牛マメ肉は、日本ではあまり知られていないコアなお肉です。
牛肉の「腎臓部分」で、食感はレバーに近く歯ごたえのあるお肉として知られています。
本記事では、牛マメの特徴や美味しい焼き方、レシピについて詳しく紹介いたします。
今回の記事では、焼肉の部位についての名前とその特徴について解説していきます。最近の焼肉屋では、「カルビ」や「ロース」など…
焼肉のマメってどんなお肉?
【焼肉のマメ】部位
マメ肉とは、牛肉の「腎臓」の部分を指します。
「マメ」の由来は、豚の腎臓がそら豆に似た形をしていることが理由です。
また、牛のマメ肉は豚の腎臓よりも細かく、マメの部分が多く集まっており、ぶどうの房のような形が特徴です。
牛一頭からとれるマメ肉の量は300〜500gほどと言われており、希少な部位と言えるでしょう。
マメ肉は別名で「キドニー」や「セマメ」と呼ばれることもあります。
【焼肉のマメ】特徴
マメの特徴は、肉の部位の中でも臭みが強いことです。
理由は、牛の腎臓も人間の腎臓と同じように、老廃物や血液をろ過する機能があるからです。
中に血液や脂肪がたくさん入っているため、マメ肉を食べる場合は念入りな下処理を行う必要があるでしょう。
また、牛マメは日本ではあまり馴染みのない部位ですが、ヨーロッパではレバーと一緒に日常的に食べられます。
マメ肉の独特な臭みがクセになるとされ、ホルモン好きの人には人気の高い部位です。
【焼肉のマメ】味や食感
牛マメは、「牛レバー」に食感がよく似ています。
そのため、人によって好みが別れる部位でもあるでしょう。
レバーより少し歯ごたえがありコリっとした食感が特徴です。
マメ肉の味は、淡白で臭みを取ることであっさりとした味わいを楽しむことができます。
また、マメ肉の周りに付いている脂肪部分を「ケンネ脂」と言います。
すき焼きなどで用いられる上質な脂で、旨味成分を豊富に含んでいる部分と言えるでしょう。
【焼肉のマメ】購入場所
マメ肉は、希少部位であることから、なかなか入手することができないお肉です。
また、下処理や調理方法も難しいため、あまりスーパーで見かける機会がないと言えるでしょう。
街のお肉屋さんや市場などに置いていることもありますが、ネット通販での購入が確実と言えます。
ネット通販での牛マメの価格は、200グラムおよそ1080円が相場です。
新鮮なマメの選び方
牛マメを美味しく味わうには、鮮度が重要です。
- 見た目・・・ふっくらとして表面に艶がある。
- 味・・・新鮮なマメ肉ほど弾力が強く、食感を楽しむことができる。
現物を見て購入する場合、試食が可能な際は、上記の2点をチェックして選ぶと良いでしょう。
カロリーや栄養素
牛マメは、タンパク質が多く含まれる部位です。
牛マメの栄養素を100グラム換算で見てみましょう。
- エネルギー・・・131きろカロリー
- タンパク質・・・16.7グラム
- 脂質・・・・・・6.4グラム
- 炭水化物・・・・0.2グラム
- ビタミンB12・・22.1マクログラム
- セレン・・・・・210マイクログラム
牛マメ肉は、炭水化物が少ないため、優れたタンパク質の供給源です。
また、血液を作ったり、脳の神経を健康に保ったりする働きがあるビタミンB12や病気や老化の原因でもある葉酸を防ぐセレンも多く含まれます。
昨今、焼肉店にて希少部位のお肉を提供するお店が増えています。今回こちらでご紹介するお肉、「ザブトン」もその希少部位肉の一…
焼肉のマメのおいしい焼き方
下ごしらえ
牛マメは、他の部位に比べて臭いが独特で、念入りな下処理を行う必要があります。
しかし、丁寧な下処理を行うことで、臭みがなく最大限にマメ肉の旨味を引き出すことができるのです。
牛マメ肉の下処理のポイントは下記の通りです。
独特な臭みを無くす。
- マメ肉の房のような部分に付いている白い薄皮や血の部分を取る。
- マメ肉を房のような状態からマメ状に一つ一つ切り分ける。
- 切り分けたら、横から包丁を入れてさらに半分に切る。
- 臭いの原因である中の筋を取り除く。
臭みの元となる汚れを念入りに流し取る。
- 臭いの原因を綺麗に取り除くことができたら、流水でマメ肉を洗う。
- たっぷりの塩水に30分程晒し、水気を拭き取る。
- 調理する大きさに切り、沸騰したお湯に1分ほど軽く茹でたら下処理完了。
牛マメは、カットする大きさによって食感が違うため、自分の好みの食感を探してみると良いでしょう。
【焼肉のマメ】焼き方
牛マメ肉は中までしっかり火を通すことがおすすめです。
よく火を通さずに食べると、臭みが残ってしまう場合があります。
焼いても臭いが気になる場合は、焼く前にタレを多めに付けて焼くと良いでしょう。
【焼肉のマメ】美味しい食べ方
牛マメ肉の美味しい食べ方は焼肉、炒め料理、煮込み料理がおすすめです。
焼肉
焼肉は、牛マメ肉の代表的な食べ方です。
味噌ダレや塩ダレ、甘口、辛口に限らず、どんなタレにも合うお肉と言えます。
また、塩コショウなどで牛マメの旨味を最大限に活かして食べるのもおすすめです。
炒め料理
牛マメは炒め料理にも適しています。
コショウやバターなどのシンプルな味付けから、中華やイタリアンまで幅広い系統の料理にアレンジすることができるでしょう。
煮込み料理
マメ肉の独特な臭いが気になるかたにおすすめな食べ方です。
赤ワイン煮やトマト煮、クリーム系の味付けにも相性が良く、水分を含んだマメ肉のねっとりとした食感を楽しめます。
焼肉のマメのおいしいレシピをご紹介
家庭ではなかなか調理する機会が少ないマメ肉ですが、幅広い味付けや調理方法で楽しむことができます。
牛マメ肉の美味しいレシピについていくつかご紹介いたします。
牛マメのトマト炒め
牛マメ肉を使用したトマト味のイタリアン炒めです。
牛マメの旨味を最大限に楽しむことができます。
<材料>(約2人分)
- 牛マメ肉 200グラム
- ニンニク 1片
- トマト 1個
- オリーブオイル 適量
- 塩コショウ 適量
- ローズマリー 小さじ1
- バジル 小さじ1
- 赤ワイン 大さじ2
- 醤油 小さじ1
- パセリ 1房
<作り方>
- 耐熱ボウルに薄くスライスしたニンニクを並べ、オリーブオイルを多めにかける。その上からクッキングペーパーを被せる。
- 600Wで2分半加熱して揚げる。ニンニクチップはペーパーで油をきり、オリーブオイルは取っておく。
- トマトの汁と種の部分を分け、残った果肉をサイコロの大きさに角切りする。
- 下処理を済ました牛マメ肉を小指の先くらいの大きさにぶつ切りにし、塩コショウをまんべんなくふりかける。
- 取っておいたオリーブオイルを再びフライパンで加熱し、中火にする。温まったら牛マメ肉をグレー色になるまで炒める。
- トマトの果肉とハーブを加えてトマト煮に火が通るまで炒め、汁気をフライパンに残し、皿に盛り付ける。
- フライパンに残った汁に、トマトの種と汁、赤ワイン、醤油を加え強火で煮詰める。
- 煮詰めたソースをマメ肉にかけ、ニンニクチップと刻みパセリをまぶして完成。
牛マメとグリーンピースのビール煮込み
牛マメ肉とハツ(心臓)を組み合わせた料理です。
ビールを使った柔らかく、少し甘味のある味が特徴です。
<材料>(約4人分)
- 牛マメ 400グラム
- 牛ハツ 300グラム
- 玉ねぎ 1個
- にんじん 1本
- トマトの缶詰 1カップ
- バター 大さじ2
- ビール 1カップ
- 冷凍グリーンピース 2カップ
- 塩コショウ 適量
(A)
- パプリカパウダー 大さじ2
- マジョラム 小さじ1
- ローリエ 1枚
- タイム 2枝
- スープ 5カップ
<作り方>
- 牛マメとハツを2〜3センチ角に切り、熱湯で5分ほど茹でる。
- 玉ねぎとにんじんは1センチ角に切る。
- 鍋にバターを溶かし、つぶしたニンニクを炒め1と2の順に加えて5分ほど炒める。ビールを加えてさらに煮込む。
- トマト缶と(A)の調味料を加え、アクをすくい取りながら煮る。弱火にしたら約1時間煮込む。
- グリーンピースを軽く湯通しし、4に加え、さらに30分煮込む。塩コショウで味を整えたら完成です。
牛マメと玉ねぎの甘辛煮
豚マメを牛マメに代用した甘辛煮です。
牛マメの食感を最大限に引き出す調理方法と言えるでしょう。
<材料>(約2人分)
- 牛マメ 300グラム
- 玉ねぎ 1個
- ゆで卵 2個
(A)
- 生姜 1.5〜2片
- 醤油 大さじ3
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
<作り方>
- 下処理を済ました牛マメを1口大に切る。
- 沸騰したお湯に5分ほど茹で、茹で上がったらザルにあげて流水で汚れを綺麗に洗い流します。
- 鍋に(A)を入れ、マメ肉・ゆで卵(そのまま)・玉ねぎ(くし切り)を入れ、30分ほど煮込む。
- 卵や玉ねぎがあめ色になったら完成。
牛マメとブロッコリーの炒め物
牛マメと野菜の色鮮やかな食材を組み合わせた栄養たっぷりのイタリアン風レシピです。
ハーブで香り付けし、牛マメの食感を楽しむことができます。
<材料>(約4人分)
- 牛マメ 400グラム
- 塩コショウ 適量
- ブランデー 大さじ2
- ブロッコリー 1株
- 赤ピーマン 1/2個
- 黒オリーブ 10粒
- オリーブオイル 大さじ3
(A)
- アンチョビのみじん切り 大さじ2
- 輪切り赤唐辛子 1本
- オレガノ(乾燥) 小さじ1/2
- バジル(乾燥) 小さじ1/2
- ニンニクのみじん切り 小さじ2
- パセリのみじん切り
<作り方>
- 下処理を終えた牛マメを1口大に切り、たっぷりの熱湯に入れ10分ほど茹で、水にさらして汚れを落とし、水気をきる。塩コショウ・ブランデー大さじ1を振りかけ10分おく。
- ブロッコリーを小房に分け、やや硬めに茹でる。赤ピーマンは1センチ角に切り、オリーブを薄切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを入れ熱し、(A)を入れ弱火でゆっくり炒める。1と2を加えて強火で炒める。
- 塩コショウ、ブランデー大さじ1を振りかけたら完成。
まとめ
牛マメは、牛肉の部位の中でも食感や臭いに特徴があります。
人によって好みが別れる部位ではありますが、栄養価が高く、歯ごたえのある食感は多様な調理方法に活かすことができるでしょう。
スーパーなどで手軽に入手することが難しいお肉ですが、ネット通販などで比較的安く購入することが可能です。
本記事を参考に、牛マメの旨味と食感を最大限に活かし、美味しく味わってみてはいかがでしょうか。