みすじはどこの部位の肉のこと?おすすめの焼き方・調理法も紹介

「お肉のみすじを美味しく食べる方法が知りたい」

みすじは、焼き方がとても大切です。

美味しく食べるために「正しい焼き方」をしたいものです。

そこで、今回は次の3つを解説します。

  • お肉のみすじについて
  • お肉のみすじの焼き方
  • お肉のみすじの調理法

みすじは、独特な食感に加え、脂の口どけがあり優しい味です。脂の量とは裏腹に口の中でもたつかず、赤身のあっさりとした上質な旨みがあります。美味しい調理法を知り、味わいを堪能してください。

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みすじについて

みすじは、柔らかく、後味がさっぱりしたお肉です。切れが良く、牛肉の中でも希少部位です。希少でありながら、比較的リーズナブルなので手に入れやすいのが特徴です。

霜降りになりやすいお肉としても有名です。霜降りとは「脂肪が赤身の中に細かく分散した状態」です。細かく分散するほど、口あたりが柔らかく、加熱調理しても硬くなりません。

みすじは、希少部位のため明確なカロリー表記はありません。参考になるとすれば近い部位。肩は、脂身つきで286キロカロリー、赤身肉で201キロカロリーです。サシが少ない赤身肉であれば、カロリーは低いでしょう。

スーパーでは、「カルビ」「タン」を買う人が多いです。ですが、みすじもファンが多い人気の部位。上下の筋は取り除かれている場合が多いですが、筋は硬さを感じにくいのが特徴です。

焼肉店では、「特上カルビ」の名称で使われています。最近では、スーパーでも「焼肉用」「ステーキ用」として置かれるほどポピュラー。

やわらかな食感にもかかわらず脂身が多すぎず、絶妙な味わいです。

お肉のみすじの部位

みすじは、「牛の肩から手首にかけてのお肉」。肩甲骨の裏の「ウデ肉」にあたり、内側にくっついています。

肩や手首と聞くと、運動量が多い部位です。肉は、運動量が多いと筋肉質で硬く、運動量が少ないほどやわらかくなります。「固いのでは?」と予想できますが、肩甲骨の裏は動かしません。だからこそ、腕の部位では一番霜降りが多いのです。

筋は3つあり、真ん中は「中筋」と呼びます。中筋も、ステーキ用で使われる部分は硬さを感じません。動かさない部位ほど柔らかいからです。中筋も、よく焼けば気にすることなく食べられます。

やわらかい部位と聞くと、「サーロイン」「ヒレ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。サーロインは、適度にサシがあり口の中でとろけるような食感。ヒレは、赤身でもやわらかいといった食感です。一方、みすじは赤身と脂身のバランスがよく、「サーロイン」「ヒレ」とは違った食感・柔らかさがあります。

似ている部位は、「ロース肉のさらに真ん中部分」「サシが多く柔らかなリブ芯ロース」です。どちらも「焼肉」「ステーキ」に適しています。

みすじは、オス1,100キロ、メス720キロの牛一頭あたり約2キロしかとれません。人気のカルビは、1頭から15キロ。「ステーキの王様」と言われるサーロインは、1頭から10キロです。いかに希少か分かります。

お肉のみすじの名前の由来

お肉のみすじには、大きな3枚の筋があり特徴的な見た目です。上下にわたり、3本すじが入っているから「みすじ(三筋)」と呼ばれています。となりの「トウガラシ」「肩三角(別名クリ)」といった希少部位を総称して「杓子(しゃくし)」とも呼びます。

みすじの形が火打ち石に似ているから、「ひうち」という別名も。関西では羽子板の形に似ていることから「ハゴイタ」とも言います。他にも、「幻のお肉」「本三筋」と呼ばれることも。英語名は「Blade steak(ブレードステーキ)」「Top Blade Muscle(トップ・ブレード・マッスル)」です。

お肉のみすじの特徴

「焼肉屋」「スーパー」で簡単に手に入るお肉のみすじ。ですが、細かい特徴を知っている人は少ないでしょう。

価格はそれなりですが、芸術的な霜降りと柔らかな肉質はまさに絶品です。希少部位のみすじは、独特な食感と柔らかさがあります。口どけを楽しむことができるから、焼肉では非常に人気です。鉄板焼きのお店でも売られています。小さい子どもがいるご家庭であれば、適度なサイズにカットして炒め物にすると、簡単に美味しい一品になるでしょう。

国産牛は、筋から葉脈のように美しいサシが入ります。サシとは「霜降り度合い」のことです。みすじのサシは「葉っぱのような形」と呼ばれるほどきれいです。

断面で見分けがつきやすいのも特徴の一つ。真ん中に一本の筋が入っており、「外国産は牛タン」「国産牛は木の葉の模様」に見えます。断面が小さく細長いから、好みの厚さにカットすれば良いサイズ感のステーキに。一番の霜降りだから甘くとろけます。

バラ肉などに比べ脂肪分にくどさもありません。濃厚な味わいで、赤身と脂身のバランスが良いです。赤身部位が多い部位なので霜降りでありながらも「赤身の味わい」「後味にキレ」があるお肉です。

細かなサシで、「コクが深く」「甘みがふわっと広がる」やわらかな食感。サーロインやヒレ並みに柔らかく、サシの入りやすい肉質です。しつこくなく、歯切れがよいからあっさりとした食感。非常に柔らかく、筋は焼くと気になりません。

国産と外国産の違いは「色」。サシは、国産がややピンク色。外国産は赤身の割合が多く濃い目。

 

2つ目の違いは「味わい」。国産は適度にサシが入っており「柔らかい」「コクが深い」印象。対する外国産のみすじは、「さっぱり」「若干固め」な印象です。

どちらも、とろけるような味わいで食感を楽しめます。

おすすめ料理は、外国産のみすじは「煮込み料理」。国産のみすじは「ステーキ」「焼肉」です。

国産牛は、とくに霜降りが美しく希少価値が高いです。肉質が良いから、甘みと風味を堪能できる濃厚な味わい。

ロースやモモとは違う味わいです。牛タンのような食感に例える人もいますが、舌で押しつぶしてもフワッと口の中でとろけます。

カルビとの違いは、脂のくどさ。肉の内部に脂肪がきれいに入ったサシだから食感も柔らかく、風味が良いです。

お肉のみすじの選び方

スーパーでは「筋が大きすぎないもの」を選んでください。真ん中に半透明な筋があり、比較的細くてまっすぐなお肉は良いみすじです。

お肉は小さめがおすすめ。大きいほうがお得感がありますが、なるべく小さいほうが柔らかく霜降りが多く良質です。赤身部分が色鮮やかで、サシが程よく入っているとさらに良いでしょう。

真ん中に入っている筋が分厚いと噛み切れません。筋は、薄めがおすすめです。

国産と外国産でも違いがあります。外国産のみすじは、焼肉より「ステーキ」「ローストビーフ」に向いています。とくにアメリカ産は、完全な赤身のお肉です。

国産は、アメリカ産に比べると高めな傾向。ですが「焼肉」「ステーキ」で食べるとほっぺたがとろけ落ちます。

 

みすじの美味しい焼肉の仕方

お肉のみすじは調理前が肝心

みすじは、焼く30分前に常温に戻してください。冷蔵庫から出したばかりのお肉は中が冷えてます。そのまま焼くと、火が均一になりません。せっかくのみすじが台無しになってしまいます。

冷凍の場合は、いきなり常温にしてはいけません。ドリップが出やすくなるからです。ドリップには「肉の旨み」が含まれており、せっかくの美味しさが損なわれてしまいます。

パーシャル室があれば便利。パーシャル室とは、約-3度の「微冷凍室」のことです。無い場合は、冷蔵室で十分に自然解凍を行いましょう。

食べる前日に冷蔵庫に移しておき、7時間〜8時間かけて解凍すると良いでしょう。解凍したあと、冷蔵庫から取り出して常温に戻します。

温度変化には注意してください。

お肉のみすじの保存方法

保存方法にも違いがあります。

冷蔵庫で保存するなら「塊のまま」。お肉は表面から劣化します。小さくカットすると、表面積が増えて「乾燥」「劣化」する範囲が広がるからです。保存後は、変色部分や劣化したところをトリミングすると良いでしょう。トリミングとは、「お肉の不要な部分を取り除く」ことです。

冷凍庫で保存するなら「小さくカット」。使いやすい小さなサイズにカットして冷凍しましょう。冷凍肉は解凍するときに劣化が起こります。解凍時間がかかる塊状態だと、劣化が進んで「水分」「旨み」が抜けてしまうからです。薄切りや小さくカットしておくことで、解凍時間を短縮できるから劣化を抑える効果があります。

お肉のみすじの焼き方

みすじの旨みが感じられる「レア」がおすすめです。スーパーのお肉は、肉質も良いので、変に工夫せずシンプルに焼き上げるのが一番。融点(食肉の脂肪が溶け始める温度)が低く、水分があまり多くない肉質のため、火を通しすぎてはいけません。脂が落ちてしまい、硬くパサパサした食感になります。

塩コショウは、焼く直前がおすすめ。肉が固くならず、おいしく仕上げられます。

フライパンが温まったあと、常温に戻してから焼き上げましょう。

焼く順序は次のとおり。

  1. 片面を中火から強火で20秒ほど火を通し、焼き色をつける。
  2. もう片面も20秒程度に軽く焼く。

※監修:ミシュランシェフ 水口一義 氏

 

解説動画

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みすじを使った絶品肉レシピ

みすじは、「ステーキ」「焼肉」がおすすめ。醤油との相性が非常に良いです。醤油ダレ、わさびを添えるのもあり。

お肉のみすじは柔らかいステーキで

ステーキは、噛むほどに旨味が溢れ、みすじの柔らかさが味わえます。シンプルに焼いた方が美味しさを堪能できるでしょう。赤みと脂肪のバランスがよく、適度な霜降りで上質なサシが程よく入っていると、とろける美味しさ。

焼いて調理するときは、真ん中のすじを切っておくと肉の縮みが減ります。みすじは、赤身肉なので、火を通し過ぎるのは厳禁。硬くなってしまいます。「レア」「ミディアムレア」で焼き上げましょう。

上品な赤身肉がベースだから、醤油との相性は抜群。牛肉本来の旨味が感じられる部位なので、レアで提供するお店が多いです。

ソースを使う場合は醤油ベースがおすすめ。醤油やみりんにバターを加え、コクのあるソースがよく合います。ワインとの相性も抜群です。

ワサビ醤油で食べると、みすじ本来の旨みとジューシーさを引き立て、何とも言えない味わいが口の中に広がります。

お肉のみすじはシンプルに焼肉で

国産のみすじは、塩でもタレでも焼肉ならおいしくいただけます。

味付けは最小限。下味は、軽く塩こしょうがおすすめ。柚子胡椒を軽くつけてみるのもいいでしょう。焼き過ぎに注意し、お肉本来の味や香りを楽しんでください。肉質も最高級に柔らかく、とろける味わいです。

 

まとめ

多くの人を魅了する「みすじ」。

  • 幻の部位
  • 至高の逸品
  • 特別な日に食べる贅沢な一品

このように呼ばれることもあります。

おもてなしにおすすめです。

友達に送ると、喜んでもらえること間違いなし。父の日、母の日のプレゼントとしても利用できます。

芸術的な霜降りと柔らかな肉質を堪能してください。