焼肉のメニューで良く見るロースという肉とはどの部位にあたるか
ロースは牛の肩から背中にかけての部位で肩ロース、リブロース、サーロインの3つをまとめて「ロース」と呼びます。
「リブロース」肋骨部の背中のお肉でロースの中心部分にあります。ロースのなかで最もキメが細かく霜降りが多い部位でサーロインと並んで高級部位として扱われています。
「サーロイン」腰付近に位置しており食感は非常に柔らかくジューシーな霜降りが特徴で、ヒレと並んで牛肉の最高級部位として認知されています。
「肩ロース」肩から背中にかけてあるロースの始まりの部分で肩の隣でもあるため赤身と霜降りのバランスが良いです。キメが細かく肉質は柔らかいのでどんな料理にも使用可能な部位と言えます。
ロースはこれら3つを総称した部位で牛肉の中心的な部位であり飲食店やスーパーでも多く品揃えされています。
焼肉として食べる場合はリブロースはリブロース芯、リブロース巻き、リブカブリに分けられ肩ロースは肩ロース芯とザブトンに分けられ食感や価格帯はそれぞれ違います。
焼肉で見かけるロースの特徴は
語源や別称
ローストの発音が訛ってロースという呼び名になっており、ローストは焼く、蒸し焼き、あぶり焼きという意味から焼くことに適した部位という意味になります。
それぞれにも語源がありリブはあばら、ロースは焼くでリブロース、サーはナイトの称号でロインは腰の肉という意味でサーはイギリス国王のヘンリー8世がサーロインを食べた時にあまりの美味しさに「この肉にサーの称号を与える!」と言ったことが由来でサーロイン、肩ロースは関西ではクラシタと言われており肩ロースの一部であるザブトンはハネシタと言われています。
見た目
リブロースは綺麗な霜降りが入っておりロースの中心を覆うように巻き付いているリブロース巻きが特徴的で少し丸っこい形をしています。
サーロインは一般的に販売されているサーロインステーキがイメージしやすく、綺麗な霜降りが特徴で見た目からも高級感が感じられます。リブロースと比較すると横長い形をしており見分けがつきやすいでしょう。
肩ロースは肩に近い部分とリブロースに近い部分で見た目が大きく異なり肩に近い方は霜降りはほとんどなく赤身でリブロース側はリブロースと同じくらい綺麗な霜降りがあり形もリブロースと見分けがつかないほど似ています。
味の特徴
味の特徴、食感はロースの中でも部位ごとに様々なので部位ごとに詳しく紹介します。
リブロース芯
リブロースの中心部分に位置しており、キメの細かさと綺麗な霜降りは他の部位と比較しても一際目立つものがあります。中心部分のため余分な筋や脂はなく柔らかくて食べやすいです。
リブロースマキ
リブロース芯の周りを囲んでいる部位で非常に希少価値が高く焼肉として食べるのがおすすめの部位で、少し脂が多いですが食感は非常に柔らかくレア度も高いため見かけたら購入することをおすすめします。
リブカブリ
リブロースの上部に位置しリブロース全体の中でも取れる量は少ない希少部位で、ロース同様に綺麗な霜降りがあり柔らかくて食べやすいです。
エンピツ
リブロース芯にくっついており極少量のみ取れる部位で、名前の通り非常に細くほとんど取ることができないため希少性は高いです。肉質はリブロース芯とほとんど同じで高級部位と同じような食感が楽しめ軽く炙って食べるのがおすすめです。
サーロイン
ステーキとして食べるのが王道ですが柔らかさ、味ともに最高クラスでどんな調理でも美味しく食べることができるため焼肉としても人気の部位です。
肩ロース芯
見た目はリブロース芯と似ており食感も近く価格はロースの中では比較的低価格なので美味しい部位を安く食べたい時におすすめです。
ザブトン
独特の霜降りがあり焼肉としての価値はリブロース、サーロインより上で焼肉店では特上カルビとして提供されるなど焼肉として食べる部位の中では最高ランクの部位です。食感は非常に柔らかく口の中でとろけるような感じがあり価格に見合った部位と言えるでしょう。
ロースは全体的に霜降りが多く食感は柔らかいのが特徴で脂っこさを感じる部位で赤身肉と比較するとヘルシーさや噛みごたえは感じられないので赤身肉と霜降り肉を1品ずつ注文するなどバランスよく食べるのがいいかもしれません!
牛1頭からどれくらいとれるか
リブロースが10kg、サーロインが10kg、肩ロースが18kgと他の部位と比較しても多く取ることができ、肩から背中にかけての牛の大部分を占めるので希少性はありませんがそれぞれ綺麗な霜降りが入り食感も柔らかいため価格は高めです。
細かく分けるとリブロース巻き、リブカブリ、エンピツ、ザブトンは1〜3kgしか取れない希少価値の高い部位ですがロース全体で見ると希少性はそこまでないです。
カロリーなどの栄養
リブロース100g/260kcal、サーロイン100g/310kcal、肩ロース100g/240kcalとそれぞれ他の部位と比較してもやや高めで、脂肪が多い部位です。
赤身肉のような風味はないですが霜降りが多いので柔らかさはあり満足感を求めるならカロリーは高いお肉を選んだ方が良いと思います。
焼肉におけるロースの美味しい食べ方は
焼き方
霜降りが多い部位なので焼きすぎても硬くなることもなく、軽く炙って中心部は赤いままでも柔らかいので食べやすくお好みの焼き加減で食べることができる部位です。
厚切りにカットすると歯応えを感じることができるのでリブロース芯、サーロイン、ザブトンなど筋が少なく食べやすい部位は厚切りにしてしっかり焼いてから食べるのもおすすめでう。
食べ方
焼肉のたれ、塩胡椒、ワサビ醤油、ガーリック塩など様々な味付けで食べることができ肉にもしっかりとした風味があるのでどんな味付けでも肉の旨みを引き出すことができます。
その他のロースのおすすめの食べ方
ロースは万能な部位で焼肉以外の調理にもほとんど使用されておりおすすめの食べ方を紹介します。
ステーキ
リブロースとサーロインはステーキの王道で部位の旨みを活かした食べ方と言えます。どちらも風味は濃厚で食感は非常に柔らかいにで食べやすく厚切りステーキとして食べるのもおすすめです。
肩ロースもステーキはスーパーでは多く販売されており輸入牛メインですがリブロース、サーロインよりも低価格で購入できシーズニングスパイスなど下味をつけて食べるのが人気です。
すき焼き
ロースに含まれるリブロース、サーロイン、肩ロースはいずれも霜降りが多い部位なのですき焼きによく使用され、すき焼きのタレや生卵との相性は抜群です。霜降りと赤身のバランスも綺麗で見た目も高級感があり、年末年始やお祝い事の時には贅沢としてロースですき焼きなどやってみてはいかがでしょうか。
高級すき焼き店で提供されている綺麗な霜降りの入っているお肉は黒毛和牛の肩ロースを使用していることが多いです!
しゃぶしゃぶ
しゃぶしゃぶは赤身肉であっさり食べるのが王道ですが霜降り肉でも調理は可能でリブロース、サーロインのしゃぶしゃぶ用のお肉が比較的メインで販売されています。ポン酢などあっさりし味付けで食べるのがおすすめです。
ローストビーフ
こちらも赤身肉がメインで調理されますが霜降り肉で調理すると非常に柔らかい食感を楽しむことができるのでロースの使用も可能です。
ザブトン、サーロインは筋や脂が少なく食べやすいのでローストビーフに向いています。
肉寿司
近年流行りの肉寿司は霜降りが多い肉を薄くスライスして軽く炙って食べるのが一般的なのでリブロース、サーロイン、ザブトンは特に適した部位と言えます。ワサビ醤油で味付けして食べるのがおすすめです。
牛カツ
豚のロースを使用したとんかつが一般的ですが牛肉ロースを使用した牛カツもおすすめです。価格は豚と比べると高騰しますが焼くことが多い牛肉を揚げることで普段とは違った風味を楽しむことができ、サンドイッチやカツ丼に使うといつもとは少し変わったメニューの完成です。
焼肉 ロースのまとめ
ロースはリブロース、サーロイン、肩ロースの3つを総称してロースと言われており肩から背中にかけての大部分を占める部位で、牛肉の中でも高価格な部位で食感や風味もよくリブロース、サーロインはステーキで肩ロースはすき焼きなど高級料理に使用されています。
これらは焼肉でも人気でリブロースは細かくリブロース巻き、リブロース芯、リブカブリ、エンピツに分けられそれぞれがごく少量しか取れない希少部位であり価格と比例して美味しさも増します。また肩ロースの一部であるザブトンは焼肉店では特上カルビとして提供される高級部位であり通常の焼肉とは違った食感、風味を楽しむことができます。
ロースは食感が非常に柔らかいので様々な料理に使用できるのが特徴でスーパーでも多く取り扱われているので入手も比較的簡単だと思います。家庭で飲食店と同じような料理を低価格で作ることも可能なのでロースを使いこなせるようになれば家庭料理の幅がさらに広がるのではないでしょうか!