牛肉の部位の内、サガリという肉とはどの部位にあたるか
今回ご紹介する「サガリ」は内臓肉に含まれる部位です。内臓肉にはタン、ハラミ、ハツ、レバーなど様々な部位があり大きく分けると12種類に分けることができます。
内臓肉といえばホルモンとイメージされる方も多いかもしれませんが焼肉の王道とも言えるタン、ハラミ、サガリも内臓肉に含まれています。
サガリはリブロースやバラの近くに位置する内臓部位で横隔膜の一部分の助骨の部分に当たります。サシが少なくしっかりとした赤身ですが柔らかい肉質が特徴です。
サガリとハラミの違い
サガリと似ている部位でハラミがあります。この二つはどちらも横隔膜ですがサガリは助骨の方の分厚い部分で背中の方の薄い部分がハラミになります。
どちらも内臓肉で赤身ですが肉質は非常に柔らかく食べやすいです。ハラミの方が脂の量が多く、旨みがあり、濃い味でサガリの方が脂も少なくあっさりした食べ応えと言えるでしょう。
ハラミとサガリは近い位置にあり見た目や牛一頭から取れる量もほとんど同じで類似点が多い部位ですが食感に少し違いがあります。
牛肉・サガリの特徴は
内臓肉全般に言えることですが比較的低価格で入手可能です。特上ランクの牛タンなど一部高価格の商品もありますが、それ以外の内臓肉はサガリ、ハラミなど含め焼肉店やスーパーでも低価格で売られておりバラ、ロースなどの部位と比較しても非常にお買い求めやすいのが特徴です。
低価格でありながら食べ応えがあり焼肉に欠かせない部位でもあるサガリは低価格で焼肉を楽しみたい方にオススメと言えるでしょう。
語源や別称
サガリと呼ばれている理由は横隔膜からぶら下がっているからだそうです。地域によって呼び方は様々で関東ではハラミとサガリを区別せず横隔膜全体をハラミと呼び、スーパーや焼肉店でハラミと表記されているのが一般的でサガリと表記されているのを見かけるのは少ないのではないでしょうか。他にも九州ではハラミとサガリをしっかり区別したり、北海道では横隔膜全体をサガリと呼んでいるそうです。
英語名では「ハンギングテンダー」と呼ばれハンギングは吊るす、テンダーは柔らかいという意味なので和名も英語名も同じ語源を持っていることになります。
牛肉は地方で部位の呼び方が異なることが多いので、地域ごとの飲食店やスーパーに行く時は注意が必要かもしれません。
見た目
牛肉の赤身肉であるモモやカタに似ているといえます。肉のランクによって違いはあり輸入牛であればほとんど霜降りはなく完全な赤身肉という印象を受けるでしょうが黒毛和牛のサガリなどは程よく霜降りもあります。
味の特徴
内臓肉は通常部位のモモ、カタ、ロース、ヒレなどと比較すると独特の風味があり、この独特の風味が苦手という方もいらっしゃいますので好き嫌いが分かれるところではないでしょうか。食感は非常に柔らかく脂もほとんどないためあっさりとしたお肉が食べたいという方にはオススメの部位と言えるでしょう。
牛1頭からどれくらいとれるか
サガリは牛一頭から約1kgしか取れない非常に希少価値が高い部位になります。特に国内産牛肉の内臓肉は人気が高く入手も非常に困難でスーパーで売られているサガリもほとんどが輸入産です。
牛肉は1頭が700kgの場合、おおよそ310kgの肉と150kgの内蔵が取れます。150kの中から僅か1kgしか入手できない非常に希少価値の高い部位ですが近年は人気も増しておりますます入手困難になる可能性もあります。
カロリーなどの栄養
近年人気が増している理由は非常にヘルシーなお肉だからです。最近は赤身肉の需要が増しており霜降りの多いサーロインやバラよりもモモ、カタなどあっさり食べられるお肉が人気があります。
サガリのカロリーは100g/286kcalほどで牛肉の中でも低カロリーであるといえます。類似部位であるハラミは100g/344kcalとなっておりカロリー面でもハラミよりサガリの方が健康に良く食べやすいお肉だということを表しています。
その他の栄養素も100g当たりでタンパク質16.5g、脂質22.6gなどヘルシーで低カロリーとなっています。
サガリは女性にも非常に人気のある部位でその要因も低カロリーであっさりしていて食べやすいため、ガッツリ牛肉を食べたいけど健康面を気にしている方などには非常に人気が高い部位です。
牛肉・サガリの美味しい食べ方は
次に牛肉・サガリのおいしい食べ方について解説していきます。
焼き方
サガリは見た目は赤身肉と似ていますが内臓肉に分類されるためしっかり焼くことが重要になります。生焼けのままでは食中毒の恐れもあるのでしっかり焼いた方が安全に食べることできます。
表面は少し焦げるくらいまで焼いた方がサガリ独特の風味も増し香ばしさも加わり美味しく食べることができます。
ステーキ、焼肉での調理が一般的にはなるでしょうがあまりにも焼きすぎると食感がパサパサになってしまい美味しさが失われてしまうので焼き加減が難しい部位と言えるかも知れません。
食べ方
サガリは内臓肉の独特の風味があるため塩・胡椒のあっさりした味付けやタレなど濃い味つけなど様々な調味料やソースと合わせても美味しく食べることができます。
サガリの風味を味わいたいのであれば塩・胡椒、ワサビ、ワサビ醤油などの肉の味を消さない調味料と合わせて食べるのがオススメです。
風味がしっかりしているので濃い焼肉のタレと合わせてもタレの味に負けることなく肉の美味しさを感じることもできます、中でも甘口のタレとの相性は抜群でプルコギのたれと絡めて炒めるとサガリの風味とも合いオススメです。
料理
サガリは内臓肉であるため使用用途は通常の牛肉部位とは少し異なります、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ローストビーフとして使用することは不可能と言えるでしょう。しかし少し変わった食べ方もあり、調理方法を間違えなければ美味しく食べることができますので大丈夫です。
ステーキ
ファミレスやステーキ店ではサガリ(ハラミ)ステーキが提供されていることもあります。非常に柔らかい部位であるため厚切りにカットしてあるステーキでも美味しく食べることができ、赤身で柔らかい部位の良いところを存分に味わえる食べ方と言えるでしょう。
注意点ですが、内臓肉であるためしっかり焼くことが重要でステーキの焼き方ではレア、ミディアム、ウェルダンなどありますが中心部までしっかり加熱してから食べないと食中毒の可能性もありますのでよく焼くようにしましょう。
焼肉
サガリの王道はやはり焼肉ではないでしょうか、スーパーや焼肉店でもほとんどで品揃えされており焼肉のレパートリーを増やす意味でもバラ、モモなどの通常の肉と一緒にタンやサガリなど内臓肉も召し上がる方は多いでしょうし近年の健康志向でサガリは一気に焼肉の王道と言えるような人気部位になりました。脂は少なく、柔らかくてヘルシー、比較的低価格という観点で人気が高い部位です。ぜひ焼肉の一品として注文してみてはいかがでしょうか
サンドイッチ
サガリは肉質が柔らかいためパンとの相性も抜群です。調理も簡単でお好みの厚さや大きさにカットしたサガリを強火のフライパンで焦げ目が付くくらいまで焼き上げます、パンはサンドイッチ用やホットドック用などお好みのものを用意していただければ大丈夫です。トッピングもレタス、トマト、ゆで卵などお好みの野菜を合わせてパンに挟めば簡単にサンドイッチが完成します。
輸入牛のサガリは比較的低価格で入手可能なので牛肉のサンドイッチを手軽に自宅で作ることができオススメの食べ方と言えるでしょう。
炒め物
これはサガリが低価格だからできる料理ではないでしょうか、サーロインやヒレ、バラなどの高級部位を炒め物で使うのはもったいなく感じるでしょうがサガリくらいの価格帯のお肉であれば躊躇なく使用できるでしょう。
一口サイズにカットしたサガリをしっかり焼き、お好みの野菜を入れた後は塩・胡椒や焼肉のタレなどで味付けすれば簡単に調理できます。
煮込み料理
煮込み料理にはスーパーで売られている牛肉角切りを使用することが多いと思いますが一工夫を加えサガリを使用すると柔らかくて旨みがつまった食感を味わうことができます。
例えばビーフシチューにサガリを使用するとデミグラスソースの旨みとサガリの独特の風味がマッチし少し変わったビーフシチューを楽しむことができます。
サガリは低価格であるため家庭料理での再現性も高くチャレンジしやすいのではないでしょうか、スーパーで見かけた際にはぜひ様々な料理に挑戦していただければと思います。
牛肉の部位「サガリ」についてのまとめ
これらのサガリの特徴を加味すると風味は独特で好みは分かれるお肉ではありますが焼肉、ステーキを中心に料理用途も多く家庭での再現性が高いのがポイントです。輸入牛であれば比較的低価格で入手可能なので色々な食べ方にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
国内産牛肉、黒毛和牛のサガリはスーパーではほとんど提供されておらず焼肉店での購入がメインになるとは思いますが機会があれば是非購入することをオススメします。
呼び方でハラミとサガリの違いが地方ごとにあるので自分が購入しようとしている物がハラミなのかサガリなのかしっかり判断できるようにしておく必要があります。ハラミもサガリと似たような食感や風味で少し脂っこい程度なので気にする必要はないかも知れませんが違いを理解しておくのは大切です。
注意点としてあげている焼き加減ですが、これは内臓肉ほとんどに言えることで安全に食べるためには大切なことなのでしっかり守るようにしましょう。