焼肉といえば、「まずはタン塩!」というほど定番のタン。ほとんどの人が、焼肉屋で最初に注文していると思われます。
タンはカルビと同様に焼肉屋に置いてあるのがあたり前な部位。「焼肉」「しゃぶしゃぶ」として、薄切りで提供するお店が多いです。「タン刺し」(お刺身)や「燻製」を提供するお店もあります。
人類による摂取は、旧石器時代にまで遡るといわれているタン。今回は、そんなタンの魅力を解説します。
- タンについて
- 自宅でできるタンの美味しい焼き方
- タンの美味しい焼肉屋5選
タンのやわらかな噛みごたえと濃厚なうまみを堪能してください。
牛肉のタンについて
柔らかくて、ジューシーなタン。コリコリとした食感を楽しめる焼肉の人気メニューです。定番の薄さは「1ミリメートル以下」「1ミリメートル〜2ミリメートル」の薄切り。上質なお肉は、厚切りの「5ミリメートル〜6ミリメートル」で食べても肉質や風味を感じることができます。
ここでは、部位、特徴、国産と外国産の違いについて解説します。
【お肉のタン】部位
タンとは、「牛の舌」で長さは、約50センチメートルです。タンは有名な部位ですが、一頭400キログラムある牛から約1キログラム〜1.5キログラムしか取れない希少部位。どれだけ大きい牛でも舌は1本しかないことから希少なのです。
部位ごとに「特徴」「合う料理」が異なるうえ、先端と根もとでは見た目も味もかなり違い、先端側ほど硬く付け根側の肉質は柔らかいです。
先端から順に4つに分けられます。
- タン先
- タン中
- タン元
- タン下
タン先は、一番動かす部位。タンは、運動が多いほど硬くなります。硬いタン先は、焼肉にするよりも、タンシチューなどの煮込み料理で使われることが多いです。タンシチューにすれば、煮込んでにおいを抑えつつ柔らかく食べれるのでおすすめ。
硬めの肉質なので、焼肉で食べる場合は、小さめに切り噛みしめるような食感を楽しめます。
タン中は、「並タン」「上タン」として提供される部位。舌の付け根側と先端側では「歯ごたえ」「脂ののり具合」が異なります。タン元とタン先の間にある部位をタン中といい、適度に柔らかく脂がのっているのが特徴です。
とくに上タンは、薄切りとして提供されることが多く、サクサクした程よい食感を楽しめます。面が一番大きく量も多くとれるので、馴染みがある部位です。
タン元は、「特上タン」として提供される部位。最も柔らかく希少価値が高いです。タン元は、牛の舌の付け根の部位で、あまり動かすことがないのでとても柔らかく脂がのっています。厚切りの場合は、表面はサクッとした食感で中はジューシーな仕上がりでいただくと美味しく味わえるでしょう。
「霜降り牛タン」と呼ばれることもあり、肉質はとても良いです。根元から3センチメートル〜4センチメートルほどの付け根部分はとくに美味しく、タン元も、タン中と同様に焼肉でおいしくいただけます。
タン下は、「タンカルビ」「ミンチ材」として提供される部位。筋がとても多い部分なので、焼肉として提供されることはまずありません。ですが、煮込むことで口の中でとろけるような柔らかさになるので、煮込み料理に適しています。しっかり煮込むとほろほろになり、ほどよくやわらかくなるのです。
【お肉のタン】特徴
焼肉界の「1番バッター」といわれるほど人気のタン。赤身が多いことから、霜降り(サシ)が苦手な人やお子さんから年配の方まで幅広く好まれています。サクサクの歯ざわりと香り立つ甘みが魅力で、やわらかな噛みごたえと濃厚なうまみを堪能できます。
全体的に肉質は硬めですが脂肪が多く、弾力のある独特の食感が特徴です。タンは、焼肉で食べる他の部位に比べればヘルシーな印象。ですが、意外とカロリーは高めです。ダイエットされている方は、自分と相談しながら食べましょう。
タンの部位である「タン元」は脂がしっかりとのっており、やわらかくジューシー。「タン中」は、程よい歯ごたえを楽しめる点が好まれています。口の中にうまみやほんのりとした甘みがあり、レモンにつけたり、好みでねぎをプラスするとより美味しくいただけます。
【お肉のタン】国産と外国産の違い
国産牛肉は次の3つに分けられます。
- 黒毛和牛
- 交雑種(乳牛と肉用牛をあわせたもの)
- ホルスタイン
スーパーのラベルで「国産牛」と表記されているなら、ほとんど交雑種とホルスタイン。「和牛」と表記されているなら黒毛和牛です。国産牛や和牛は、希少価値が高く入手は困難。なので、焼肉屋で提供されているものは、ほとんどが外国産の牛タンです。
外国産で多く見られる産地は、次の三か国。
- アメリカ
- オーストラリア
- メキシコ
国産と外国産の違いは、外国産が美味しくないわけではありませんが、国産の牛タンの方が脂がのっていて肉質が柔らかく、濃厚な味わいがある点です。
自宅でできるタンの美味しい焼き方
自宅で美味しく焼くときは、「鉄製のフライパン」がおすすめ。焼き上げる前の準備は次の通りです。
- 少量の油をフライパンにひく
- 中火で温めていきフライパンから煙が出てきたら少し火を落とす
- 油をキッチンペーパーなどで全体に馴染ませる
あとは、続けて紹介する「厚切り」「薄切り」の焼き方で美味しくいただけます。
お肉のタンの焼き方【厚切り】
厚切りの場合は、両面にカリッとした焼き色をつけるのがポイント。香ばしさを際立て、美味しくいただけます。焼き加減は、ミディアムレアがおすすめです。表面に肉汁が出てきたら、裏返して裏面にも同じ焼き色がついたら出来上がり。厚切りのタンは、「塩」「コショウ」「レモン」がおすすめです。
お肉のタンの焼き方【薄切り】
焼く直前に、タンの片面に塩を振ってください。塩を振ったあと時間を置くと、タンから水分が抜けて「ジューシーさ」が失われてしまいます。塩を振ったら素早く焼き上げてください。お好みで胡椒も振ると良いでしょう。
薄切りのタンを美味しく焼くポイントは、表面を軽いクリスピーに仕上げることです。塩を振った面から焼くことで、塩がタンに溶け出し味がなじみます。焼き始めたらそのまま片面をしっかりと焼き上げましょう。30秒たつと、上面からじんわりと水分が上がってきます。下面がしっかりと焼けている証拠です。
肉が少し反りだしたタイミングで焼き色を確認し、こんがりしていたら裏返して、裏面も30秒焼きます。焼き加減は、レアがおすすめです。綺麗な焼き色を付けたい場合は、トングや菜箸でタンを軽く押さえると良いでしょう。薄切りのタンは、「塩」「レモン」「ネギ」でいただくのがおすすめです。
タンの美味しい焼肉屋5選
東京都内で美味しい牛タンを食べられる焼肉屋さん5選をご紹介します。
美味しい牛タンを追い求める方は、ぜひ足を運んでください。
【西五反田】食べログ焼肉TOKYO百名店2022選出店「焼肉しみず」
厚切り牛タンの代名詞となっている「焼肉しみず」。肉質にこだわり、黒毛和牛A5ランクの更に上、非常に貴重なメス牛を使用している焼肉屋です。
上品な脂の甘みを堪能できる稀少な味わいを体験できます。
■住所:
東京都品川区西五反田4-29-13 TYビル2F
■アクセス:
JR山手線・地下鉄各線「目黒駅」より徒歩10分
東急目黒線「不動前駅」より徒歩1分
■営業時間:
火~土 17:00~23:00(L.O. FOOD 22:15 DRINK 22:30)
日・祝 17:00~22:00(L.O. FOOD 21:15 DRINK 21:30)
■定休日:月曜日
【西新宿】タンの溢れ出す旨味、最高の贅沢を堪能できる「韓感」
新宿の喧騒から離れた、知る人ぞ知る隠れた人気店です。おいしい本場韓国料理と焼肉を同時に味わうことができます。
おすすめは、「厚切り上タン塩」。柔らかく味の濃い上質な牛タンを堪能してください。
■住所:
東京都新宿区西新宿7-19-6東洋ビル1F
■アクセス:
丸の内線「西新宿駅」より徒歩3分
JR「新宿駅」西口より徒歩7分
■営業時間
ランチタイム 11:30~15:00(L.O.14:30)
ディナータイム 17:30~23:30(L.O.23:00)
■定休日:無
【上目黒】好き嫌いのない万人受けの牛タン「ホルモンとく 中目黒」
牛タンを生でも焼きでも楽しめる「ホルモンとく 中目黒」。タンは、厚切りと薄切り、どちらかお選びいただけます。ご飯やお酒がすすみ、サクッとした歯ごたえがたまりません。
「タン刺し」もある貴重なお店。まったく臭みがなく、さっぱりしていながら、ねっとり感も味わえる最高のタン刺しもおすすめです。
■住所:
東京都目黒区上目黒2-15-6諸橋ビル2F
■アクセス:
東急東横線「中目黒駅」より徒歩4分
日比谷線「中目黒駅」より徒歩4分
■営業時間:
17:00〜翌1:00
■定休日:
無(年に数回お休みを頂く場合あり)
【経堂】徹底した品質管理で提供する上質な肉「炭火焼肉 ふちおか」
冷凍物は一切使用せず、常に良い状態の“つやっつや”お肉を提供する「炭火焼肉 ふちおか」。想像を裏切らない旨さでたくさん含んだ脂がじゅわわ〜と溢れ出てきます。
その日のお肉の状態によって甘みを調整。全て手切りで、部位に応じてカットを変えています。長い経験で培った技術と肉の選別眼があるからこそなせる技です。黒を基調にしたシックでモダンな店内は、スペースが広く、隣席を気にせずゆっくり家族で食事を楽しめるでしょう。
■住所:
東京都世田谷区経堂1-5-8 ロイヤルハイツ経堂1F
■アクセス:
小田急小田原線「経堂駅」より徒歩4分
■営業時間:
月・火・木~日・祝日 17:00~22:00(L.O.21:30)
■定休日:水曜日
【富士見】塩ダレとタンの相性抜群!「好ちゃん 飯田橋本店」
しっかりと下味が付いた牛タンを食べられる「好ちゃん 飯田橋本店」。塩が多少振ってある程度の焼肉屋が多いなか、こちらの牛タンを食べたら新しい魅力に気付くはずです。
ごはんとお酒にもよく合うので、熟成された牛タンを堪能できます。
■住所:
東京都千代田区富士見2-3-12 飯田橋西口ビル 2F
■アクセス:
「飯田橋駅」西口より徒歩1分
■営業時間:
月・水~金 16:00~23:00(L.O.22:00)
土・日・祝 13:00~22:30(L.O.21:30)
■定休日:火曜日
まとめ
焼肉に欠かせないうえ、季節や年齢を問わず人気のタン。焼肉屋でも大定番です。希少部位の上質なタンであれば、とろけるような食感を贅沢に味わうことができます。濃厚な味わいとコリコリ食感を楽しんでください。