美味しいステーキを作る下ごしらえ

ご家庭でもステーキ専門店のように美味しくステーキを焼く方法があります。しかし、ご家庭のフライパンで焼くには焼く前の下ごしらえがとても重要です。この記事では、お肉が硬くなってしまったり、肉汁が流れ出てしまったりすることなく、美味しいステーキを焼くための下ごしらえを紹介します。

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「ステーキの部位ってどこがおいしい?」 「ステーキのどの部位が人気?」 「ステーキの焼き方のコツが知りたい…」 本記事で…

柔らかく美味しいステーキを作る下ごしらえ

美味しいステーキを焼くには、焼く前の下ごしらえが大切です。焼く前にこれだけはおさえてほしいポイントは4つです。

美味しいステーキを焼くには、焼く前の下ごしらえが大切です。焼く前にこれだけはおさえてほしいポイントは4つです。

 

筋切りをして縮みと反り返りを防ぐ

ステーキを加熱すると、肉の繊維質が急激に縮み、形や大きさが変わります。反り返ってしまって上手に焼けなかったり、食べたときに繊維を感じたりする原因になります。これらを防ぐため、肉に切れ目を入れて、繊維質を短くしておきます。

筋は赤身と脂身の境目にあります。包丁を立て、刃先を赤身と脂身の境目に垂直にして2ー3cmくらいの間隔で切り込みを入れます。切り込みを深く入れすぎると肉のうま味が流れ出てしまうので、1cmくらいを目安に入れます。肉に厚みがあるときは、裏からも同じように入れると良いでしょう。たたいてのばす

肉を叩く専用器具をお持ちでしたらそちらを使用し、ない場合は綿棒で代用しましょう。綿棒の汚れが気になるなら先端にラップやアルミホイルを巻いてから使用すると良いですよ。この時も、赤身と脂身の境目を重点的に叩きます。

 

常温に戻して焼きムラを防ぐ

冷蔵庫から出したての肉は冷たく、中まで火を通すのに時間がかかります。冷たいまま肉を焼くと表面は焼けたけれど中は生焼けだった、中まで火を通すのに時間がかかってパサパサになってしまった、という失敗につながります。焼き始める30分ー1時間程前に冷蔵庫から出し、常温に戻しましょう。

 

味付け塩コショウのタイミングが大事

塩をふると肉の内部の水分が表面に引き出されてきます。塩をふってから焼くまでの時間が長いと、肉内部の水分と共に肉のうま味が流れ出てしまいます。塩こしょうは焼く直前にふりましょう。

 

漬け込み!プロテアーゼの力!ステーキの下ごしらえ

ステーキが硬くなる原因としてあげられるのが、肉に含まれるたんぱく質です。たんぱく質は熱を加えると硬くなる作用があります。そこで、たんぱく質を分解する作用のあるたんぱく質分解酵素「プロテアーゼ」を含む食品を合わせることで、お肉が柔らかくなります。それでは、おすすめの食材を4選ご紹介します。

 

酵素の力!大根おろしの汁

1つ目は大根おろしの汁に漬け込む方法です。やり方は、皮ごとすりおろした大根おろしの汁に肉を漬けるだけです。皮に含まれるたんぱく質分解酵素が肉を軟らかくしてくれるので、必ず皮ごとすりおろしてください。

おろし汁に漬けるときは、肉を常温に戻し、およそ5分ほど漬けてください。漬け込み時間が長すぎると身がボロボロに崩れてしまうので実践する際は肉の状態をこまめにチェックしましょう。

 

すりおろした玉ねぎに漬ける

2つ目はすりおろした玉ねぎに漬け込む方法です。玉ねぎには多くのプロテアーゼが含まれています。プロテアーゼが肉のたんぱく質を分解してお肉を軟らかく仕上げてくれます。やり方は、玉ねぎをすりおろして肉を1ー2時間漬け込み冷蔵庫で寝かせましょう。玉ねぎは漬けた後、ステーキのソースとして使用することができるので、食品を無駄にしたくない方におすすめです。

 

パイナップルの汁に漬ける

パイナップルにも多くのプロテアーゼが含まれています。玉ねぎと同様、すりおろして肉に漬け込みましょう。焼くときは玉ねぎと違い、水分を拭き取ってから焼くのがおすすめです。パイナップルもステーキの甘辛ソースとして使用することができます。醬油と合わせて無駄なく使用しましょう。

市販の漬け込む素を買う

市販の漬け込み液も活用しましょう。自宅で食材をすりおろすのは大変で手間がかかります。市販にはお肉を軟らかくする素があります。下ごしらえが面倒な時は何もしないより、市販の素に頼るのが良いでしょう。

 

その他の漬け込みステーキの下ごしらえを紹介

先ほどご紹介した食材以外にも、肉を軟らかくしてくれる食材はたくさんあります。ぜひ、家にある食材で色々試してみてください。

 

発酵食品

発酵食品の味噌や塩麹にもプロテアーゼが多く含まれています。味噌はどのご家庭にもあるお手軽調味料としておすすめです。また、塩麹も最近はチューブタイプのお手軽なものが売られています。どちらも下味として使用できるので、味付けと下ごしらえを同時に行えて一石二鳥です。

野菜・フルーツ類

先程ご紹介した食材以外にも、キウイや梨にもプロテアーゼが多く含まれています。キウイに漬け込んだ肉には、酸味が少し残っていることから、にんにくチューブを一緒に漬け込むことで酸味を抑えることができます。

 

きのこ類

きのこ類でおすすめなのは舞茸です。スーパーで買える食材の中でも多くのプロテアーゼを含む最強食材といわれています。まいたけをそのまま、または細かく刻んでお肉の上にのせ、ラップをかけて冷蔵庫で2時間ほど寝かせましょう。細かく刻んだものはステーキのソースに、そのままであれば付け合わせとしても使えますね。

 

はちみつ

はちみつも優秀な食材です。プロテアーゼだけでなく、果糖やブドウ糖も含んでいるからです。それらの成分にもたんぱく質を変性させて、肉が硬くなるのを防ぐ働きがあります。やり方は、肉の表面にはちみつを薄く広げ、30分程度漬け込みます。スペアリブなど厚みのあるお肉は半日程度漬け込みましょう。

 

美味しいステーキの下ごしらえの仕組み

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ステーキを美味しく食べるための下ごしらえを紹介してきましたが、そもそも肉が下ごしらえによって軟らかくなる仕組みは何なのでしょうか。仕組みについてもご紹介します。

 

筋繊維の収縮を防ぐ

肉は部位にもよりますが、基本的には主に水分約50%、たんぱく質約15%、その他約35%(脂質など)の3つからできています。肉の約15%を占めるたんぱく質は、大きくは細いひも状の筋線維たんぱく質と強いコラーゲンからできており、コラーゲンが筋線維たんぱく質を束ねて筋肉を作り上げています。筋線維たんぱく質は、50℃くらいから縮んで硬くなり、加熱温度の上昇と過熱時間の増加によって更に縮み硬くなります。筋線維の収縮を防ぐことで軟らかく美味しいステーキができるということです。

 

たんぱく質の結合を切る

下ごしらえでご紹介したように、たんぱく質分解酵素「プロテアーゼ」の力でたんぱく質の結合を切ることでたんぱく質の収縮を抑えることができます。これによって、ステーキが美味しく柔らかくなります。

 

お肌と同じ、水分が大切

肉には適度な水分が含まれていて、これによって軟らかさが保たれています。しっかり火を通そうと焼き過ぎてしまったり、塩をふり過ぎてしまったり、塩をふってから焼かずに放置することで水分がお肉から出てしまい硬くなってしまいます。

 

筋繊維とコラーゲンの違い

コラーゲンは筋線維たんぱく質と違い、70℃を超えるとゼラチン化しやすくなり、ゼラチン化することで筋線維たんぱく質が崩れやすくなり柔らかくなります。このことから柔らかい部位のステーキなどは高温短時間でさっと焼き上げ、コラーゲンの多い部位(牛スジ、ほほ肉など)

は長い時間をかけて煮込み調理することで柔らかく仕上がることがわかります。

まとめ

 

美味しくステーキを焼くための下ごしらえをたくさん紹介しました。ご家庭でも下ごしらえをしっかりと行い、ステーキを美味しく調理しましょう。