焼肉の希少部位とはどんな部位を指すのでしょうか?たまに変わった部位をいただくことで、焼肉の新たなおいしさを知るきっかけになります。そこで今回は一度は食べてみてほしい、焼肉の希少部位とはどんな肉で、どんな味わいがするのか、それぞれのおいしい食べ方について紹介します。
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焼肉の希少部位について
いつもとは違った部位を食べたいと考えたときに気になるのが「そもそも希少部位とはどういったものを指すのか」といった点です。そこでまずは基本情報として、焼肉で食べられる希少部位とはどういったものを指すのかについて解説します。
そもそも希少部位とは
焼肉の希少部位と聞くと、イメージとしては高級な肉と感じる方が多いのではないでしょうか。希少部位を端的に説明すると「牛1頭からわずかしか取れない部位」のことを指します。多くの場合、牛1頭の体重が500〜700キログラムになり、食肉としてとれる肉の量は300キログラム程度です。
この肉の量はあくまでも肉の量であり、ホルモンと呼ばれる腸やレバーなど内臓は含まれません。そして希少部位として区別される部位は、300キログラムの中からわずか3キログラム程度しか取れないものを指します。部位によっては牛1頭から1キログラムしか取れない部位もあるのです。
700キログラムの牛から取れる肉の量が約4割程度、その中の100分の1しか取れない部位が希少部位。こう考えると高級なイメージにもうなずけるのではないでしょうか。
牛肉の希少部位を食べられるところ
牛肉の希少部位をおいしくいただく、一番に考えられるのはやはりお店で食べる方法です。焼肉店や鉄板焼き、昨今ではファミリーレストランなどでも希少部位を食べることは可能です。
また焼肉店が希少部位の提供を大々的に始めたことから、知名度が上がり、現在では一部スーパーでも購入できます。料理の腕に自信がある方はスーパーでの購入、色んな種類の希少部位を食べ比べてみたい方は焼肉店など、希望に合わせて選択してください。
焼肉の希少部位の種類
ここからは実際に焼肉の希少部位には、どんな部位があるのかを詳しく見ていきます。牛のどの部分の肉なのか、味わいの特徴について紹介するので、好みに合った肉を見つける参考にしてください。
シャトーブリアン
牛肉のヒレ部分に存在するのがシャトーブリアンと呼ばれる部位です。牛肉の中で最も柔らかく、霜降りと赤身のバランスがよいことから最上級の肉としても有名です。
肉質が柔らかい理由は、牛の体の中でも最も動かさない部位だからです。さしが適度に入っていますが、肉質自体が柔らかく、まさにとろけるような食味を堪能できるでしょう。取れる量は牛1頭から600グラム〜1キログラム程度です。
イチボ
イチボは牛のお尻あたり、ランプの一番端にあたり、部位で言えばもも肉の仲間です。しっかりとした筋肉を持つもも肉の中でも、お尻側にあるのでサシと赤身肉のバランスが取れた肉です。
脂肪の柔らかさや濃い甘み、赤身肉特有のうまみを併せ持つ部位だと言えるでしょう。肉本来の味が濃いことから、焼肉でも人気が高い部位のひとつです。牛1頭からとれる量は2〜4キログラム程度です。
カブリ(リブキャップ)
牛の背中の中央にある肉で、リブロースに被るようにつながっていることからカブリと呼ばれます。さしの入り方が細かいので、肉のうまみと脂の甘みを一度に堪能できる部位だと言えるでしょう。
脂の量が多いので、人によってはくどく感じるかもしれません。しかし、噛み応えもある部位なので、肉のうまみ自体も十分楽しめる部位です。牛1頭からとれる量は1キログラム程度です。
三角バラ
肩ロースから連結した胸の部分のバラ肉を指します。切り出すときに三角形になることから「三角バラ」と呼ばれ、さしが多く入りやすく柔らかな肉質をした部位です。
脂の甘さやとろけるようなくちどけが堪能できる部位であり、焼肉店では上カルビとして取り扱われることもあります。また骨が付いたままの状態で骨付きカルビとして扱われることもあり、その際は骨周りの濃厚な肉のうまみを堪能することもできるでしょう。牛1頭からとれる量は1キログラムほどです。
ザブトン(ハネシタ)
肩ロースのあばら骨側に当たる部位がザブトンです。「ハネシタ」と呼ばれることもあり、きれいにさしが入った極上のくちどけを堪能できる部位。こちらも焼肉店では上カルビとして提供されることがあります。
しっかりとさしが入っているので脂肪の甘みが強く、コク深い旨みが特徴です。沢山食べるよりも数枚をじっくり味わう方法が向いている部位ともいえるでしょう。牛1頭からとれる量は1キログラム程度です。
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トモサンカク
トモサンカクはもも肉の一部であり、似た場所に他にも「マルカワ」「カメノコ」「シンシン」、トモサンカクを含めて4種類の部位が存在します。
細かいさしが入っていることから、脂肪の甘みが強く、またもも肉の一部なので肉自体のうまみも濃い部位です。味わいのバランスがよく柔らかいので、誰にとっても食べやすい部位といえるでしょう。牛1頭からとれる量は2~3キログラムほどです。
ミスジ
牛の肩甲骨の内側に当たる部位であり、三本の筋が入っているところから「ミスジ」と呼ばれます。運動量が多い筋肉が近くにありながら、肉質は柔らかめ、適度なさしが入っているのでくちどけも滑らかです。
ただ脂の量がそこまで多くないので、味わいは比較的優しい印象です。パンチの強さではなく、噛むほどにおいしい部位だと言えるでしょう。牛1頭からとれる量は3キログラム程度です。
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トウガラシ
牛の肩甲骨近くにある肉で、野菜のトウガラシに似た形をしていることから名づけられました。肉質がきめ細かく、少し硬めなので噛み応えがある部位です。
脂の甘みを楽しむよりも、肉本来のうまみを堪能したい方におすすめの部位です。中央に大きな筋が入っているので、家庭で調理をする際には取り除きましょう。牛1頭からとれる量は2キログラム程度です。
カイノミ
牛のバラ肉の中でも一番ヒレに近い部分に存在する肉。バラ肉特有の脂の甘さと、ヒレ肉のようなあっさりとした味わいや肉質から来る柔らかさを楽しめます。
比較的あっさりとした味わいなので、老若男女を問わず食べやすい肉です。脂と赤身のバランスが非常に良いため、焼肉店では特別視されているという声も。牛1頭からとれる量は1~2キログラムほどです。
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フランク(ササミ)
カイノミと連結しており、牛の腹側になるバラ肉の一部になります。別名では「ササミ」とも呼ばれますが、鶏のササミとは異なり、ササの葉の形のようなさしが入っていることから名づけられました。
別名が示す通りに、さしが多く入っているように見えますが実はあっさり目の味わい。脂の甘みも楽しみたいが、脂っこいのは苦手という人にもおすすめです。牛1頭からとれる量は1キログラム程度。
シキンボウ
外ももの中でも後ろ側に存在する部位がシキンボウ(シキンボ)です。しっかりと運動をする部位の肉なので、発達した筋線維特有の弾力ある肉のうまみを楽しめます。
もも肉は基本的に脂肪が少なく硬いと言われますが、シキンボウは程よくさしが入っているので甘味も感じられる部位です。あっさりとした肉や噛み応えが欲しい時におすすめの部位だといえるでしょう。牛1頭からとれる量は少し多めの4キログラム。
タン
希少性が高い肉の中では断トツの流通量を誇る部位、牛の舌がタンです。筋線維が多い部位なので噛み応えがあり、コリコリとした特有の歯触りが高い人気を誇ります。
ただ、タンと一言で言っても場所によって特性が大きく異なる点も特徴です。根元に近づくほど脂が多く柔らかい肉質になります。牛1頭からとれる量は1キログラムほどです。
ハラミ
肉のうまみが濃く、さしが少ないことから、あっさりいただけながらも食べごたえがあるハラミ。牛の横隔膜を指し、実はホルモンと同じく内蔵系の一種とされる部位です。
肉のうまみが濃いだけではなく、焼いても硬くなりにくい、また比較的に値段が手ごろなことから焼肉店やスーパーでも人気が高い肉だと言えます。牛1頭からとれる量は2~3キログラム程度です。
サガリ
ハラミと同じく肉のようでいて、実は内蔵系となるのがサガリです。サガリも牛の横隔膜部分であり、ハラミとの違いは肋骨のどの部分についているかの違い。ハラミは横隔膜の腹側になる部分を指し、サガリは横隔膜の腰骨側を指します。
ハラミと異なり脂が少なく、より赤身肉に似た、さっぱりとした味わい。脂肪が少ないのでヘルシーな肉です。牛1頭からとれる量は1キログラム程度と、より希少性が高い部位だと言えるでしょう。
焼肉の希少部位のおいしい食べ方
14種類の牛肉の希少部位について紹介してきました。これらの肉はどんな食べ方をすればよりおいしくいただけるのかも気になるところです。そこでここでは、それぞれの希少部位のおいしい食べ方について紹介します。
やっぱりおすすめの「焼肉」
今回紹介してきた焼肉の希少部位、やはりおすすめの食べ方は焼肉がダントツで多くなります。実際に焼肉店で注文できる部位も多かったので、お店で食べたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
また、気になる希少部位が複数ある場合でも、少しずつ楽しめる焼肉はもってこいの食べ方だと言えます。希少部位の中で焼き肉に適しているものは以下です。
- シャトーブリアン
- イチボ
- カブリ
- 三角バラ
- ザブトン
- トモサンカク
- ミスジ
- カイノミ
- フランク
- タン
- ハラミ
- サガリ
中でもシャトーブリアンやミスジは1枚肉として手に入ることが多いもの。これらはサイコロ上にして焼肉にするのがおすすめです。食べやすく火も通りやすくなり、見た目にも豪華な焼肉になります。
少し贅沢なディナーに「ローストビーフ」
肉のうまみを堪能できる料理としては、ローストビーフも人気です。希少部位のなかでローストビーフに向いているのは以下になります。
- トウガラシ
- シキンボウ
上記2つの希少部位は、脂が少なめな分、肉自体のうまみを堪能できる部位です。肉の形も初めからローストビーフに向いた「棒状」の形をしているので、調理がしやすい点でもおすすめです。
寒い季節にもおすすめ「煮込み料理」
焼肉やローストビーフのような肉自体のうまみを堪能するのもよいですが、じっくりと時間をかけた煮込み料理に向いた希少部位も存在します。以下、おすすめ部位を見てみましょう。
- タン元
- カイノミ
どちらも焼肉で非常に人気が高い部位ですが、実は煮込み料理でも高いポテンシャルを持っています。タンの場合はタン元を用いることで、煮込む程に柔らかなおいしさを堪能できるでしょう。またカイノミも脂と赤身のバランスがよいことから、煮込み料理でもおいしくいただけます。
まとめ
焼肉に用いる牛肉の中でも、希少部位と呼ばれる肉について紹介しました。
- 希少部位とは牛1頭からとれる量が少ない肉を指す
- 希少部位にはシャトーブリアンを始め、さまざまな種類がある
- 希少部位のおいしさをいろいろと楽しむなら焼肉がおすすめ!
焼肉のおいしさはタレやその場の雰囲気でも左右されますが、やはり肉の味わいが大きく影響します。たまには希少部位を頼んで、いつもとは違ったおいしさを楽しんでみてはいかがでしょうか。