みなさんは美味しい牛ステーキのためなら多少お金がかかってしまうのは、仕方がないと考えていることでしょう。たしかに、高級な牛でつくったステーキは格別な味です。
それでも、焼き方次第では、高価な牛でなくても美味しいステーキを作ることは可能になります。今回は、安くてかたい牛でも、まるで高級牛を使用したようにとても美味しいステーキを作ることができる、焼き方についてご紹介していきます。
「ステーキの部位ってどこがおいしい?」 「ステーキのどの部位が人気?」 「ステーキの焼き方のコツが知りたい…」 本記事で…
牛ステーキの焼き方加減について
柔らかな牛ステーキの作り方の前に、まずは焼き方加減について、理解しておかなければなりません。牛ステーキはおよそ50度付近の加熱温度からタンパク質の変異が発生します。
焼き方は細かなものから大きなものまでカテゴリ分けすると、およそ10種類は上げられるほど、とてもバリエーションが豊富です。それでもお店などで注文する場合は、3種類ほどを知っておけば焼き方の種類に迷うことは少なくなるでしょう。以下で、よく使われている3段階の焼き方についてご紹介していきます。
レアの焼き方
牛ステーキの中心温度は、50度から60度です。これは、ほとんど生焼けの状態で、色味は鮮やかな赤っぽさを残しています。
表面にはほんのりと焼き色が付き、食感はまだ筋の硬さがあるため、弾力は控えめでとても力強い歯ごたえです。全体的に火の通りが少ないので、肉汁はまだほとんど閉じ込められています。牛の素材そのものの風味を試したい方、どっしりとした歯ごたえがお好みの方におすすめな焼き方です。
ミディアムの焼き方
牛ステーキの中心温度は、60度から70度です。中心にもほどよく火が通りはじめる頃で、ほどよいピンク色をしています。このころはまだ、レアの具合も割合的に残っている状態でしょう。表面には、茶色の焼き色がだんだんついてくる焼き方加減で、肉汁も同時に滲みだしてくる頃合いです。
ミディアムの見極め方は、この滲み出してくる肉汁を目安にしてください。少しでも染みだしてきたなら、ちょうどよいミディアムの焼き方になっています。食感はレアのような力強さが残っていてなお、弾力も同時に感じられ、非常に歯切れのよい後味を味わうことができます。
ウェルダンの焼き方
牛ステーキの中心温度は、70度から77度です。中身までしっかりと火が通っている焼き方になります。
このくらいの焼き方加減から、表面にしっかりとした焼き色がついてきます。肉汁も溢れだし、ついフライパンに肉を押し付けたくなってしまいますが、旨味が逃げてしまいがちになるため避けましょう。弾力、火の通り加減ともに十分な仕上がりとなっており、生焼けが苦手な方ならぜひ、ウェルダンの焼き方がおすすめです。
牛ステーキの下ごしらえについて
焼き方とともに重要なものに、下ごしらえがあります。
美味しい牛ステーキのため、失敗を未然に防ぐためには欠かすことのできない工程です。まず押さえておきたいポイントは、2つあります。肉に含まれた肉汁が逃げないようにすることと、火を通した時にできるだけ牛ステーキが硬くなってしまわないようにすることです。
以下で、下ごしらえの詳しい内容を見ていきましょう。
牛は常温に戻しておく
冷たくかたい肉ほど、加熱の所与時間が伸びてしまい、気が付いたら焼きすぎてしまっていたなんて失敗はよくあることです。牛は調理前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻しておきましょう。夏場なら30分くらい前から、冬場なら1時間くらい前を目安に取り出しておくとよいです。
牛の余分な水分を拭き取る
牛の表面についている余分な水分はこまめに拭き取っておきましょう。
これは、塩こしょうで風味付けをする時や、加熱の時に余分な水分が残っていると調理の邪魔になってしまうためです。また、あまり牛がべちゃっとなっている状態から火をかけると、水分がフライパンの中で跳ね上がり加熱の通り具合にムラができたり、跳ねてきた油がとんで思わぬケガの原因になるのを防ぐためもあります。
牛を細かく筋切り
牛を加熱したときに肉の繊維同士がくっついていると、加熱の熱で縮こまってしまい、これが筋っぽさが残ってしまう原因になってしまいます。牛の表面に格子状に切り込みを入れることで、繊維同士を切り離すことができるようになります。もっと牛ステーキを柔らかく仕上げたいという方なら、フォークを刺して繊維を断つ方法もおすすめです。
ここで注意してほしいことに、たくさんフォークで刺せばもっと柔らかな牛ステーキが出来上がるのかといえばそうではありません。刺した個所から、余分に肉汁がこぼれていってしまうため、刺し加減は程よくとどめておくことが重要になってきます。
牛ステーキの焼き方ポイントについて
牛ステーキの下ごしらえが完璧にできたなら、次は、いよいよフライパンで焼いていきましょう。牛ステーキは、火を通す時間が長くなってしまうほど硬い肉質になっていってしまうので、加熱は強火で短時間が鉄則です。以下で焼き方を詳しく見ていきましょう。
はじめの焼き色
牛ステーキは、初めの加熱処理が大切になってきます。長時間の加熱は、中身に火が通り過ぎてしまうし、肉の繊維を固くしてしまうので、旨味が半減してしまいます。まずは、強火から牛ステーキの表面に焼き色を付けます。
焼きで肉の表面をコーティングすることで中身の旨味を逃がすことなく閉じ込めておくことができるようになります。その後は、弱火にしていきじわじわと牛ステーキに火を通していきます。それでも短時間にすませて、あまり長時間は加熱しないようにしましょう。
また、焼いている最中のフライパンはあまりゆらさないようにします。頻繁に動かしたり、牛ステーキを箸でつついたりすることは、肉のうまみを逃がす原因となってしまうため控えるようにしましょう。
フライパンは厚手
フッ素加工のフライパンなら、どの家庭でも準備してあるでしょう。または、ホットプレートなんかも、後片付けも楽で大変便利なものです。
それでも、美味しい牛ステーキのためにフライパンにもこだわりましょう。鉄製の厚手のフライパンなら、失敗の少ない美味しい牛ステーキを作ることができるようになるでしょう。鉄は熱の通りがよいため、食材にすばやく効率的に火を通すことができます。
また、厚手のものは多少重くてもフライパンの温度を保ってくれるため、牛ステーキ全体にバランスよく熱が行きわたるようになります。部分的に焼きムラがなく、全体が香ばしい焼き方の仕上がりになるでしょう。フライパンは事前に温めておくことも重要なポイントです。
塩こしょうは焼き直前
牛ステーキに火を通す直前に塩こしょうを振りかけるようにします。これは、肉に含まれている旨味と水分を逃がさないようにするためです。また、塩こしょうは切り込みをいれたり、フォークなどで刺した面に振りかけるようにしましょう。こうすることで、火を通した時でも肉のうまみ成分をさらによく引き出してくれるようになります。
アルミホイルで包み込む
フライパンの余熱でも十分なのですが、もっと効率のよい方法に、アルミホイルで包み込む裏技があります。こうしてアルミホイルで包むことで肉の水分や旨味成分が蒸発するのを防げるため、とてもふんわりとした牛ステーキに仕上げることができます。
包み込む時間の目安は1分から2分くらいを見ておきます。火は切ってもよいですが、中身にしっかりと火を通したい方なら弱火くらいの火力をつけておけば十分でしょう。
牛ステーキの焼き方マスターで楽しく料理
自宅でも簡単に美味しい牛ステーキが仕上がる焼き方についてご紹介してきました。安い牛は比較的筋っぽく硬いイメージがつきものですが、焼き方を工夫するだけで劇的にふんわりと柔らかい食感に仕上げることができます。
自宅にある道具だけで簡単に実践できるので、みなさんもぜひチャレンジしてください。