ステーキをフライパンで美味しく作るときの焼き方のコツを伝授

ステーキのウェルダンと聞いて、「あまり好みの焼き方ではない」という人は少なくありません。そんな人でも、他の焼き方との違いを知れば、ウェルダンのイメージも変わっていくことでしょう。

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ステーキをフライパンで焼く前に好みの焼き加減を決める

「ステーキをフライパンで美味しく焼きたい」という人のために、焼き方のコツを紹介していきます。

レア、ミディアム、ウェルダン、それぞれの焼き方の特徴

ステーキの焼き方の特徴は、好みで決めます。どんな好みかというと、色、旨味、弾力性です。

一つ目にあげられるのが、色です。

日本人は、ステーキの色に関して「赤い色して美味しそう」という感情を抱かないものですが、欧米人ではむしろ赤身の肉を好む傾向にあると言われています。

真っ赤なマグロの刺身を見て、日本人なら「美味しそう」と思うのに対して、欧米人は刺身の見た目に好意を抱かないという話を思い浮かべれば理解できるでしょう。「レア」の赤身の色を残した焼き方は、色を楽しんで食事をする欧米人だからこそ生まれた焼き方なのかも知れません。

二つ目が、閉じ込められた肉汁の量、いわゆるジューシーさです。

ステーキを食べたときのジューシーさは日本語では旨味とも言われますが、これは焼くときに肉汁をどれだけ閉じ込められるかで決まってきます。

ステーキ肉の肉汁は、高温で焼かれると肉の繊維が壊れて流出しやすくなります。「ウェルダン」でも肉汁を閉じ込めてジューシーに焼くのがシェフの腕の見せ所ではありますが、一般的に、「レア」「ミディアム」「ウェルダン」の順にジューシーさが弱くなっていく傾向にあります。

三つ目が、弾力性です。

ステーキの焼き加減を確認する方法として、よく例えられるのが、手の親指と人差し指の根元の筋肉の弾力性です。

ダラっと力を抜いた時の弾力性が「レア」、ギュッと力こぶし握ったときの弾力性が「ウェルダン」といった具合に、実際に手で弾力性を確認しながらステーキを焼くシェフも少なくありません。

「レア」「ミディアム」「ウェルダン」の順に弾力性が増していくため、柔らかいステーキが人気の日本では「レア」を好む傾向にありますが、アルゼンチンのように歯ごたえのある「ウェルダン」が好まれる国も少なくありません。

焼き方の違いは噛み応えの違い

ステーキにおける焼き方の違いで一番好みが分かれるのは弾力性、つまり噛み応えの違いとなります。霜降り肉に代表されるように、脂身が入っている肉を好む傾向にある日本人にとっては、赤身に含まれる肉汁のジューシーさよりも、食感の方が好みが分かれるからです。

またウェルダンであっても、しっかりと肉汁を閉じ込めてジューシーに焼かれている場合には、ミディアムやレアとの違いも分かりにくくなります。一方、ニュースや報道で、生肉の食中毒の話題がよく出ることの影響なのか、食の安全の観点でレアよりもウェルダンを選ぶ人も少なくありません。

食の安全に関しては詳しくは書きませんが、ステーキ肉は、食中毒の原因が存在している表面を焼いているので、レアであっても全く危険性はないというのが定説です。よほどのジューシーさにこだわりを持った人でない限り、焼き方の違いは、弾力性の違い、すなわち噛み応えの違いとなります。フライパンでステーキを焼くときには、弾力性と焼き加減の関係を意識しましょう。

美味しいステーキの焼き方のコツは?4つのポイントを伝授

ここからは、美味しいステーキの焼き方のコツを紹介していきます。

1.ステーキ肉の下ごしらえとフライパンの準備

ステーキ肉の下ごしらえのポイントは2点です。

  • 冷蔵・冷凍から出して常温にしておく
  • 塩コショウは焼く直前にふる

フライパンで焼く準備の注意点は2点です。

  • フライパンが温まったらサラダ油よりも牛脂を使う
  • 強火・弱火、設定の温度に到達させておくこと

フライパンを温めた後に油を塗りますが、ステーキ肉には牛脂を使用するようにしましょう。風味と香りを増加させるためです。そして、肉を投入する前に焼き加減に合わせた温度になるようにフライパンを加熱させておくことです。ステーキ肉は焼き方で弾力性と美味しさが決まります。フライパンが冷めた状態で肉を乗せたり、フライパンが加熱しすぎた状態で表面を焦がすなんてことをしないように注意しましょう。

2.レア、ミディアム、ウェルダンの焼き方は弾力性で判断

焼き加減は弾力性で判断します。判断の目安は親指の弾力性で確認するとよいでしょう。

握りこぶしを作って、親指と人差し指の根元を反対の手を押して、同様にフライパンで焼いているステーキもツンツンと押して確認するのです。あまり肉を押しすぎると肉汁が出てしまうので注意は必要ですが、実際に感触を確認するのが一番の方法です。

3.フライパンから離して余熱で火を通す

ジューシーに美味しく焼くコツは、強火で程よく焼いた肉をフライパンから離してアルミホイルで包み余熱で内部に火を通すことです。なぜならば、余熱を使うことで、肉汁の流出を防ぎ旨味を閉じ込めつつ、内部まで火を通すことができるからです。肉は内部が高温になり、火が通りすぎると肉汁が流出してしまうので、ウェルダンで焼く際にも余熱を使う方法をおすすめします。

4.フライパンに戻して香ばしさを出す

肉汁が流出しないように慎重に焼いて旨味が閉じ込められても、表面に焦げ目がなく香ばしさに欠けた仕上がりになる場合もあります。そんなときにおすすめなのが、余熱で温めたあとの肉をフライパンに戻して強火でさっと焼くことです。表面に焦げ目がつくことによって、香ばしさが出て美味しいステーキに仕上がります。

フライパンでステーキを焼くときに、好みで分かれる焼き方の違いを解説

ステーキをフライパンで焼く方法はブログやクックパッドでよく見るけど、「相反することを言っていて、どちらが正しいのか分からない」と迷ってしまうことも少なくありません。よくある「好みで分かれる焼き方の違い」を3つ紹介します。

1.フライパンで焼く前に叩くのはありなのか?

フライパンで焼く前に肉を叩くことはおすすめしません。肉の繊維が壊れて肉汁が流出してしまうからです。

とは言え、条件によっては叩いた方がよいケースもあります。

  • 厚みがそろっていない肉に均一に火を通すために叩いて厚みを調節する場合
  • 多少旨味が逃げても柔らかさを優先する場合

いずれにしても、肉汁流出を最小限におさえるために、叩いた後にはすぐに焼くようにしましょう。

2.筋切りはどのタイミングがいい?

焼く前に筋切りをすることもおすすめしません。叩くのと同様に肉汁が流出してしまうためです。

では、筋がある肉の筋切りをするタイミングはどこがよいのでしょうか?それは余熱で温めた後、再びフライパンで表面を焼く前に筋を切るのが一番よいタイミングです。

肉汁が出ることも、手をやけどしないように注意する必要もないからです。

3.焼き方は強火か弱火か?

ステーキ肉をフライパンで焼く際には、弱火で焼くことをおすすめします。強火で焼くと肉汁が出やすく、好みの焼き加減に仕上げるのが難しいためです。

弱火で焼いても、ひっくり返す回数と焼き時間を調整することでレアやウェルダンで焼くことは可能です。香ばしさを出すために強火で焼くのは、最後にさっと表面を焦がすようにするとよいでしょう。フライパンを強火で熱したところに肉を投入すると「ジュー」と美味しそうな音がしますが、それは肉が美味しく焼けている音ではないことに注意しましょう。

まとめ

ステーキをフライパンで美味しく焼くコツは、好みの焼き加減を決めて、できる限り旨味を閉じ込めて焼くということです。

熱を加えすぎて、肉を硬くしたり、肉汁を出しすぎたりしないように注意しながら焼くようにしましょう。

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