牛肉のハチノスという部位を知っていますか?ハチノスはその名の通り、蜂の巣そっくりの見た目をした、ホルモンの一種です。
ハチノスは聞いたことがない人やあまり知らない人が多いのではないでしょうか。この記事ではハチノスの美味しい食べ方やおすすめのレシピを紹介します。
牛肉のハチノスについて
ハチノスとは
牛には胃が4つあることで知られています。ハチノスは、牛の第二の胃にあたる部位です。
第一の胃はミノ、第三はセンマイ、第四の胃はギアラと呼ばれています。名前は、見た目が蜂の巣そっくりであることが由来です。
小さい六角形が集合した形をしています。その他にも「蜂巣胃(はちのすい)」や、「ハニカム」という別名を持ち、韓国では「ポルチプ」イタリアでは「トリッパ」と呼ばれています。
第二の胃であるハチノスは、反芻したり、飲んだり食べたりした食べ物を第一の胃に戻したり、第三の胃に送るという役割をしています。内臓にあたるので、ハチノスはホルモンの一種です。ハチノスはコラーゲンやミネラルが豊富なため、女性に人気な部位です。
また、カロリーが低いため、ヘルシー志向の人にもオススメです。牛一頭からとれるホルモンの量が45キロなのに対し、ハチノスはその中でも500g~1キロほどしか取れません。
そのため、かなり希少価値の高い部位と言えます。
ハチノスの味わいや食感
ハチノスは、牛にある4つの胃の中では一番食べやすく、あっさりとした味わいをしています。歯ごたえがあるので、噛めば噛むほどうま味やコクがじゅわっと出てくる部位です。4つの胃の中で、一番美味しい部位とも言われています。ただし、消化器官独特の臭みがあるため、下処理が肝心です。
ハチノスには黒皮がついているのですが、ボイルすると白くなるため、白いハチノスがクセもなく人気です。ゆっくり煮込まれたハチノスは、ハラミのような柔らかさになり、独特のうまみがあるため絶品です。
ハチノスのおいしい食べ方
ハチノスはどのように食べると美味しいのでしょうか。下処理の方法やハチノスの焼肉での焼き方や食べ方を紹介します。
ハチノスは下処理が肝心
ハチノスは黒皮がついて売られていることがあります。その際は、黒皮を取り除き下処理することで臭みがとれるのでぜひやってみてください。
まず、大きいボウルに黒皮の部分を上にして、50度くらいのお湯をそそぎます。そのまま5分ほど放置し、汚れたお湯を捨てましょう。
その後70度くらいのお湯をいれ、3分浸したらまたお湯を捨てます。黒皮が柔らかくなっているので、スプーンや歯ブラシなどでこそぎ落とします。
その後、15分程茹でたら下処理完了です。この下処理をきちんとすることで、柔らかくて臭みのないハチノスを楽しむことができます。
焼肉でのハチノスの焼き方
焼肉屋さんで出されるハチノスは、上記のように下処理をされてから出てくるものがほとんどです。そのため、焼き色がつく程度に焼けば大丈夫。
ミディアムレアで食べると、ハチノスの独特の食感やうま味が楽しめます。たんぱくな味わいなので、焼肉のタレや塩ダレなど、少し濃いめのタレで食べるのがおすすめです。
ハチノスの美味しい食べ方
焼肉やバーベキューなどでただ焼くだけでも美味しいハチノス。その他には、イタリアではトリッパのトマト煮込みと呼ばれる、ハチノスのトマト煮込みの料理が有名です。また、イタリアだけでなく韓国料理やフランス料理や中華料理の炒めもの、和え物や煮込み料理などさまざまな食べ方が世界中で楽しまれている部位です。
ハチノスを使ったおすすめの肉レシピ
ハチノスを使ったおすすめのレシピを紹介します。煮込みや炒め物、和え物、スープ、カレーなどさまざまな料理に合うので、ハチノスが手に入ったらいろいろ試してみてください。
【ハチノスのレシピ】トリッパのトマト煮込み
トリッパとは、イタリア語でハチノスを意味します。まずハチノスは下処理をしておきます。
鍋にオリーブオイル、ニンニクをいれて炒め、ニンニクの香りを出します。みじん切りにしておいた玉ねぎ、人参、セロリなどの野菜を入れてさらに炒めます。
下処理しておいたハチノスと、トマト缶をいれます。コンソメ、塩こしょう、料理酒(あればワイン)を入れ、具材が柔らかくなり、水分がなくなるまで煮込みます。
塩こしょうで味を調えたら完成です。ハーブの香りが好きな人は、野菜を入れる段階でハーブをいれても美味しいです。
トマト煮込みにはオレガノやローリエなどがおすすめです。ワインにあうおつまみにもなりますし、パスタにかけたり、パンと一緒に食べても絶品です。また、チーズをかけて焼き、パセリをちらせばパーティに出しても恥ずかしくない、見た目も華やかな料理の完成です。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのフランス風パン粉揚げ
フランスのリヨン地方でうまれ、フランス全域で親しまれているハチノスのパン粉揚げです。ハチノスは下処理をしておきます。
鍋に玉ねぎ、にんじん、セロリ、水、酒(あれば白ワイン)、ブーケガルニをいれ弱火で柔らかくなるまで煮込みます。時短で作りたい人は、圧力鍋を使うのがおススメです。
ハチノスをとりだして冷めたあと、小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけていきます。きつね色になるまで揚げたら完成です。
マヨネーズやオーロラソースなどのこってりしたソースがよく合います。じっくり煮込んでから揚げるという時間のかかる料理なので、特別な日にぜひ作ってみてください。
【ハチノスのレシピ】ハチノスの味噌煮込み
世界各国で食べられているハチノスですが、和風の料理にもよく合います。ハチノスは下処理をしておきます。
鍋に水、醤油、みりん、味噌、料理酒、ハチノス、すりおろした生姜、長ネギを入れ柔らかくなるまで煮込みます。柔らかくなり水分がなくなったら完成です。
煮込んでいる間に水がなくなりそうだったら随時足してください。仕上げに七味唐辛子をかけると、ビールや日本酒にあうおつまみにもなりますし、ご飯も進むこと間違いなしです。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのピリ辛煮込み
辛い物が好きな人は、韓国風のピリ辛煮込みがおススメです。ごま油、にんにく、生姜を鍋に入れ熱し、香りを出します。
豆板醤を加え、さらに炒めます。下処理したハチノスを加え、鶏がらスープの素、料理酒を入れ煮込みます。味噌、みりんを加えさらに1時間ほど、ハチノスが柔らかくなるまで煮込みます。辛いのが好きな人は仕上げに七味唐辛子をかけてもいいですし、豆板醤の量でも辛さを調節することができます。
あっさりとしたハチノスはどんな煮込み料理にも合うため、辛い物好きさんはぜひやってみてください。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのレモン焼き
ハチノスは、シンプルに焼くだけでも美味しいです。ハチノスは下処理をしておきます。
レモン汁、ごま油、塩こしょうを混ぜ合わせ、ハチノスに味が染みるまで漬け込んでおきます。フライパンで焼き色がつくまで焼けたら完成です。
刻んだねぎをかけてもいいですし、一緒に炒めてもネギの香りがレモン焼きに良く合って絶品です。お酒が進むおつまみの完成です。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのポン酢和え
ハチノスはシンプルに和え物にしても美味しいです。ハチノスを下処理しておき、柔らかくなるまで煮込んでおきます。圧力鍋を使うと鍋で煮るより時間が短縮できておススメです。
やわらかくなったハチノスに、ポン酢をかけるだけ。お好みでおろしやもみじおろし、七味唐辛子をかけても美味しいです。さっぱりしたハチノスが食べたい人はぜひやってみてください。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのスープ
ハチノスをじっくり煮込んだスープは、寒い冬にもよく合います。ハチノスは下処理をしておきます。
鍋に玉ねぎ、ごぼう、大根、ハチノス、牛肉ダシダ、塩こしょう、水を入れ柔らかくなるまで煮込みます。ハチノスが柔らかくなったら塩こしょうで味を調え、ごま油をたらしたら完成です。
お好みでごまをかけるとさらに風味がよくなります。辛い物が好きな人はごま油の代わりにラー油をかけても美味しく食べられます。刻んだネギもよく合うのでいろいろアレンジを楽しんでみてくださいね。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのカレー
何にでも合うハチノスなので、カレー味で煮込んでも絶品です。
ハチノスは下処理をしておきます。鍋に油をひき、カレー粉を炒めて香りを出します。玉ねぎ、人参、セロリなどの野菜を炒めます。水、ハチノス、コンソメ、塩を入れハチノスが柔らかくなるまで煮込みます。
味を整えたら完成です。トマト缶を入れても美味しいトマトカレーになります。市販のルーを使う場合は、カレー粉を入れず、ハチノスが柔らかくなるまで煮込んだあと火を止めルーを入れます。再び火をつけ、とろみがついたら完成です。
いつもと一味違ったハチノスカレー、ぜひ作ってみてください。
【ハチノスのレシピ】ハチノスのモツ煮
もつ煮に使われるのは小腸が多いですが、ハチノスで作っても美味しく仕上がります。鍋に人参、ごぼう、大根、下処理をしたハチノス、水、だしをいれ柔らかくなるまで煮込みます。ハチノスが柔らかくなったら、味噌、醤油、酒、みりんを入れ、水分が半分くらいになるまで煮込みます。
仕上げにネギ、お好みで七味唐辛子をかけたら完成です。普段のもつ煮をハチノスに変えるだけで少し違った食感や味わいが楽しめます。
まとめ
ハチノスは牛の第二の胃で、4つある胃の中では一番あっさりした味わいをしており、一番美味しい部位とも言われています。その名の通りハチノスのような見た目をしているホルモンの一種です。一頭の牛から500g~1キロほどしかとれないため、非常に希少価値があります。独特の臭みがありますが下処理をすることでとれます。焼肉で焼く際は軽く焼き色を付ける程度でOK。煮込み料理や和え物、炒め物などなんでも合う部位なので、ぜひ好みの食べ方を発見してみてください。