みすじは、うで肉の部位を指した希少価値の高いお肉です。
一般的に肩から腕にかけた部位は、硬くしっかりとした肉質が多い傾向にありますが、みすじの肉質は柔らかく霜降りが入っているのが特徴的です。
本記事では、みすじの部位や味の特徴、焼き方やみすじを使ったレシピについて詳しく解説します。
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焼肉のみすじについて
ここでは焼肉のみすじについて詳しく紹介します。
みすじの部位について
牛のみすじは、肩甲骨の裏に位置した「うで肉」を指します。
真ん中に一本のスジが入っており、国産牛の場合は美しいサシが入っているのが特徴です。
みすじを取り扱う店舗によっては、「特上カルビ」と呼ばれることもあります。
お肉はあまり動かさない部位は柔らかく、よく動かす部位は固くなる傾向にあります。
肩やウデはよく動かす部位であるため肉質がしっかりしていることが多いですが、肩甲骨の裏に位置するみすじは、あまり動かさない部位であるため、柔らかく、また甘みがあるのが特徴です。
みすじの名前の由来
みすじの名前は、肉の真ん中とその上下に3本のスジが入っていることが由来です。
焼肉屋さんで提供されるみすじは、上下の筋が取り除かれていることが多いです。
真ん中のスジは硬さをほとんど感じないため、そのままでも美味しく食べることができます。
みすじの味や特徴
みすじは運動量の多い肩から腕肉の中でも特に柔らかく、霜降りが入った濃厚な味わいが特徴です。
しつこすぎない程よい脂の口溶けを楽しむことができます。
ヒレ肉やサーロインのような柔らかい肉質なのにもかかわらず、赤身とのバランスも非常に良く、奥深い味わいを楽しむことができるでしょう。
牛一頭から取れる量
みすじが牛一頭から取れる量は、およそ2〜3キロと言われています。
希少価値が高い部位ではありますが、サーロインなどの希少部位に比べると比較的リーズナブルな価格で販売されています。
ネット通販でのみすじの一般的な価格は下記の通りです。
- 国産牛(焼肉用)・・・300グラム、2300円前後
- 黒毛和牛A5ランク(焼肉用)・・・100グラム、2200円前後
- アンガス牛(焼肉用)・・・1キロ、3000円前後
スーパーなどで販売されているみすじは、オーストラリア産やアメリカ産などがほとんどです。
断面が小さく、細長い形をしていますが好みの厚さにカットすることで焼肉などに代用することもできるでしょう。
みすじの栄養価
【牛みすじ約200グラムあたりのビタミン・栄養素】
エネルギー | 406キロカロリー |
タンパク質 | 40.8グラム |
脂質 | 21.9グラム |
炭水化物 | 7.8グラム |
糖質 | 5.9グラム |
食物繊維 | 1.9グラム |
ナトリウム | 709ミリグラム |
食塩相当量 | 1.8グラム |
みすじは200グラムあたりおよそ406キロカロリーと、やや高めです。
カロリー制限中の人やダイエットしている人は、食べ過ぎに注意しましょう。
焼肉のみすじの美味しい焼き方
ここでは焼肉のみすじの美味しい焼き方(レア)について紹介します。
焼きすぎに注意する
みすじは水分量が少ないため、火を通しすぎることで脂が落ち、固くパサパサとした食感になってしまいます。
みすじを焼肉(レア)で食べるときは、下記の手順に沿って焼きましょう。
- 片面を中火から強火で20秒ほど火を通し、焼き色をつける。
- もう片面も20秒程度に軽く焼く。
※監修:ミシュランシェフ 水口一義 氏
解説動画
おすすめの食べ方
みすじを焼肉で美味しく食べるおすすめの食べ方は下記の通りです。
塩・こしょう・わさび
みすじは最高峰の物になると「本マグロのトロに似た味がする」と言われています。
火で炙ったようなトロに近い味わいのみすじは塩・こしょう・わさびなどでシンプルに食べるのがおすすめです。
タレ
霜降り肉の場合、タレの方があっさり食べられます。
タレの風味と香ばしさが肉の脂のしつこさを取り除く効果があります。
塩・こしょう・わさびなどで肉本来の味を楽しんだ後に、タレで味を変えて食べると良いでしょう。
卵黄とタレ
タレの香ばしさと卵黄のまろやかさが、みすじによく合う組み合わせです。
すき焼き風の味わいを焼肉で楽しむことができます。
みすじを使った絶品肉レシピ
みすじはスーパーやお肉屋さんなどで、比較的手に入りやすい食材です。
ここではみすじを使った絶品肉レシピを4つ紹介します。
にんにく醤油だれのみすじステーキ丼
にんにくと醤油の香ばしい風味が柔らかいみすじ肉によく合う一品です。
肉とご飯の間にレタスを挟むことで、ステーキ丼でもくどくならず、あっさりとした味わいになります。
【材料(1人分)】
- ごはん・・・・・・・・200グラム
- みすじ(ステーキ用)・・100グラム
- レタス・・・・・・・・1枚
- 塩こしょう・・・・・・少々
- 白髪ネギ・・・・・・・5センチ程度
- サラダ油・・・・・・・大さじ1/2
■にんにく醤油だれ
- にんにく・・・・・・・1かけ
- 醤油・・・・・・・・・大さじ1
- 酒・・・・・・・・・・大さじ1
- 砂糖・・・・・・・・・ひとつまみ
【作り方】
- にんにくをすりおろす。レタスは千切りにする。
- みすじの両面に塩こしょうを振る。
※冷蔵庫から取り出したみすじは焼く15〜30分前に常温に戻しておく。
- フライパンにサラダ油を引いて熱し、みすじを入れて弱火で1分程焼く。
- 裏面にして40秒ほど焼いて取り出す。
- アルミホイルに包み、5分程置いておく。
- 包丁の刃を斜めに寝かして、手前に引いて削ぐように切る。
- 【にんにく醤油だれ】3のフライパンに、にんにく・醤油・酒を入れ、ふつふつするまで中火で熱し、砂糖を加えて混ぜる。
- 器にご飯を盛り、レタス・3・白髪ネギをのせ、にんにく醤油だれをかけたら完成。
参考:DELISH KITCEN にんにく醤油だれのみすじステーキ丼のレシピ動画
みすじとじゃがいもの韓国風炒め
みすじを韓国風のたれで味付けした炒め物です。
コチュジャンの程よい辛さと、たれの甘みがご飯によく合う一品です。
【材料(2人分)】
- みすじ・・・・・・・・・200グラム
- じゃがいも・・・・・・・1個
- 塩・砂糖・・・・・・・・各ひとつまみ
- サラダ油・・・・・・・・小さじ2
- 薄力粉・・・・・・・・・適量
■A
- 水・・・・・・・・・・・大さじ1
- 砂糖・・・・・・・・・・大さじ1
- 醤油・・・・・・・・・・小さじ2
- コチュジャン・・・・・・小さじ1/2〜
- 生姜・・・・・・・・・・1片(すりおろし)
【作り方】
- みすじを1センチの大きさに切り、塩・砂糖を揉み込み10分おく。薄く薄力粉をまぶす。
- じゃがいもは8等分に切り、耐熱ボウルに入れてラップをし、600Wで3分加熱する。粗熱が取れるまで置いておく。
- フライパンを中火で熱し、サラダ油を加えて1を広げて入れる。
- 焼き色がついたら裏返し、1のじゃがいもを加えて表面に焼き色をつける。
- みすじ全体に焼き色がついたら、合わせておいたAの材料を加えて炒め合わせて完成。
参考:レシピサイト ナディア カナダビーフみすじとじゃがいもの韓国風炒め
牛みすじのチンジャオロース
みすじを贅沢に使用した絶品チンジャオロースです。
お酒のつまみはもちろん、ご飯のお供にピッタリなレシピです。
【材料(2人分)】
- みすじ・・・・・・・・・200グラム
- 酒・・・・・・・・・・・200グラム
- 塩・・・・・・・・・・・少々
- 片栗粉・・・・・・・・・少々
- たけのこ水煮・・・・・・100グラム
- ピーマン・・・・・・・・3個
- にんにく・・・・・・・・1片
■A
- オイスターソース・・・・大さじ1
- 中華スープの素・・・・・小さじ1
- 酒・・・・・・・・・・・大さじ2
- みりん・・・・・・・・・大さじ1
- ごま油・・・・・・・・・大さじ2
【作り方】
- みすじ・たけのこ・ピーマンをそれぞれ短冊状に切る。
- みすじをボウルに入れ、酒・塩・片栗粉を揉み込み、30分程漬け込む。
- ごま油を入れたフライパンにスライスしたにんにくを入れ、炒める。
- 香りが出たら、2のみすじを入れてさらに炒める。
- みすじに火が通ったら、たけのことピーマンを入れ、軽く炒める。
- Aの調味料をまわしかけ、全体に絡ませる。
- 野菜に火が入り、全体に味が馴染んだら完成。
みすじのローストビーフ
牛一頭からわずかしか取れないみすじを、贅沢に使用したローストビーフです。
赤身ベースの程よい脂があっさりとした味わいに仕上がります。
【材料(4人分)】
- みすじ・・・・・・・・・400〜500グラム
- 塩・・・・・・・・・・・小さじ1
- 黒胡椒・・・・・・・・・適量
- にんにくチューブ・・・・小さじ1
- オリーブオイル・・・・・小さじ1
- バター・・・・・・・・・15グラム
■A
- 赤ワイン・・・・・・・・50ミリリットル
- 醤油・・・・・・・・・・大さじ1
- 塩こしょう・・・・・・・少々
- みりん・・・・・・・・・大さじ1/2
【作り方】
- 冷蔵庫から取り出したみすじは、室温に30分程おいておく。
- 塩・黒胡椒・にんにくチューブを牛肉全体にすりこむ。
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、牛肉を全表面に焼き色が付くまで焼く。
- 弱火にして、表面を焦がさないように返しながら4〜6分程焼く。
- 牛肉をアルミホイルで包み、30分おき、余熱で火を通す。
- 【ソース】肉を焼いたフライパンにそのままバターを入れて熱し、Aを混ぜ合わせたものを加えて煮詰める。
- 牛肉をお好みの大きさに切り、ソースをかけたら完成。
まとめ
牛みすじは牛の肩甲骨の裏に位置する、「うで肉」を指します。
運動量が多く、固くなりやすい肩から腕にかけた部位の中でも、柔らかく程よい脂が特徴です。
牛一頭から2〜3キロ程度しか取れない希少価値の高い部位ですが、スーパーや精肉店などで比較的気軽に手に入れることができます。
本記事を参考に特別な日や祝い事に、自宅でみすじを味わってみてはいかがでしょうか。