となっており、牛一頭からは1〜2Kg弱ほどしか取れない希少部位となっています。 また、地域によってほほ肉の呼び名も違い、ツラミ・頭肉・ほほ肉等と言われています。
ほほ肉の食感は、とても柔らかく脂も適度に乗っており、主に煮込み料理をメインに使用されることが多い部位です。希少部位であるため、お値段は多少はりますが、多少高額でも食べる価値のある肉と言えるでしょう。
2.焼肉で食べられれる牛肉の部位 肩
ここからは、焼肉に使われる牛肉、肩についてご紹介していきます。ここでは、ミスジとウワミスジについて解説していきます。
ミスジ
ミスジは、柔らかい肉が人気の肉です。肉は運動量が多い部位であるほど筋肉質で固くなり、運動量が少ない部位であるほどやわらかくなるという特徴があります。つまり、 肩から腕はどちらかというと運動量が多い部位であるため固くなりがちですが、ミスジは肩甲骨の内側にあり、あまり動かさない部位のため、霜降りも多くてやわらかいのが特徴となっています。
ミスジ本来のおいしさを味わいたいという方におすすめなのが、ステーキで食べることです。旨味が濃いミスジだからこそ、シンプルに焼いた方がそのおいしさを堪能することができます。ちょっとした焼き方の工夫を取り入れることで、レストランのようなミスジステーキに仕上げることができますので、工夫を取り入れ、上手に調理をしてみてください。
ウワミスジ
ウワミスジは、肩甲骨の内側に広がる薄い赤身の肉をさします。 肉質は柔らかく、脂が少なくさっぱりした味わいが特徴です。 少量しかとれない超希少部位となっているので、この部位だけで流通することはあまりありません。
薄い赤身肉となっているので、レア気味に焼くことで本来の味を楽しむことができます。フライパンは、厚手のフライパンを使うことで全体の温度を保てるため、お肉全体を均等に焼きあげることが可能です。予算に余裕がある場合は、フライパンなどにもこだわってみましょう。
3.焼肉で食べられる牛肉の部位 背
ここからは、焼肉に使われる牛肉の部位をご紹介していきます。ここでは、サーロインとヒレについてご紹介します。調理法などもご紹介しますので、参考にしてみてください。
サーロイン
サーロインの特徴は適度に赤身の間にある脂肪であるサシが入り込み、ジューシーで柔らかい部位ということです。 脂の甘みを感じることができ、お肉のうまみも感じることができるのでお肉好きの人にはたまらない部位となっています。しかし、 お値段もそれなりにする高級部位のひとつとなります。
高級部位と言えばヒレも有名ですが、サーロインはヒレの外側にある肉となっています。サーロインは、やはりステーキで食べるのが王道です。お肉本来の旨味を楽しむことができますので、ぜひ試してみてください。
ヒレ
ヒレは、脂身が少なく赤身が柔らかいのが特徴です。 1頭の牛からわずかしか取れない部位となっており、サーロインやリブロースロースなどと並ぶ高級部位として知られています。 さっぱりとした味わいが口当たり良く、ステーキやカツ、焼肉などにおすすめの部位となっています。また、 上質な肉質で人気の高い牛ヒレですが、おいしいというだけでなく、豊富な栄養素も含まれています。
そのまま、ステーキにしても美味しいですが、サイコロカットにして焼肉風に楽しむのもおススメです。稀に薄切りにして提供している飲食店を見かけます。ヒレはレアで食べるのがおススメなので、薄切りの際は焼きすぎに注意です。ソテーなどで食べるのもおすすめです。特におすすめなのが、ケチャップソースが絡む豚ヒレ肉のポークチャップです。まず肉厚にカットした豚ヒレ肉は、旨味を引き立てています。濃厚なソースとヒレ肉がよく合い、ご飯がもりもり進みます。千切りキャベツと一緒にご飯の上にのせ、どんぶりにするのもおすすめです。また、短時間で作れるのも嬉しい点です。
4.焼肉で食べられる牛肉の部位 モモ
ここからは、牛肉で使われるモモをご紹介していきます。
ランプ
ランプ肉の特徴は肉質が柔らかく、かつサシが少なめで旨味が強いということです。ランプ肉は、腰からもも、お尻にかけての部位で、筋肉の動きが少なく、もも肉の中でも比較的やわらかい部位に入るものです。ランプ肉は赤身でありながらも、ほどよい脂身もあるためとても食べやすい部位です。調理法は、焼肉、ローストビーフ、ステーキ、すき焼きなど、さまざまな料理で使うことができます。
ウチモモ
ウチモモは、牛一頭から10kg程度とれる大ぶりの部位で、比較的流通しやすい部位となっています。 脚の付け根の肉であるため、非常に筋肉質な部位で、牛肉の中でも最も脂身が少なめとなっています。 但し、赤身でも比較的柔らかいため、焼肉以外にも様々な調理方で楽しむことができる肉です。
鮮度が良いものはユッケにして食べたい部位です。
ヒウチ(トモサンカク)
赤身の分類ですが、モモの中で一番多くのかつ綺麗なサシ(霜降り)が入る特徴があります。牛一頭からわずかしか取れない希少部位に該当します。ヒウチは赤身らしい独特な濃厚なコクと、サシのバランスが良く、ヒウチ好きが肉通な人が多かったりします。
好きなステーキや焼き肉店でもよく出されます。
イチボ
おしりの周辺にあるランイチと呼ばれる塊に存在する希少部位のお肉で、その名の通りランプとイチボがくっついて存在しています(だからランイチなんですね)。正確にはランプが頭側でイチボがしっぽ側です。
味は赤身らしいしっかりとしたうま味がありつつ、刺しもけっこう入っています。中にはイチボ肉の端に脂身がくっついたイチボを見かけた方もいるかもしれません。赤身なんですが、結構脂が多いため、赤身とサシのバランスを楽しめる贅沢な部位です。
しっかりした赤身と脂が多いので、塩コショウでも良いのですが、ニンニク塩など少しパンチが効いたシーズニングと合わせるのがおススメです
5.焼肉で食べられる牛肉の部位 胸から腹
ここからは、胸から腹についての肉をご紹介します。
カイノミ
カイノミは、牛一頭から少量しか取れない希少部位となっているため、焼肉店や精肉店でも特別な肉です。そのまま、塩胡椒でステーキにしたり、わさび醤油で焼肉で食べるのもおススメです。あればなどにして食べるのがおすすめです。
6.焼肉に使われる牛肉の部位 胸あたりの内臓
ここからは、焼肉に使われる胸あたりの内臓をご紹介していきます。
ハツ
ハツは、牛の心臓にあたる部位となっています。 ホルモンの中でも臭みが少なく、あっさりした味わいが特徴です。鮮度が良いものはハツ刺しも美味しいですし、軽く焼いたレア状態で食べるのがおススメです。
ハラミ
ハラミは横隔膜の部分を指していて、コリコリとした歯ごたえがあり、肉の旨味が強くてコクのある味わいが特徴の部位となっています。鮮度が良いものはハラミ刺しも美味しいですし、軽く焼いたレア状態でも、厚めのハラミステーキをしっかり焼いて食べるのも美味しく食べられる、色んな調理法があります。
7.焼肉で食べられる牛肉の部位 胃袋と肝臓
ここからは、焼肉に使われる胃袋と肝臓についてご紹介していきます。
ミノ
ミノは牛の胃袋にあたる部位で、4つの胃のうち、第一胃になっています。コリコリした食管でホルモンの中でも脂っぽいのがあまり得意出ない人におススメです。ホルモン焼きなどに調理するのがおすすめです。
ハチノス
牛の胃袋にあたる部位で、4つの胃のうち、第二胃になっています。フワフワした食管で、鮮度が良いものは湯引きしたものを塩コショウで食べるのも美味しいです。焼肉以外にも、トリッパなどの煮込み料理にもよく使われています
センマイ
牛の胃袋にあたる部位で、4つの胃のうち、第三胃になっています。コリコリした触感であまり味はなく、脂も少なめです。焼肉屋ではセンマイ刺しもよく見かけます。特に酢味噌とかコチュジャンと合わせると美味しい、酒のツマミのような楽しみ方が出来ます。
ギアラ
牛の胃袋にあたる部位で、4つの胃のうち、第四胃になっています。別名 赤センマイとも呼ばれています。うま味もしっかりあって、脂も乗っているホルモンの中でも人気の部位です。ホルモンはどうしても臭みが残るので味噌ベースの焼肉が多いですが、新鮮で臭みの少ないギアラはしっかりと振った塩コショウで下味して食べるのがおススメです。
レバー
レバーは、とろりとしたやわらかい肉質で、火を入れると身が締まるのが特徴です。現在は牛の生レバーは食べることが出来ませんので必ず調理しましょう。但し、火を入れすぎると固くなるので焼きすぎないのがレア状態がおススメです。。
因みに生レバーが従来食べられたのに、食べられなくなった理由としては、食中毒事件がきっかけになったことは間違いないのですが、そもそも牛肉(精肉)部分は食中毒などの細菌が内部まで浸食しない為に、表面だけ焼けば中はレア(生)でも食べても大丈夫ということになっています。なので、ステーキ屋でも外はしっかり焼いてあるけど中はレアで提供していますよね。また、表面部分の細菌もしっかり管理してあれば表面も焼かずに食べてよい、すなわち生食で食べてよいということになっています。
ところが、レバーに関しては胆管を通じてレバー(肝臓)が十二指腸とつながっており、腸からカンピロバクターやO-157などの食中毒を引き起こす細菌が入ってしまうリスクがあります。これは残念ながら健康な牛でも1~2割の牛のレバーはカンピロバクター等で汚染されていることが分かった為、本当に残念ですが生食は禁止に至ったということだそうです。
8.焼肉に使われる牛肉の部位 下腹部あたりの内臓
ここからは、下腹部あたりの内臓をご紹介していきます。マルチョウ
マルチョウは、牛の小腸のことです。別名ホソ・コプチャンとも呼ばれています。大腸に比べると全体的に薄い特徴を持ち、たっぷりとした脂がのっています。
シマチョウ
シマチョウは、牛の大腸のことです。別名テッチャンとも呼ばれています。厚みがあって、マルチョウに比べると脂が少ないです。
まとめ
今回は、牛肉の部位やおすすめの調理法をご紹介していきました。調理法などは、実際に参考になると思いますので、試してみてください。